お前ら、働いてくれ【ガラ奈編2】
結局、腕が上がることはなかった。
「なるべく工場生産されたものを組み合わせて作るしかないやろ。
とりあえず脇の下おにぎりと脇の下寿司は確定や。生魚が駄目なやつにはコーンドッグ寿司で。コーンドッグを輪切りにしてそれっぽくするで。店の方針はとにかく邪道系で。」
「後はフライパンで巨大なチョコチップクッキーを作って、その上にアイスクリームやキャラメルとかかける。スキレットなんとかやね。それからチーズケーキシェイクや。切ったチーズケーキをアイスクリームと牛乳でミキサーして作るねん。アホみたいなカロリーやで。
バター、メイプルシロップ、鶏肉をベーコンで包んで油で揚げたものとかもええな。」
ガラ奈が顔をしかめる。
「さんざん文句言っといてヤバい物考え過ぎ。こっちは脇の下で握るのもめんどくさいのよね。ゲルマニア地方では生豚肉をパンに塗って食べるらしいじゃない。それでいいわ。」
「お前、何考えてんねん‥。豚肉を生でいくやつなんかいるわけないやろ?揚げバターと同じくらいありえへんから。映画で観たことは忘れろや。」
「ちゃんと検査する人がちゃんとしてれば大丈夫よ。」
「健康でいられる権利とかあるやろ。それの侵害や。」
「脇の下おにぎり食べさせようとしてるやつが何言ってんの‥。」