表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

パーウェーナ世界

傭兵王子(腹黒)と考古学者(最弱)

あの人の御両親の話です。

よろしくお願いします。

モタマチムイ遺跡国には遺跡はたくさんあるみたいだよね。

親友のりっちゃんに会いたいし、グーレラーシャ傭兵国によってからいこうかな?


グーレラーシャ傭兵国、時空門は今日もたくさんの人が行き交ってる。

門の外に出ると連絡しておいたお目当ての人が待っていた。


「りっちゃん! 久しぶり」

私は相変わらず旦那さんに抱き上げられまくってる親友に笑いかけた。

久しぶりで嬉しいな。

快黎(カイリ)ちゃん」

りっちゃんはブンブン手をふった。

りっちゃんの旦那様は相変わらず麗しいけど…見事にりっちゃんしかみてない。

まあ、いいけどね。


私、五十嵐(イガラシ)快黎(カイリ)は考古学を職業にしている学者で一応『黎明の真王』が研究テーマなんだ。

でも、たまには別の遺跡もみたくなってさ、だから、明正和次元から、パーウェーナ世界の遺跡探索ツアーとかしようかなとおもったんだよね。

宇水の妖怪がなぜかシレルフィール遺跡の資料を端末に多量に送ってくれたのでいてもたってもいられなかったのもあるんだよね。


「ふむ、まだしっかり遺跡管理組合が設置されてないのであれば、護衛を雇った方がよいと思うが……」

りっちゃんを膝の上にのせて甘い紅茶をのみながら旦那さんがりっちゃんを見つめた。


あ、飲み終わったらハチミツソースがけのシフォンケーキりっちゃんのくち移ししてるよ。


砂糖吐きそうだよ。


パティスリー・イシカワっていうケーキ屋さんは異世界スイーツが売りで甘さ控えめなんだってさ、たしかにグーレラーシャ傭兵国のお菓子って甘すぎだもんね。


そう思いながらしっとりとしたシフォンケーキにフォークをいれた。


「ウェティウス様、傭兵ギルドに紹介してあげてください」

小柄な私の友達は旦那さんに口移しされたシフォンケーキを咀嚼し終わったらしくやっと答えた。


本当に肉食系男子だよね、旦那さん。


「ああ、そうだな」

旦那さんがそう言いながらりっちゃんにキスした。

またかい。

「ウェティウス様、恥ずかしいです」

りっちゃんが解放されたとき真っ赤だった。


本当にこのグーレラーシャ傭兵国の国王夫妻にあうとダメージがおっきいんだよね。


「しばしまつが良い」

麗しい旦那さんが差し入れ小袋から筆記用具を出した、ここで書いてくれるらしい。


持つべきものが親友だよね。

正確には旦那さんがかいてくれたんだけね。


旦那さんにもらった紹介状を持って傭兵ギルドの扉をくぐった。

広いロビーに沢山の傭兵? がいるけど……妙に新しいグーレラーシャの正装してる人たちはなんなのかしら?


広いロビーに戸惑ってキョロキョロしてしまった。

「何をお探しですか?」

背後から低い美声が聞こえた。


振り向くと金の髪に水色の目の傭兵…信じられないくらい綺麗な人が……グーレラーシャ傭兵らしく髪は伸ばしてみつあみをしてるから、男性だよね。


服装も男性もんの膝丈の長袖たて襟の茶色の服をきてる、頭には銀の額あてつけてるし槍背負ってるから本業傭兵かな?


ということは正装来てる人たちは、傭兵登録更新の兼業傭兵さんたちかなぁ? グーレラーシャ傭兵国って建前上すべての国民が傭兵だからね、ほとんど兼業傭兵で本業は飴屋さんだったり服屋さんだったりするみたいだけど……


でも、この美しい男性は間違えなく専業傭兵だよね……雰囲気が違うんだよね、道場に来てる守護戦士みたいに……


それにしても、りっちゃんが旦那さんの性別ずっと勘違いしてたってきいたけど……それにしても、骨格みれば一目瞭然なんだけどな。


「えーと、シレルフィール遺跡にいこうと思って、護衛がいるので紹介状を書いてもらってんです」

愛想笑いを浮かべた。

まあ、この人がどんだけ綺麗でも私には関係ないかな?

