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「盛り上がってるなー」


街の中はどこもかしくも盛り上がってる。


魚料理店が多く、どこも美味しそうな匂いがする。


新鮮な魚を売る商人やそれを買う冒険者や主婦がおり、その風景が見渡す限り続いてる。


「それじゃあ一旦俺は宿探してくるからお前らは好きな様に動けば良いよ」


リューネとタマにお金を渡す。


団長とエミリアはダンジョンのお金がまだあるので渡してない。


「リューネ悪いけどタマと一緒に行動して」


「別に構わないわよ」


タマはこの街に入ってから興味津々に周りを見てる。リューネに任せれば大体は大丈夫だろう。


俺は皆んなと別れ宿を探し始めた。


確かにここら辺から良い匂いとかするが、別に今日食べに行きたいかと聞かれたら寝たい方が勝ってしまう。


「しかし、人混み多すぎて酔いそう」


行く道行く道人が多すぎて中々前に進めない。


悪戦苦闘しながら前に進むが料理店が多くたまに見つける宿はどこも満員だ。


「参ったな…」


石段に座り休憩する。


たった今5軒目の宿を尋ねたがダメだった。


どうなってんのこの街は!


俺がベッドに寝れない絶望を感じていた時


「お兄さん。なにしてんの?」


声をかけられた方を見る。


声の主は女性だ。


見た感じ冒険者でも商人でも無さそうだ。


「誰?」


「ああ、これは失礼。私この街で宿を経営してるマークスって言うの」


「そのマークスとやらは俺に何の用だ?」


「なんか、今にでも死にそうな顔をしてたから心配で声かけたんだよ」


なるほど、良い人だな。


マークスは宿の経営してるって言ったが見た目はただの若い女性にしか見えん。


服だって普通に着こなしてる。


「宿に入れなくて絶望してたところよ」


「なら、うちに来る?ちょっと狭いけど今日は誰もいないから泊まれるよ?」


「なに!?」


マークスの言葉に反応したが…。


「いや、でもおかしくないか?こんだけ満員なのに誰もいないってのは」


そう言うとマークスは頬をかきながら


「あー…まあ、色々と訳があって。でも、ベッドもあるし普通に食事も出るよ!」


色々って何だよ!?


