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目の前が真っ暗だ。


魔法陣の移動の時はいつもこうだ。


まあ、すぐ明るくなるだろう。


《やあやあ冒険者くん》


目の前にボヤーッと人型の光が現れた。


そしてこの声。一番最初に聞いた声だ。


《実は君に話があるんだよ。なーに悪いことじゃ無いさ》


顔は見えないが恐らく悪どい顔をしてるのだろう。


断ろうと声を出そうとしたのだが…


《無理だよ?この空間は僕の空間だからね。本当は一瞬で通る空間に無理矢理いさせているから体は動けないよ》


言われた通り声だけじゃなく体全体動かせない。


《まあ、手っ取り早く話をしよう。君にはやって欲しい事があるんだ》


光は俺の周りをグルグル回り続ける。


《今、この世界にあるダンジョンを全て制覇して欲しいんだ》


目の前でピタッと止まる。


《ダンジョン内の宝箱は手に入るし制覇したら有名になれるよ?》


光は薄くなる。


《君なら…君達なら簡単でしょ?だから…》


光が完全に消える。


《…を………してね》


くそっ。


何言ってるか分かんねぇ。


だが、俺は…俺達はめんどくさい事に巻き込まれたのは間違いない。


そして、今度こそ目の前が明るくなった。


「ここは…入り口のところか?」


目の前には最初にダンジョン入る時に入った入り口があった。


「ということは、外にーー」


俺が全部言う前に周りから凄い歓声が上がった。


「お前らがダンジョン制覇者か!?」


「え?」


改めて見渡すと冒険者らが沢山いた。


「ダンジョン制覇した奴がいるって話を聞いて来てみたら入り口付近で急に魔法陣が現れビックリしたらお前達が現れた。で、お前らは本当にダンジョン制覇したのか?」


ハゲのオッさんが興奮して話してくる。


俺は状況が追いつかなくてまだボケーッとしてるが…


「そうよ。私達がダンジョン制覇したわ」


リューネが手を腰にあて胸を張る。


エミリアも真似をする。


それを聞いた冒険者らは尚更歓声が上がった。


「ダンジョン制覇したくらいでえらい騒ぎようだな」


俺がふと、思った事を口走ったら冒険者らがいっせいにこちらを向き


「騒ぐに決まってるだろうが!!なんせ、未だに制覇出来ないダンジョン5つの1つが制覇されたんだよ!?」


ハゲのオッさんがこいつ大丈夫か?みたいな顔でみてくる。


「げっ。こんなダンジョンが後4つあるのかよ…」


めんどくさいこの上ない。


と、冒険者の間から杖をついたおじいさんが現れた。誰だ?


「はじめまして。私この町の町長スウィングと申します」


あらま。町長さんか。


「どうも、マサキです。後は愉快な仲間達です」


それを言うとエミリアがゲシッと蹴ってくる。


「フォフォ。どういう方がダンジョン制覇されたかと思えば…」


スウィングという町長はこちらを見定めるよう見てくる。


「中々、面白い方々ですな」


「俺には癖が強すぎて困る仲間達です」


「フォフォ。それよりこれからどうされるのですか?」


「あー…俺は」


「ひとまずダンジョンで得たアイテムを売ろうと思います」


団長が俺の言葉に被さって言いやがった。


俺は帰って寝たいのに。


「それならこちらのギルドで売ってくださいな。勿論多少は色をつけるつもりです。なにせ“ダンジョン制覇者”ですからね」


「そうですね…その方が助かります」


団長が淡々と進めていく。


「我は腹が減ったぞ」


大食いブラックはそう言って俺を見る。


「お前自分の分の金は自分で取れって言ったよな?」


「我が持たずとも主人であるマサキが沢山持ってるからな」


「話が噛み合わないんだけど!?」


ダメだ。ブラックに何言っても食べ物の事しか頭が無い。


「なら、今日はダンジョン制覇した記念に町で祝いをしたらどうかな?」


町長がそう言うと周りの群衆は尚更盛り上がった


め、めんどくさい…。


「はぁ~~~」


長いため息をしながら目の前で騒いでる人達を見る。


町長の発案で急に町の人間達が暴走化でもしたんじゃないかってくらい盛り上がった。


んで、今、俺はその騒ぎの真ん中で椅子に座らされている。ブラックはあっという間に飯の匂いがする所に飛んでいきリューネと少女はどこか行きエミリアと団長もどこかへ行った。