「紹介状はこれですか? 」

私が持ってた紹介状を彼が取り上げた。

一体何なんだろう?

「あの、困ります」

毛色が違うから気になるのかなとおもいながら私は勝手に封筒からだして読んでる長身の彼から取り戻そうと跳び跳ねた。

「……私がやりますよ、五十嵐さん」

彼が紹介状から顔をあげて笑いを浮かべた。

妙に綺麗で勝手でムカついたのでいいですといいながら取り戻そうとした。


その時、奥の扉があいてそこから焦げ茶色の髪と目の男性があるいてきた。


「ヒフィゼギルド管理官長、仕事の依頼を受けました、ご承認ください」

彼が紹介状をひらひらさせて言った。

「しかし、休暇中なのでは? 」

ヒフィゼギルド管理官長さん? がこちらに足早にやって来た。

休暇中なんかい。

「休暇中なら他のかたでいいです」

私は慌てていった。

と言うかこんな意地の悪い高等戦士そうな美形男に頼みたくないよ。

「いいえ、どうせ暇潰しですから」

彼が極上の笑いを浮かべた。


暇潰しってなにさ。

まあ、いいけどさ。


思わずみほれてそのまま結局、海蛇(サーペント)のアルティウスが私の護衛につくことになった。


一応断ったのに……だって綺麗過ぎて落ち着かないしどこかでこの手の美貌みたような気するんだけど……美貌のわりに腹黒いこの男のお陰で他の傭兵やとえなかったんですよ。


腹黒美形傭兵なんぞより遺跡談義できる女性傭兵が希望だよ……そうそういないだろうけどさ。


あんまり、綺麗な男性って得意じゃない。

まあ、いいけど。



キシギディル大陸のモタマチムイ遺跡国という考古学者にとって天国みたいにいっぱい遺跡がある国があってさ。

そこの最大の遺跡、シレルフィールの城塞都市はまだまだ全然発掘に手がついてなんだよね。


モタマチムイ遺跡国の全国遺跡管理組合によってもらった資料と案内人のエルアルド・アーチという若い組合員の情報より宇水の妖怪の資料の方が詳しいってなに?


というか宇水の妖怪そんなに私から真王の研究データ取り上げたいのかな? いくら鈍い私でもなんかあるってわかるよ、あれ。


「大丈夫ですか?」

「……だ、大丈夫ですよ」

そんなことを思いながらボーッとしていたら綺麗な男性に覗きこまれてびくっとなった。


心臓に悪いなぁ……そんなことよりシレルフィール遺跡に集中しよっと。


崩れてるけど見事な遺跡だなぁ……砦とか城塞都市っぽいって妖怪の資料にはあったけど……確かめてみたいなぁ。


「見事に崩れてますぜ、先生」

エルアルド君が遺跡を見上げた。

私と同じくらいの彼に圧迫感はない。


隣の美形傭兵もいまのところ圧力は感じない。


私はキラキラした目で遺跡を見た。

古代の戦争の傷跡が残る石壁は崩れ、管理の甘さを見せていた。


中にはいりたいけど、広大すぎるのと警備ロボットがいるので危ない遺跡として認定されていて研究が進まないんだそうだ。


「エルアルド君、この剣を構えた女性のマークってトスモル技術国の飛行挺のマークとにてるね」

壊れたて外に放置された警備ロボットのエンブレムをみながら聞いた。

飛行挺の方はもっと簡略化されていて女性に翼がついてたかな?


