お前ら、働いてくれ【闇の乙女編2】
SNSを通じてその評判は広まっていき、気付けばあれよあれよという間にファンがついていた。
いつものように動画サイトへ曲を投稿していると、それにコメントが付く。気晴らし程度に目を通していたのだが、そのときのコメントはどこか様子がおかしかった。
『私も歌いたい!』 『すごく素敵な歌です!』そんなメッセージが書き込まれていた。
はっきり言って、闇の乙女たちはとても驚いた。なぜなら、わざわざこんな病み曲を聴きたいと思う人なんていないだろうと思っていた。
ただ、それでも嬉しかったのは事実だ。自分の曲を認めてもらえることは初めてだったから……。
それからというもの、コメント欄でのやり取りが始まった。闇の乙女たちはそれに返信する形でやり取りを続けていき、次第に仲良くなっていった。
そんなある日、その相手からとある提案があった。
それは、一緒に歌うということだった。被り物をしていて顔も分からない人だがそれでも構わない、むしろその方が面白いかもしれないと思い了承する。そして闇の乙女たちは彼女の動画を見ながら歌を合わせていく…とても楽しかったし、なによりも楽しかった!こんなにも心躍るものがあったなんて…今まで知らなかったことだ。
それからというものの、闇の乙女たちは毎日のように歌の練習や雑談を続けていたのだが…。