つまり、俺は生贄よろしく、だ。


「どうしたんだため息をついてよ!ガハハハ」


「絡んで来るのがせめて美女だったら嬉しいのになんでむさ苦しいおっさんどもに絡まなければならないんだよ」


「そりゃあそうだろうよ。ここいらの男はダンジョン制覇の為に生きている人間ばっかりだ。ダンジョン制覇した男に絡むのは当たり前だろうがよ」


「いや、意味わからんし」


おっさんどもはガハハハとか言いながら俺の周りで騒ぐ騒ぐ。


そのせいで女性陣が全く寄って来ない。


まじ、おっさんども嫌いだ!


「つか、あいつら俺を生贄にしてどこ行きやがった」


周りを見渡すがおっさんしかいない。


おい、そこ裸になるんじゃねぇ!


「フォフォ。楽しんでますかな?」


「あ、町長」


町長は会った時と変わらずニコニコしてる。


「楽しんではない。むしろ俺は早くベットに行って寝たい。いや、寝させてください」


「フォフォ。楽しんでるようで何より」


「あれ?町長も人の話聞かないタイプ?」


「おい、マサキよ!お前どうやったらあんな美女を仲間に出来るんだよ」


「美女?…はて、美女なんていたかな?」


俺は考える。


「お前…羨ましいぞこのやろー!!」


「うわ!?絡んでくんなや!欲しけりゃやるよ!あんな…」


と、その時


「あんな…?続きが気になるわね」


後ろから聞き覚えがある声が聞こえた。


「よ、よお!楽しんでるかリューネ!?」


俺は冷や汗をかきながら後ろを見るとブラック以外全員いた。


「マサキこそ楽しんでるようで」


リューネがニコッてする。


「ははは、楽しんでるよ!!な!?」


ハゲのオッさんに同意を求める。


「オラの奥さんと交換したいわ」


「あ、それ死亡フラグ…」


案の定、後ろにいたふくよかなおばさんが鬼の表情をしていた。


「マサキ、話は終わってないわよ?」


どうやら俺も死亡フラグがたったみたいだ。


完。



「全く。これだからリューネ達は…」


あの後おっさんは奥さんにボコボコにされ連行されてった。俺は、頑張ってリューネ達から逃げた。


逃げて逃げてーー


「知らない所に来ました」


町は盛り上がっているからか人が居なくしーんとしてる。


「まあ、歩いていれば人に会うだろう」


「あれ、お客さん…」


歩いていると、見覚えのある女性に出会った。


「宿の女の人がなんでここにいるんだ?」


そう。あの大層な名前をつけた宿の主人。


「私は…賑やかなのはちょっと苦手で」


「なるほど、俺と同じ仲間か」


俺もガイガイワイワイするのは苦手なのよ。


ベットに寝ながら漫画読んだりゲームしたりする方が好きなわけ。


「というかなんでここにいるんですか?ダンジョン制覇した方が」


「仲間から逃げてきたらここに来ちゃった。ここどこ?」


「逃げてきた?よく分かりませんがここは冒険者の人達が住む地域ですよ」


ほー。だから家が多いのか。


納得。


「なるほどなるほど。因みに今日はもうベットに潜り込んで夢に旅立ちたいんだが、空いてる?」


「宿は空いてますよ!…いつも空いてますよ」


女の子は、はははと空笑いをする。


「つか、なんで誰も泊まらないんだ?別に普通の宿だろ?」


「それは…」


女の子は下を向く。


あ、これ聞いちゃいけないやつだ。


「悪い。忘れてくれ。つー事で早速宿に戻りたい。案内してちょ」


「あ、はい」


女の子と俺は一緒に歩き始める。


「あの…」


「ん?」


歩いている最中全く喋らなかった。


だが、女の子は何かを決意したみたいな顔をしてる。


「見知らぬ冒険者さんにいうのも失礼だと思いますが…私のお願いを聞いてもらえないでしょうか!?」


手を組み神にでも祈るような格好だ。


「…とりあえず話だけ聞かせて」


あーあ。


俺のスローライフはまだまだ先みたいだ。


