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第十六話 七転八倒

七つの大罪を倒し、訓練を行いつつも平和な日々を送っていたフューエル達。その平穏を崩す息吹は、既にすぐそこまで迫っていた。

《無事受け取れたが…。》

自室に箱を持ち帰り、机に並べている。箱は木箱になっており、それぞれに薄い黄色と青いリボンで綺麗に装飾が施されている。

《二種類、か…。》

フューエルはまず青い箱の蓋を開ける。中には透明な箱に入った、レヴェナントを模した人形が入っていた。

《これは…レヴェナント…?なんで…》

透明な箱の蓋も外すと、人形が震え始め勝手に動き出す。人形は表情ひとつ変えないままフューエルの体の周りを飛び回り、上着の内側に入り込んだり頭の上に乗ったりと縦横無尽に動き回っている。フューエルはそれに弄ばれるように驚かされたり転ばされたり。しばらく部屋を駆け回った後、再度転んだ拍子にフューエルが頭を机に打つ。それに気付いた人形が心配するように駆け寄り上着の中に入り顔を近付ける。

その隙を逃さない様にフューエルが両手でレヴェナント人形を捕獲する。

《お前…随分暴れまくってくれたな…。》

フューエルの表情は怒り浸透と言った様子。人形は手足をバタつかせて抵抗している。フューエルは人形をヴァルキリーの拘束ワイヤーで部屋の棚に縛り付ける。人形は《ミ゛ー!!》と言う様な声で抗議しているもフューエルはもう一つの箱を拾い上げ、そちらの二種の蓋も開ける。

もう片方の箱には、胴体に線が多く入ったラヴァーズドールのモチーフをした人形が入っていた。

《こっちはまんまあいつだな…。》

ラヴァーズの人形も動き出すが、レヴェナントと違い暴れ回ったりはせず、じっとフューエルを机の上から見つめている。しばらくそうした後、棚に縛られたレヴェナント人形の元に飛んで行く。すると、何かを訴える様にフューエルの方を向く。

何かを察する様に、フューエルが拘束を解く。その瞬間にレヴェナント人形がフューエルに向かって飛びかかろうとするも、ラヴァーズ人形に糸のようなもので軽々と引き戻す。

《…なるほど、だからこの二体の組み合わせか。》

糸でぐるぐる巻きにされたレヴェナント人形の横で自慢げにしているラヴァーズ人形を眺めながら、フューエルは箱を外し台座のみにする。

《この土台が私達で言う家なわけね。》

ラヴァーズ人形がレヴェナント人形を軽く引き摺りながら飛んで来て台座に乗る。すると途端に二体とも大人しくなった。

《…扱いには困るし…それにどういう効果があるとかもなんの説明も無かったんだが…。本当に使えるのか…?》

フューエルは疑問を抱きながらも、二体の人形を棚に飾り、部屋の片付けを始めた。

十六話です。彼女は一体どこでレヴェナントのことを知ったのでしょうか

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