2話 純粋の極み((゜m゜;)
円形競技場にて】(赤備え)
俺は生霊。世を忍ぶ生霊名は、赤備え。
折紙で出来た人形を憑代としている。
なぜ生霊をやってるか・・・・は、(;^_^A
うん、それは追々話すことにする。
そんなこんなで、今は訳あって、
女子プロレス女子高生タッグチーム
【スク水シーサー】のセコンドをしている。
しかし、さっきから、
ワインレッドのドレスを着た少女の死霊が、
俺の脚の部分の折紙を引きはがそうとしてるのだが・・・
ドレスを着た少女の死霊。
肉体を持った状態だと、めっちゃホラーな状況だが、
今の俺は生霊。
「こらダメだって、それは生霊用の憑代
お前がそれをとっても憑代とは出来ん。」
肉体を失くしてしまった死霊が、
憑代を得ることは至難の業だ。
ワインレッドのドレスを着た少女の死霊は、
恨めしそうに俺を見上げた。
死とは残酷なものだ・・・。
光に照らされた、競技場や劇場には、
霊が集まりやすい。
死霊や怨霊、そして、俺のような生霊。
辺境伯杯女子タッグマッチの、
この会場も例外ではない。
リングの動静に、一喜一憂することに、
生者、死者の違いはない。
しかし、今日は特に怨霊の数が多い。
それもかなり激しい恨み辛つらみを抱えた、
怨霊がわさわさいる。
無念の死を遂げた者・・・・
この世に未練を残して死んだ者・・・・
惨殺された者・・・・
罪なき罪によって殺された者・・・・
が、わさわさと・・・・。
憤怒しリリンの桃の様なお尻が、
呼び寄せているのかも知れない。
・・・って言うか!怨霊の話をしている場合じゃない!
俺の思惟ちゃんが!憤怒しリリンに捕まった!
「うぎゃああああああ!思惟ちゃーん」
俺は激情のあまり折紙の憑代から、
霊体離脱し、俺の?思惟ちゃんに駆け寄ろうとした。
すると、シーサーの青い覆面を被った少女、
スク水シーサーのサーの方の、
里紗が、銀の杭をかざし
「落ち着いて妖怪」
と、ものすごく真面目少女の目で、俺を諭した。
「俺、生霊。妖怪ちゃうし・・・」
それに俺、ドラキュラじゃないんで、
銀の杭は効かんのです。
それでもサーの方は、銀の杭をかざし、
純粋の極みの様な真面目目線で俺を見て、そして憐れんだ。
憐れみ・・・
そりゃそうだろう・・・リアルでは何も出来ず、
生霊として彷徨うなんて憐れだ。
その憐れみの視線、俺の素の魂に、
鋭く突き刺さった。
つづく