「冒険者さんは呪いを知ってますか?」


歩きながら話を聞く。


「知ってる。というか知りたくないのに知ってしまった」


団長の呪い。


アレは嫌だったな。


「実は私…呪いにかかっていまして」


知ってる。


リューネが言ってた。


「あ、と言ってもそんな強力な呪いじゃなく弱い呪いなんですけど…」


そこで口がこもる。


まあ、話すまで待っていよう。


「えっと…弱いには弱いんですが…かけた人が…その」


女の子が俯く。


「人間にかけられたんだよな?」


「はい…」


「よし、なら…」


もうめんどくさいんで


「消えろ」


女の子の頭に手を置きそう言う。


そしたら、女の子から若干変な靄が出てきて消えた。


「え?」


「もう呪いは消えたよ。んじゃ宿に急ぎますか。疲れた」


「え?消えた?…あれ?ほんとだ?何で?」


呪いの確認をどうやって確認したか分からないが、消えたことは事実だ。


「話すとめんどくさいから言わないが呪いを消せるんだよ俺」


「さ、流石はダンジョン制覇者さん」


ちょっと引きつった顔で見てくる。


「とりあえず体調は大丈夫みたいだな」


「はい…大丈夫です」


良し良し。


これにて一件落着だな。


「ふわ~…眠い」


ダンジョンから出てきたのは昼なんだがもう夜だ。


体が眠たいと言ってる。


「あの…!」


女の子が裾を引っ張る。


「何でしょう?」


「明日…呪いをかけた人が街に来ます。それまで…その…一緒にいてもらえませんか?」


「呪いをかけた奴が来るのかよ!?」


「はい…その人はこの街の管理を任されてる…そのお偉いさんで」


「何でそんな奴に呪いをかけられるんだよ…」


「……」


女の子はまた俯く。


はぁ。


「まあいいや。とりあえずそのお偉いさんが帰るまでは一緒にいてあげるよ。…これで外に出る理由が無くなったし」


「え?」


「何もない!さあ、宿へ行こう!!」


お偉いさんか…。


どんな奴だろうか。




ーー翌日。


「マスター朝です」


無理矢理布団を剥がしてくる少女。


「知ってるかな。俺は布団から出たら…」


「皆さん待ってます」


手を引っ張られ部屋から出る。


あの後、特に何もなく宿に戻りベットにダイブして寝た。


お偉いさんが来るまでは寝てようと思っていたのに…。


「おはようマサキ」


連れてこられたのはこの宿の飯を食べれるところ。


そこには俺以外のメンバーが全員集まっていた。


「なあ、この少女に俺を起こさせに来たのってお前か?」


「そうよ。マサキは中々ベットから出ないから無理矢理でも良いから起こしてきてって」


やっぱりリューネか。


「ったく…。で、お偉いさんはいつ来るんだ?」


一応、宿の女の子にリューネ達が帰ってきたら俺に話したことを話しておいてくれとは伝えてた。


「もうすぐですマサキ殿」


「えらい早いな」


まだ朝だぞ?


俺だったら寝てるよ。


「どうやらダンジョン制覇した事を知ったみたいでお昼くらいに来るのを早めたみたいです」


「は~。めんどくさい」


と、その時


「冒険者さん。今日はよろしくお願いします」


宿の女の子が来て頭を下げる。


「まあ、何をすれば良いか分からないが」


実際、お偉いさんと話す事つったら呪いをかけた理由を聞くくらいだしな。


俺を労働させたんだ。たっぷり聴かせてもらうさ。


カランカラン。


宿の入り口の鐘が鳴った。


「いらっしゃ…」


「相変わらず汚い宿だな。豚小屋の方がマシだぞ」


入ってくるなりなんなんだこいつ。


「…いらっしゃませ。ニードル様」


「ふん」


どうやらこいつがお偉いさんらしい。

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