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「めんどくせー」


目の前の光景を見ての感想だ。


宿に冒険者らしき男性が来てみんなしてダンジョンの方へ走ってきた。


そしたら、男性が言った通りダンジョンの入り口から魔物が続々と現れている。


入り口は何者かに壊されたのか入った時には扉があったのに今はない。


そして、入り口横には黒い渦みたいのが何個も出来ていて、そこからも魔物が出てきている。


それで魔物達は街に入ろうとしているが、冒険者達によって妨げられている。


「おい、ダンジョン内の冒険者はどうなっている!?」


イカツイオッサンが戦っている冒険者に聞く。


「分からねぇ!!俺達はたまたまここにいただけだからよ」


そう言いながら魔物を軽々と倒していく。


「なあ、リューネ。ここにいる魔物っつたら見た感じ弱い部類に入る魔物ばかりだよな?」


「そうね。雑魚ね」


1階から9階に出てくる魔物しか今のところ見かけない。


これなら俺達が戦わなくても良い。


「なら、中に入りますか。リューネや団長は気付いてんだろ?」


「ふふ。マサキも分かるようになったのね」


「流石はマサキ殿。真っ先に宿に帰って寝ると思ってた私は反省します」


「おうおう!反省しやがれ!」


全く。


俺だってやらなきゃいけない時はちゃんとしますよ。


それ以外は動きたくないがね。


「じゃあ、突っ切ろうか」


俺の言葉に皆んな頷く。


足に力を入れ冒険者達を避けつつ魔物を何体か倒して中に入る。


「あー、やっぱり中に入ったら分かりやすいな」


「そうですね…」


そう、ダンジョン内で魔力の暴走を感じたんだ。


魔力の暴走。


文字通りなんだけど、ダンジョン内の魔力が俺達が初めて入った時より密度が濃く感じられる。


しかも、常に動きまくってるせいか気持ち悪い。


「マスター…」


と、少女が俺の所まで来た。


「どうした?ションベンなら見えないところで…」


「違います!…多分魔力の暴走は私のせい…」


「どういうこと?」


魔力の暴走とこの少女との関係が一切分からない。


「私は魔力を常に体から吸収しています。毎日毎日吸収しているので私がいなくなったことにより吸われるはずだった魔力が滞り耐えきれなくなって暴走したのじゃないかと…」


「なあ、少女の話はほんとなのかリューネ?」


少女の話じゃいなくなったからって言ってたよな。


あれ?少女をダンジョンから出したのって俺じゃね?


「確かに魔力を常に吸収しているけれどダンジョン内の魔力というのはそうそう暴走なんてしないはずよ。一定の魔力で少なくなれば魔力を放出するし多かったら魔力の放出を止めるはずなのよ」


「つまりは少女が出て行ったからじゃなく、何者かが魔力の暴走をさせているってことだな?」


「恐らくは」


俺は少女に顔を向け頭に手を置く。


「お前さんのせいじゃない。むしろこのダンジョンから出させた俺のせいになる。だから、お前さんのせいじゃない」


頭を撫でる。


少女は少し顔を赤らませてコクッと頷いた。


「ダンジョン制覇した次の日にいったい誰がこんなことを…。頑張った俺達にさらに問題を解決させるためにやったなら、とっちめないとな」


誰だか知らないが俺を働かせた罪は重いぞ。


「と言ってもこんだけの魔力の暴走の元を辿るのは大変ですね」


団長がそう言う。


ああ、確かに。


「ん?それならもうどこにいるか分かってるわよ?」


リューネがあっさりそう言う。


流石です。


さて、そこの場所へ行こうか…


と、思っていると魔物が襲ってきた。


まあ、軽々と倒すのだが…


「なんか、こいつらいつもと違わないか?」


いつも襲ってくるには襲ってくるのだが、なんか違う。


で、よくよく見ると魔物達の目が赤くなっている。


また、若干ながら攻撃力が上がっている。


「これも、魔力の暴走が原因か?」


次々襲ってくる魔物達を倒していく。


「そうね、恐らくは魔力の暴走による魔力増幅で魔物達が暴走化してるみたいね」


「暴走化か…」


確かに、そう言われれば攻撃力が上がってる理由が分かる。


「2人とも話しながらなんでそんなに簡単に倒せるのですか!?」


どうやら簡単に倒しているのは俺とリューネ、ブラックだけみたいだ。


「いや、雑魚には変わらないだろ?」


「確かにそうですが…あまりにも数が多すぎるので…ック!!」


ああ、そう言われれば確かに数は異常だ。


言われて気づくあたり俺はどうなんだろうか?


