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救いの手


「いらっしゃい!」


新しい客が来た。

俺は、買われたいのにこの時間が憂鬱だ。

品定めされるのが、どうしても嫌だった。

どうせ今日も買われない。

それどころか悪態をつかれるだけなんだから。

この暗闇のような髪のせいで、この朱い目のせいで、この目付きのせいで、このでかい図体のせいで、どれだけ嫌な思いをしたか。

でも、これが運命だ。

せめて普通の亜人に生まれたかった。

そしたら呪いの凶兆として捨てられなかったかもしれない、そしたら捨てられたとしてもすぐに買い手が見つかるかもしれない、そしたら、そしたら…

考えただけで最高な人生だ。

…嗚呼、客のお出ましだ。

いかにも高級そうな服を着て、品の良さそうな立ち振舞いをしている。

どうせ、違うやつを買うさ。


「…綺麗な目」


大丈夫かこいつ狂っているのか?

視力あるのか、この真っ赤な目が綺麗だと?

血でも好きなのか?


「君、何歳?」 


いくつだったっけ?俺は。

確か…ここに来たときが13だったよな。

それから6年ここにいるから…


「…19」


そんなの聞いて何になるんだ。

こいつ絶対俺より年下だろ。


「店主、この亜人、ください」


「は…」


「毎度あり!金額はここに提示してありますよ」


嘘だろ、やっぱりこいつ狂ってやがる。

買われるのは嬉しいが、やはりこいつの神経が分からない。


「行くよ、……えーと、名前は?」


「アルド、俺、アルド、です」


「アルド!僕はトレイス、気軽に呼んでね!」


「…じゃあ、トレイス、さま?」


「気軽って意味知ってる?」


だって、一応雇い主じゃないか。

どうすれば正解なんだ?

呼び捨てか?


「…トレイス、で、良いです、か」


「良い子だね~」


「っは、良い子、はぁ、!?」


「あはは、顔真っ赤だよ?」


「だって…」


良い子、何て、始めて言われた。

そりゃ誰でもそういう反応をするだろ?


「まあ取り敢えず、僕の家においでよ」


「分かり、ました」


いつになっても敬語は慣れない。

使う人、というか、人とも余り関わってこなかったせいで接し方が分からない。


「敬語、無理しなくて良いよ?」


「…良いの?」


「もっちろん!今日からアルドは僕の抱きまく…使用人だからね!」


こいつ今抱き枕って言いかけなかったか。

まあ、どうでもいいか、これまでのように扱われないならば。

…トレイスが、そうしないという保証はないが…




2話目!頑張って1日に2話投稿いたした…!

3話いけるかな徹夜しようかな(

てことでさいなら~!


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