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上
「こっちかな!」
佐奈が大体の位置を想像し、選んだ。
三人はいつまでも立ち往生しているわけにもいかず、進むしかない。
不安はある。それでもこの螺旋階段を行かなくてはならない。
数分……数十分歩いた時、柚希が気づいた。
(これ……ダメだ……)
螺旋階段。
いつの間にか、取り込まれていた。
危険だ、ヤバいと警告を発している傍から、するりと意識が抜けていく。
(あ……あ、ああ……そっか、やっぱり、私達じゃダメだったんだ。選ぶのは……)
柚希が懸命に意識を繋ぎ止めるも、嘲笑うかのように足は前へと繰り出される。
螺旋階段を、ぐるぐると、ぐるぐると……
(END:螺旋迷宮)