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月夜の猫

作者: additional motor

ふと目が覚める


寝ていたようだ


もう一度寝るかと思ったが


外が明るい




縁側に出ると


月が輝いていた


満月


いや、そうでは無い


目が悪いからそう見えるだけ


多分半月位だろう


まあ月が丸いことに越したことはない




一度部屋に戻って


毛布を取ってくる


たまには月位見よう


今は九月


月を見るには申し分無い




戻ってみると猫がいる


はて、何処から来たのか


猫は体を横にして


月を見ているようだ


えらく風流な猫だ




毛布をひいて寝転がる


少し肌寒いか


もう薄着は駄目かな


猫は相変わらず月を見ているようだ




猫の背中に


顔を当てる


毛はもふもふで温かい


月は光っている




猫の顔の方を見ると


ひどく面倒臭そうな顔をしている




暫くして


猫は起き上がり


五歩程歩いて座った


そして月を見つめる


月は光っている




毛布ごと体を転がして


猫の足下まで近付く


そして尻尾を手に


顔を腿の辺りに


気持ちが良い




猫を見上げると


面倒臭そう顔を暫くしして


諦めたかのように


また月を見ようとする


月は雲に隠れて良く見えない



猫は居心地悪そうにこちらを見る


笑ってやると


苦虫を噛み潰した様な顔をされた


可愛げの無いやつだ


月は顔を出さない




猫は再び横になる


背をこちらに向けて


前に回り込んで


あごを撫でてやる




最初は抵抗を示したが


諦めたのか


今は素直に撫でられている


顔は暗くて良く見えない


気持ち良いのか


分からない




暫く撫で続けると


月が出てきた


猫はだらしない顔をしていた


猫は明るくなったのに気づくと


こちらを見て


数秒間停止して


飛び上がりながら逃げだした




庭を駆け


屏にかけ上る


月が完全に出た




猫はこちらを振り替えって


みゃー


と一つ鳴くと


姿を消した




月はそれからすぐに隠れて


もう出ては来なかった

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