興味深いなぁ……なんかの信仰なのか、単なる製品のメーカーマークなのか……


やっぱり中入りたいなぁ。


「トスモル技術国は元々こう言う遺跡から技術を復活させて開発してるそうですぜ、トスモルの大研究センターも元々は遺跡だそうですぜ」

エルアルド君が石壁を調べながら言った。

軽そうに見えても遺跡管理組合員は伊達でないらしい。


エルアルド君とも長い付き合いになるなんてこの時はおもわなかったんだよね、まさかシレルフィール遺跡管理組合の主任になるなんておもわなかったよ。


「そうなんだ、じゃ、ますます気になる遺跡だよね」

私はそう言って石壁の隙間から中をのぞきこんだ。

薄暗い通路が見える、少し石をどければなかに入れるかも……大昔の滑らかな崩れかけた通路が見えた。


何かが動いているのが見える。


「危ないですよ」

耳元に甘やかな美声が囁かれ腰をもたれて引き戻された。

「わ、びっくりした! 」

驚いて振り向くとアルティウスさんの綺麗な顔がすぐ近くにあった。

「見てください、不用意に近づくと警備ロボットが反応するようです」

アルティウスさんが通路の方を指差すと警備ロボットがこちらをみているのが見えた。


と言うか後ろから抱き寄せたまま囁くように言うのやめてください。


「離してください」

私はアルティウスさんの腕から強引に出た。

残念とアルティウスさんがつぶやいてるのが聞こえた。


ひ、人をからかわないでよ。


「真っ赤っす」

どうかしたっすかとエルアルド君が遺跡の構造を出した通信機からかおを上げて聞いたのでなんでもないと手を振った。


アルティウスさんをみると微笑ん出るのが見えたのでなんかムカついて遺跡に向き直った。


本当になんとか入りたいなぁ。

遺跡が呼んでるのに〜。


「先生、日がくれる前に帰りましょうぜ」

エルアルド君がまだ日が高いのに言った。

「ええ? もう? 」

私はそういいながら今度は別の隙間から中を覗いた。


やっぱり警備ロボットが反応する……うーん、私、五十嵐本家に近い娘なのに……五十嵐家『最弱の女』の称号をえてるからな……優黎ユウリ姉ちゃんなら多分勝てるんだろうけど……


「どうしても入りたいですか? 」

また、後ろからぞくっとする低い美声が耳元で囁いた。

「う、うん入りたい」

私は振り向いた。

綺麗な水色の目が目の前にあった。

片膝ついてで真うしろにいたらしい。


本業の傭兵気配なさすぎ、し、心臓に悪い。


「それならば、入れて差し上げましょう」

色気のある微笑みでアルティウスさんが私の右手をもって甲に口づけた。

「え? なにするんですか? 」

「約束の証ですよ。」

アルティウスさんはそうって立ち上がった手は放してくれない。


わーんセクハラ?


「いちゃついてないでいきますぜ、一番近くの町で三時間かかるんだから」

エルアルドさんがまだ列車が通ってないので借りた馬車を指差した。

二次界の馬車より少し遅いけど、三次界の馬車に比べればよっぽどはやいのに……一番近い町まで三時間……シレルフィール遺跡調査す済まないわけだよ。

なんとかなんないのかな……村はあったんだけどな……宿屋がないか……

「……快黎さん行きましょうか? 」

アルティウスさんがそういってなぜか……なんで抱きあげようとするんですか〜セクハラ? 

……私はりっちゃんみたいにか弱くないですよ。

力はあるんです、ただ単に戦闘センスがないだけで……五十嵐家として致命的なんだよね。

「大丈夫ですよ、ちゃんと馬車のれますから」

私は抱きあげて馬車に乗せてくれようとしたのかビックリしたよ。

「そういうわけではないんですが」

アルティウスさんが困った顔をした。

困った顔さえ綺麗色っぽいって女として自信なくすなぁ。

「独り者のオレはきついんで御者さんのところに乗りますぜ」

エルアルド君がそういってさっさと前の方に行ってしまった。

御者さんが生暖かい目で見てるのを感じたよ。

「ではいきましょうか? 快黎さん」

改めて抱き上げようとするので力いっぱい断って馬車に乗った。


イチャついてないもん。


「快黎さんは恥ずかしがりですね」

アルティウスさんが馬車の隣の席に座った。

「狭いから向かいに行きますね」

私はそういって席をたとうとしたところで押さえられた。

「ここにいてください。」

アルティウスさんがぞくぞくする低い美声で言った。


な、なんか…求愛されてるみたい…もちろんかんちがいだよね。

だってこんだけ綺麗な人なんだもんきっと恋人とかいるにきまってるよ。


宿の部屋はりっちゃんがとっておいてくれた、グーレラーシャ傭兵国人が経営する、高級ホテルの部屋で二間続きのベッドルームの手前の部屋にアルティウスさんがなぜか陣取ったのも……たぶん護衛の一環で宿の食事が二人盛りで椅子が一つしかなかったのは……たんなる宿のみ、ミスだよね?