「もう、面倒ね」


リューネが右手を上から下に振り下ろす。


すると、氷の塊が現れ魔物達に降り注ぐ。


雨、いやこれはもう嵐と言っていいほどの降り注ぐ具合だ。


氷の雨は5分程続いた後止まった。


「さあ、行くわよ」


見渡す限りドロップアイテムだらけだ。


「もう、なんも言えねー」


俺達はリューネの魔法により宙に浮き下に下がっていった。


「あれは…」


順調に9階まで来た。


いくら魔物が凶暴化したところでリューネの魔法の前には変わらない。


そして、8階から9階に来て遠いところで誰かが戦っている。1人は地面に座っており、恐らくは守りながら戦っているのだろう。


「リューネ、あこに冒険者が苦戦してる。助けよう」


普段は助け合いはしない。


冒険者なんだ。命を賭して戦うのを覚悟して戦うんだ。


…って事を酒を飲んだ冒険者達に聞かされた。


確かに一理はある。


だが、俺はそこまで覚悟は無いし目の前で殺されるのも目覚めが悪いしね。


「良いけど…」


リューネが珍しく渋るな。


まあ、助け合いはしたほうがいい。


「どうした?なんか不都合でもあるのか?」


「いや、無いんだけど…。まあ、リーダーであるマサキの言葉には従うわ」


はぁ。と溜息をつきスピードを上げる。


近づいて冒険者の近くに降りる。


冒険者からしたら急に現れた様に見えるからビックリするだろうな。


「…ッ!?マサキさん?」


と、俺に話しかけてきた冒険者…いや、冒険者じゃなく騎士はスザクだった。


つまりだ、倒れているのは…


「ゲッ!?ブルブル貴族だ」


「誰がブルブル貴族だっ!!ニードル大貴族だ!!本当にお前は頭にくる人間だな!?」


やっぱりニードルだった。


「っと…」


話してる間にも魔物達は襲いかかってくる。


スザクは倒すには倒すのだが…


なんか、弱くね?


動きが最初会った時と全然違う。


「ま、聞きたいことはあるし先に倒そう」


今度はリューネの魔法じゃなく俺と団長と少女とスザクで全部倒した。


少女パナイわ。


見渡す限り魔物はいない。


一先ず安全は確保出来たな。


「で、何で2人はここにいるんだ?つか、あのガリガリな男はどこにいるんだ?」


スザクにニードル。


この2人がここにいる以上あの呪いを使えるガリガリな男はいるはずなんだがな。


先に帰ったとか?


「あの男ッ!!」


ニードルが顔を真っ赤にしてブルブル怒りだした。


「…なんか、めんどくさいことになってるな」


ニードルはなんかブツブツ言って怒ってるから説明をスザクにしてもらおう。


スザクに目線をやると


「実は、あの男呪師じゃなかったのです」


「というと?」


「あの男、自分で魔族と言ってました」


「また出たよ魔族」


なんなん魔族は。


この前のイースル国の時も魔族だったし。


この世界の魔族は過激なの?


「また?…とりあえず、お話ししますね。あの宿から出て国に戻ろうとした時、あの男が目覚めて急にダンジョンへ行こうという話をして、勿論行く必要は無いので断ると何かしらの魔法で無理矢理体の自由を奪われ、ここに移動させられました」


瞬間移動?


魔法でそんな事出来るもんなのか?


「魔族で、使われている特殊な魔法ね。まあ移動をメインとした魔法だから特に攻撃的な魔法じゃないわ」


ありがとうございます、リューネさん。


「そうなんですね…。で、ここについてからあの男は私に弱体化の呪いをかけてそのまま扉の方へ向かいました。あの男が扉に入ってから魔物達が急に変わり、攻撃が上がり中々大変な所にあなた達が来てくれたのです」


