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幸せな世界
時は2113年。
みんな幸せそうにすごしている。
家族と手を繋ぐ幸せそうな女の子。
楽しげにスマホで話をする男の人。
友達だろうか。それとも恋人?
でも・・・。
僕には何もない。
手を繋ぐ家族も、
友達も恋人も・・。
涙が落ちて、地面にシミを作る。
もしかしたら、本当は、
僕が何も覚えてないだけで、
僕にもいたのかもしれない。
大切なひとが・・・。
僕は誰にも必要とされなくて、
何もできなくて、
ただ生きてるだけの、つまらない人間だ。
蔑んだような、たくさんの目が僕をみる。
分かっていても涙は止まらない。
その時
聞こえたんだ。
優しい声が・・・。