お前ら、働いてくれ【冒険者たち編】
ピグマはガラシャ、ガラーネ、ガラ乃はあまり一般人な生活が向いてなさそうなので冒険家やって配信したり書籍ださせることにした。
「なんか写真撮って素材屋に売ったり配信して投げ銭してもらうしかないやろあんたら。闘技場でも勝てへんしな。」
ガラーネはガラ恵に地下迷宮でみぞおちを殴られたがその際に心ごと粉砕されていた。
「うちゃまだ戦うとらんが?」
ガラシャはまだガラ恵と戦ったことがないのでヤバさをよく知らない。
「あーやめた方がええよ。どうしてもやるなら神話で聞くような魔物と戦うという心構えやないとね。まあ、京都とか行ってみたらおもろいかもよ。」
ピグマに言われるがまま冒険者一行は京都に向かった。
数時間後‥京都‥
「無礼討ちどすー☆無礼討ちどすー☆」
久しぶりに日本に帰省中のモンゴル帝国及び京都王マイコ・ハーンが自分の悪口を言っていた市民をなで切りにしては街頭に吊るしていた。いずれはチバニアの三木卿と日本のトップを巡り争うかもしれない。早く後継者を決めなければ日本列島は自我を持っているので島民全てが日本列島に滅ぼされてしまう。最強の者が後を引き継ぐのだ‥。
「…もっと風情あるところやて思うとったが‥。」
ガラシャは古地図を見ながらつぶやいた。
目の前には、燃える家屋、うなだれる市民。
「無礼討ちどすー☆ 無礼討ちどすー☆」
ぬるぬると舞い踊るマイコ・ハーン。
とてつもなく華やかな着物を着込み、片手にお扇子、もう片手には日本刀(ダマスカス鋼製)。
「……あれが王?」
「いや、魔王だろ‥もう」
「チャット欄めっちゃ荒れてる。BANされるぞ!とか倫理コードやばいとか……」
ガラ乃は撮影を続けながら、裏で動画タイトルを編集していた。
〈【現地生中継】京都、終わる。~マイコ・ハーンと見る地獄風景~〉
「お金にはならないかもだけど、これはバズる」
「地獄……」
「いや京都だ」
そのとき、空からふわりと白い紙が舞い落ちてきた。
無礼討ち警告書と書いてある。
「わ、!名指しされてるよ!」
「大丈夫。これはセーフ。レッドカード出るまでは記録してていいって、どこかのガイドに書いてた」
「何のガイド……」
一行はひとまず川沿いのカフェに避難し、アイス抹茶とくず餅パフェを注文した。
背後で市民が吊るされながら回転している。
「……で、次どこ行く?」
「奈良とかまだ生きてるかもしれん」
「ガラーネ、まだお腹押さえてるじゃん」
「傷が疼くよ……」
「じゃあ、奈良行くか。シカもたぶん居るし」
旅は続く。