だが、泊まるところが無いのが現状だ。


「すっごく気になるが…とりあえず泊まるよ」


「ありがとー!じゃあ案内するからついてきて」


マークスの後を追う様に街の中へ歩き始めた。


「ここが私の宿だよ!」


ジャーン。


とか、効果音が出てもおかしくない仕草で紹介された家は至って普通の宿である。


「遠いわ!!」


宿は至って普通なんだが場所に問題がある。


街を抜け山の中に入った場所にあった。


「いや~実は街の中は高くて。私が買えたのはここら辺なんだ」


苦笑いしながらそう言う。


「とりあえず、中見せて」


「了解です!」


宿の中へ入る。


「うん。普通の宿と変わらないな」


中も普通。


ただ手入れをしているのか綺麗だ。


「場所が場所だから人はあまり来ないけど、それでも来た人にはちゃんとおもてなしはしてるよ」


部屋や飯を食べる食堂も見せてもらったが、普通の宿と変わらない。


「う~ん。ま、ここで良いか」


その言葉を聞きマークスは目を輝かす。


「ありがとうございます!」


「で、因みに1泊値段は?」


「食事込みでこれだけです」


マークスが出してきた値段はどちらかと言うと他の宿よりは安い。


食事が出てこの値段か。


まあ、場所が場所だけど…。


「とりあえず1週間分でお願いするよ」


「ありがとうございます!」


泊まる人数と部屋の種類と色々話してお金を渡した。


「なあ、ここ山の中だけど魔物とかは出ないのか?」


会計も済み、ふと思ったことを聞く。


「たまに出ますよ」


「ダメじゃねぇか!?」


しれっと普通に言ってるが泊まる人間からしたら危なくて泊まるどころじゃない。


「出るには出ますが弱いので私が倒してます。定期的に宿の周りだけですが魔物退治もしてます」


「あんたが?」


「はい!こう見えて剣は使えます。冒険者で暮らしてたことありますし」


「全然冒険者に見えねー」


普通の女性なんだよ。


見た感じ20代前半くらいかな。


「良く言われます。ただ魔物の事は大丈夫なので…ってお客さんは冒険者でしたね。なら、私が倒さなくても大丈夫そうですね」


あはは。と笑いマークスはそのまま外に出て行った。


「あいも変わらずお前は…」


宿で寝て待ってようと思ったが一応宿の場所を伝えようと街に繰り出した。


リューネあたり俺の居場所がわかると思うから言わなくても良いような気がするが…


で、街に繰り出したのだがあいつらが何処にいるかなんて分からず適当に歩いていたら、両手いっぱいに串に刺さった焼き魚を持ち歩いているブラックを見つけた。


「お、マサキ。ここの魚は色々味が違うから美味しいのぉ!」


「とりあえず、その両手に持ってる魚を食べてから次の買いなさい」


見た目はメイド服を着た美女なのに、中身がドラゴンだからな。


最早冷めきった目で見るしかないわ。


「ところでマサキは何しに来たんだ?」


「宿が見つかったからその報告だよ」


「ふむ。なら、今日のところはこのへんでやめてやろう」


「どんだけ上からの目線なんだよ」


魚を食べ終えたブラックを連れて団長達を探す。


だが、中々見つからない。


リューネあたり呼んだら来そうだな。


「…リュー」


「呼んだかしら?」


呼び終える前に俺の後ろから声が聞こえた。


振り返るとリューネとタマが普通にいた。


「もうビックリする気力も無いわ」


「あら?それは残念だわ」


リューネはこういう良く分からない事をするのだがタマも一緒にするとは思わなかった。


「まあ良いや。とりあえず団長達が…」


「呼びましたか?」


また、後ろから声が聞こえたので振り返ると団長とエミリアがいた。


「…お前らまで瞬間移動が使えるようになったのか?」


「いや、普通にマサキ殿が見えたので歩いてきただけです」


「ププ。マサキ」


「エミリアお前お仕置きだな」


「で、マサキ何の用?」


エミリアのコメカミをグリグリしてるとリューネが聞いてきた。


「宿が見つかったから今日はもう宿で泊まろうぜ」


「あ、お帰りなさい。そちらがお連れさんですか?」


「ああ。これで全員だ」


宿に戻るとマークスは掃除していた。


来た時ですら綺麗だったのにまだ掃除するのか。


「ふむふむ。お客さん中々やるわね」


「やめて。側から見れば羨ましいかもしれないが実際は苦労しかしてないから!!」


「はいはい。所でそちらの騎士さんはイースル国の騎士団長さんじゃないのかい?」


「ああそうだが…何で知ってるんだ?」


「そりゃ私も冒険者してたから、有名な人間なら知ってるさ」


「そうなんだ」


団長が有名ねぇ。


「マサキ殿?何かバカにされてる視線なんですが?」


「気のせいさ」


「で、そちらはイースル国の王女様じゃないか。お客さん、お客さんは一体何者なんだい?」


「逆に俺が貴女が何者なのか聞きたいわ!」


今まで団長とエミリアの素性を知っていたのはギルマスや町長など、だいぶ上の人間くらいだった。


それが、たかだか冒険者だった過去を持つ人間がそこまで詳しく知っているのがおかしい。


「女は秘密を持つ生き物なのさ!」


「めんどくせぇなこいつ!」


マークスの素性を知りたいが、なんかめんどくさそうだからやめよう。


その後は普通に部屋に案内されて夕飯までベッドで寝てた。


夕飯の時はタマが起こしにきた。


「やっぱり魚料理か」


「この街の名産だよ!」


なんかさ、魚料理ばっかり推されると逆に肉料理が食べたくなる。


ひねくれてる。


「うむ。中々美味いぞ」


ブラックは味わいながら…じゃなくまるで飲み物のように食べるスピードは早い。


「もうちっと味わって食べろよ」


目の前にある魚料理。


色々あるが、シンプルに焼いただけの焼き魚に手を出す。


「あ、美味いわ」


シンプルに焼いただけの魚は、その魚自身の味が出て美味しい。


「その魚はグリーンフィッシュっていう魚で緑の湖で一番取れる魚だよ。色々料理方法はあるけどシンプルに焼くだけが一番美味しいんだよ」


マークスの話を聞きながら色々な魚料理を食べていった。


「ごちそうさま」


「美味そうに食ってくれて作った甲斐があったよ」


テーブルに出された料理は完食(主にブラックが)


「そーいえばお客さん達は大会に出るのかい?」


「大会?」


マークスは後片付けを終え、椅子に座り此方に言ってきた。


「ああ。レインボークで行われる釣り大会さ」


「釣り大会ねぇ」


お茶をすすりながら話を聞く。


「あら?興味なさそうだね」


「全く興味がわかねぇ」


「ははは。正直だね。大会が行われるのは丁度1週間後だね」


「盛り上がるのは結構だが俺には関係ないな」


「因みに景品は何ですか?」


団長がちょっと食い気味で聞く。


「えーっと。ああ、アレだわ。賞金と覇水の指輪だったかな?」


「それはまた…」


団長は目を開き驚く。


「覇水の指輪って何だ?」


「覇水の指輪ーーそれは水の中でも地上と同じ様に歩けたり息が出来るレアアイテムだったかな?」


マークスがそう言うと団長は肯定するように頷く。


「確か、【南の賢者】が持っていたはずでしたが…」


「噂ではお金に困り売ったらしいわ」


それを聞くと団長は苦笑いして


「流石は南の賢者です」


色々聞きたいが、今聞くとどうせめんどくさい事に絡まれるのは目に見えてわかる。


こういうのは無視して話を聞くのが一番だ。


「因みに覇水の指輪を売ると冒険者が1年程は軽く生きていけるくらいのお金は貰えるはずだったような…」







「魚狩りじゃあああああ!!!!」

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