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勇者と王女のワールドエンド  作者: 小来栖 千秋
第二章 クルニカ王国、伝承の地編
37/83

(19)

 

 クルニカ王国の平野を一台の馬車が走っていた。

 エレナ王国よりは平原の少ないクルニカ王国であるが、水路に負けないほど陸路も整備されている。国内を流れている川は国境線となっているセイス大河を中心として、西に集中しているのだ。必然的にクルニカ王国の東地域は陸路が中心となる。一部、東海岸沿いの町には海を回って物資を届けている地域もあるが。

 そんな馬車に、大地たちは乗っていた。

 アクス・マリナで出会ったリシャールを旅の仲間に加えて、クルニカ王国の東海岸沿いにあるというトマッシュ地方を目指している。

 当初は川を上ることで東海岸の近くまで行く予定だったが、ゴルドナ帝国が宣戦布告したということで、大地たちは陸路を使うことに切り替えていた。

「また馬車かよ」

「船の上で囲まれると逃げ場がありません。余計な時間を使うことになりますが、馬車の方が途中で降りられるし、逃げ道もたくさんあります」

 と、いつものようにティドが丁寧に説明した。

「それは分かるけどさ~」

「文句は言うもんじゃないよ。愚痴愚痴言ってると、良いことなんて起こらないってお爺ちゃんが言ってた」

 それにしてはリシャールは慌てている様子もなく、暢気(のんき)にしている印象を受けた。

「怖くないの?」

「そんなことはないよ。戦争は怖いって思うけど、それよりも冒険のワクワクが大きいから」

 滅多にアクス・マリナから出たことのないリシャールは遠くで起こっている戦争よりも、目の前の風景に夢中になっているのだ。それは仕方のないことだと思うが、いささか緊張感が足りないと大地たちは思ってしまった。

「まぁ、ゴルドナが攻めてくるとしてもエルベルトがいるから大丈夫でしょ」

 そう。

 セイス大河という重要な国境線を任されているのはクルニカ王国の王子、エルベルト・ヨークである。

「本当に大丈夫なのか?」

 スパイを取り逃がすという失態を目の当たりにしている大地は俄かに信じられない。けれど、エリーナは彼の実力を疑っていなかった。

 エルベルトがいるから、今まで誰もセイス大河に手出しできなかったと言われているのだから。



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