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現実逃避
月のように白い肌、飛び散る鮮血のように朱い瞳、深い闇を持つ漆黒の髪、そこから生える真っ黒な耳、後ろにはこれまた真っ黒な尻尾が生えている。
更に、目付きは悪く、背が高い割にはひょろひょろでとても力仕事を任せられない。
何処を取ったって飼いたくなるような奴隷には見えないだろう。
俺は、どうしてこんなところに来てしまったのだろうか。
運が悪かった?…確かに瀕死のところを拾われたな。
考えるのなんて止めてしまいたかった。
だけど日に日に奴隷を売る売人は俺に強く当たる。
「どうして売られてくれないのか!」
「どうしてもう少し愛想良くできないのか!」
そんなことばっかり言われていたから、現実逃避しか出来なくなった。
誰でもいいから買って欲しい、この地獄から解放してくれと思うようになっていった。
日本語弱者なので優しい目で見てください…!