弱体化の呪いか。


だから、弱く感じた訳ね。


多分だがいつもなら、これくらいの魔物だったら瞬殺なんだろうな。


「にしても、その男を倒さなきゃならないわけか。まあ、ブラックに一撃貰って気絶する奴だ。大丈夫だろう」


そんな軽い気持ちで挑もうと考えてたらスザクが


「マサキさん。その考えはやめた方が良いです」


「何で?」


「あきらかに強さが変わってます。弱体化させられてるとはいえ、一応止めようとしましたが一蹴されました。恐らく会った時よりは強くなってます」


スザクが一蹴か。


「う~ん。とりあえず忠告は受け取っておくよ。あ、悪いけどスザク達はここにいてくれ。俺たちだけで行ってくる」


この言葉にスザクは頷く。


が…


「私も連れてけ!!あの男には言いたい事が沢山ある!!」


ニードルは連れてけと言う。


「え、嫌だ」


「何故だ!?元々あの男とは私が一番関わりあいがある。それに、私を騙した罪は重いんだ!!」


あ、ダメだ。人の話を聞かない感じだ。


さてさて、正直に言ってしまおうか。


と、考えてたら


「ニードル様。私達は此処に残りましょう」


スザクがそう言ってくれた。


「スザクまで何を言う!?」


「ニードル様。はっきり言って私達は今この方々が来なければ危ない状態でした。つまり、今から一緒に行っても足手まといになるだけです」


そう、はっきり伝えた。


そうなんだよ。足手まといなんだよ。


スザクの呪いを解けばスザクだけは連れてける。


ただ、このニードルは正直邪魔なんだよ。


「ま、そういう事なんだ。行こうか」


ニードルが何か言おうとしてたがリューネが魔法の力で浮き上がり、扉に向けて移動した為何を言ってたのか聞き取れなかった。


ま、どうせ文句だけだろうから良いけど。


「なあ、魔族って世界を征服したい過激集団なの?」


「確かに世界征服を望んでる魔族はいたわ。ただ、今は…そうね、説明が必要になるから後から教えてあげる」


リューネがそう言うもんで、これ以上追求は出来なかった。


扉にすぐ着いた。


「てか、思ったんだけど外に出てたのってオーガといたよな?あれ、大丈夫なんか?」


「大丈夫だと思いますよ。嫌われているとはいえ、倒せない魔物じゃありませんし」


団長がそう言うなら大丈夫か。


少しの懸念が消えたので…


「中に入るか」


皆んなが頷くのを確認して扉を開く。


目の前が暗くなりすぐ明るくなる。


「やっぱり来ましたか…」


目の前には茶色のフードを被った男がいた。


最初に会った時と違うのは顔が痩せこけてる訳ではなく、魔族独特の肌に綺麗な顔をしていた。


フードの男の周りには、黒い渦が何個もある。


「とりあえず、お前を倒しに来たぜ」


そう言って、全員男に向かい走り出す。


全員ーーといっても、俺、リューネ、ブラックだけが男に向かい近く。


エミリアを守る為に団長と少女はその場で守っている。


「邪魔を…するなァァァァ!!」


男はそう言い放ち黒い渦から魔物を大量に召喚させる。


魔物は見たところSランク相当の魔物だらけだ。


あ、メタルスネークキングやミノタウルスもいる。


大量の魔物が現れるが…


「邪魔だのぉ」


ブラックは拳に纏った黒いオーラを前に突き出す。


黒いオーラは前に飛び魔物に当たると溶け始める。


「めんどくさいなぁ」


リューネは魔物の頭上に特大の氷や火の塊を出現させ倒して行く。


「ック…化け物め!!」


「俺もそう思う」


かくいう俺は魔物を倒さずそのまま魔族の所に来た。


「人間が…邪魔をするな!!」


魔族は黒い渦に手を入れた。


そして、手を出した時その手に握られていたのは禍々しいオーラを出した剣だった。


「魔剣クリュスタルの餌食になれ!!」


魔族は俺に対して上から真っ二つにしようと振り下ろす。


「秘技、真剣白刃取り!」


俺はその剣に両手で挟んで止める。


…なんか出来ちゃった。


魔族は驚いて動きを一瞬止める。


それを見逃さず横っ腹に蹴りを入れる。


「グフッ!?」


魔族はそのまま吹き飛び壁にぶつかる。


壁には亀裂が入り、魔族は壁に埋もれる。


「おい、返すぞ」


両手で挟んだ魔剣は魔族が飛ぶ時離したみたいで俺の手にあった。


その剣を勢いよく魔族に投げる。


剣はそのまま魔族の体を貫く。


「ァァァァァァ!!!」


魔族は体に剣が刺さりながらも無理矢理壁から出てくる。


もう、死にそうな体を無理矢理立たせ


「何故だ!!何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!!?貴様みたいな人間にこの私が負けるのだ!?」


魔族は死に体とは思えない速度で俺に突っ込んでくる。


「お前は俺に出会った。それが敗因だ」


俺は突っ込んでくる魔族の頭をカカト落としで地面と衝突させた。


地面に当たる時プチっと音がした。


魔族はそれから動くことは無かった。

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