すぐに椅子準備してもらって取り分けてもらったし。


残念そうにアルティウスさんが見てるところ見ると一人分だったのかな? 


部屋で妙にアルティウスさんがあまやかだったのもき、キスされたのも…わーん気のせいに出来ないよ〜。一線は越えてないですよ……まだ。


「抱きあげてもらわないのでございますか? 」

宿のグーレラーシャ人な従業員に一睡も出来ずにフラフラと起きてきたら言われた。

「え? だれに? 」

私は聞き返した。

「アルティウス殿下にでございますよ」

従業員がキラキラした目で私を見た。


……あ、アルティウス殿下?


「ばらさないでください」

低い美声が背後でして抱きしめられた。

「いってなかったのでございますか? アルティウス第二王子殿下」

従業員があきれたようにいって今日も二人盛りの皿に椅子が一つのテーブルに甘そうな紅茶のグラスを2つ置いた。

「りっちゃんのむ、息子〜」

私はくらくらして倒れそうになった。

アルティウスさん……殿下が私を抱きあげやがりました、ついに。


わーん赤子時代から知ってるよ〜。


「だから言いたくなかったんですよ、男として見てくれないでしょう? 」

アルティウス殿下がため息をついて耳をあまがみしやがった。

「男もなにも私はアルティウスさ……殿下が子供の時からしってるおばちゃんだよ」

私はくらくらしながら色っぽい殿下を見た。


容貌的には釣り合って見えるかもしれないけどだいぶ歳上なんだからね。


私は力が強いからまだまだりっちゃんにくらべても若い……というか幼い? 童顔系だけどさ……優黎姉ちゃんは美人なのに……


いや、アルティウス……殿下の方が大人っぽいけどね。


「あなたをおばさんと思ったことなんて一度もありません」

謎めいた笑みで言ってアルティウス殿下が私を抱き上げたまま部屋の方へ歩き出した。


「朝食はリザーブしておきます。」

ニコニコと愛想笑いをうかべて従業員が手を振った。


わーん助けてください。


「あの……私、どうすれば」

私はドキドキしてアルティウス殿下をみあげた。

昔の面影は……あんまりあったことがないからよくわかんないけど……たしかにりっちゃんのお父さんと良く似ている……だから見覚えあったんだね。

りっちゃんとも似てるけど……

「私の求愛を受け入れてくださればいいんです、五十嵐快黎嬢」

アルティウス殿下が色っぽく微笑んだ。

愛してますとささやかれて私は思わずこくんとうなずいた。


わーん、惑わされてるよ。


その日、私はシレルフィール遺跡に行けなかった。

りっちゃん、息子の育て方なんかまちがってないですか〜?

私……疲労困憊ですよ……遺跡いってないのに……絶対に遺跡行くんだもん〜。


アルティウス殿下のバカ〜。

「ウェティウス様……私、息子の育て方まちがえたかな? 」

栗落花ツユリリツ、あらため律・グーレラーシャが伴侶の腕の中で端末をみながらつぶやいた。

快黎から通信がはいっているようだ。

「アルティウスは良い伴侶を手に入れたのだから律は立派に育て上げたぞ」

グーレラーシャ傭兵国、国王、ウェティウス・グーレラーシャは愛しい伴侶に唇をむさぼりながら甘く微笑んだ。


本日も『グーレラーシャ傭兵国』国王夫妻は甘甘しいようだ。


という会話があったと思われます……甘い……あまいよ。


アルティウスの本当の二つ名は『グーレラーシャの海蛇サーペント』です……普段はこの時期ファモウラ軍国との戦場にでてます。


駄文をよんでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