悦 (・∀・)
スク水シーサー 15話ヽ(゜◇゜ )ノ
【円形競技場にて】(しー)
里亜紗程ではないけど、私はどちらかと言うと、
人見知りな方だ。
里亜紗が、課金して呼び込んだ、
初対面の二人の助っ人。
2人して、私が、憤怒しリリンと戦ってるって言うのに、
おっぱいや太ももを触ってくる。
リング上で、それも女同士&味方同士で、セクハラってどうなの?
・・・とか思ってると、今度はお尻を触られ、
そして、指で尾てい骨の先を突かれた。
ちょっと!
睨み付けようと力士のコスプレちゃんを見たら、
彼女はアイコンタクトで、里亜紗の方を見た。
里亜紗の方を見ると、彼我戦力差3:4で、
戦いの外に取り残され、
気まずい顔しながら立ち尽くしていた。
戦いの輪に入れず立ち尽くす、里亜紗。
子どもの頃の孤立しがちだった、
里亜紗を思い出して、
胸が締め付けられた。
私の大好きな、里亜紗
この力士のコスプレちゃんは、
私が愛する里亜紗を、
気にかけていてくれたんだ。
私は嬉しくなった。
力士のコスプレちゃんは、戦いの最中、
私の背中に自分の背中を合わせてきた。
力士のコスプレちゃんの太ももが、
私の太ももに触れた。
適度な弾力感と、しっとりお肌のその質感が、
気持ち良かった。
ただ気持ちが良いってだけじゃなく、肌が合った。
肌と肌が、通じ合い、お互いを心地良いと感じた。
「大丈夫だ、この子」
と思った瞬間、心の扉が開いた。
肌と肌の相性の良さを、
確認した私の心の門番が、
心の扉の鍵が開けたのかもしれない。
肌が合う程度で、人を信用しちゃう私。
自分でも安易だと思うけど、考えたところで、
人の本性なんて解らない。
それなら、私の心の門番の感性を信じる。
私の中の心の門番、無愛想で不器用だが、根は良い奴だし。
私の心の中にあった嬉しさが、
力士のコスプレちゃんに伝わり、
その嬉しさが通った道を通じて、
力士のコスプレちゃんと私は繋がった。
嬉しさが、二人の間に、秘密の神経回路を開通させた。
秘密の神経回路は、
力士のコスプレちゃんを通じて、
忍者のコスプレちゃんとも、繋がっており、
忍者のコスプレちゃんに視線を送ると、
彼女はニコリと笑った。
とても曖昧だけど、
力士のコスプレちゃんが何を考えている事が、
なんとなく解った。
テレパシーの様な奴じゃなく、
もっと曖昧な以心伝心。
そう、タイミングが合えば勝てる!
里亜紗の元へ引く私を、
援護するように忍者のコスプレちゃんが、
憤怒しリリンを忍術で引きとめた。
「忍法!生わさび!」
それを忍術と言えるのか疑問だったが、
鼻の穴に生わさびを詰め込まれ、
憤怒しリリンは悲鳴を上げた。
しかし、それも束の間・・・
「ふっ ふっ ふっ」
悲鳴は徐々に歓喜の叫びへと変わっていった。
「ふぉっ ふぉっ ふぉっ」
憤怒しリリンは、涙を流しながらも、満面の笑顔で立ち尽くしていた。
ちょっと怖い。
悦に入った憤怒しリリンは、
「私は・・・・・・私は・・・・・・私はー!
すべての生わさびを受け入れる者・・」
と。
なんのこっちゃ┐( ̄ヘ ̄)┌
生わさびを鼻の穴に詰められたまま、
憤怒しリリンは取ろうともしないので、
涙が滝のように流れ続けている
「私は・・・・
すべての痛みを受け入れる者・・・・・。
すべての悲しみを受け入れる者・・・。
すべての怒りを受け入れる者・・・・・。
すべての矛盾を受け入れる者!」
と、私たちと観客席に向かって言った。
その悦が、一部の観客に伝染し、
一部の観客たちは、
憤怒しリリンの台詞を復唱し始めた。
「すべての苦しみを受け入れる者!
すべての妬みを受け入れる者!
すべての報酬を受け入れ者!
すべての愛情を受け入れる者!」
復唱は絶叫に変わり、一部の観客から、
すべての観客へとその叫び声は広がった。
意味が解らない・・・・
・・・私は
「雰囲気だけで、叫んでんじゃねーよ!愚民ども」
と観客を罵り、ヒールレスラーとしての仕事をした。
観客席には、女子がひしめき合っていた。
もしこれが教室で、クラスの女子たちだったら、
絶対こんな事は言えないだろう。
私はなんて大胆な事してんだろう。
ふと我に返ると身震いがした (((( ;°Д°))))
憤怒しリリンが悦に入っている隙に、
私は、里亜紗の元へ走った。
静かに笑顔を零す里亜紗、愛おしいよー
私たちは、タイミングを見計らい、
隙を見せた憤怒しロゴスに、
ダブルドロップキックを、浴びせた。
リングに倒れ行く憤怒しロゴスを見た、
憤怒しリリンは激情した。
「私は、すべてを受け入れた・・・
だから・・・だから、私は力を手に入れた」
「思惟ちゃん、逃げろ!」
リングサイドで、赤備えが叫んだ。
憤怒しリリンのかかと落としが、
忍者のコスプレちゃんを蹴散らした。
つづく




