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鉱夫剣を持つ 〜ツルハシ振ってたら人類最強の肉体を手に入れていた〜  作者: 犬斗
第六章

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第102話 捕獲の買取金額

 今回は討伐地の農村に到着して、すぐに王鰐(ルクコス)を捕獲。

 そのまま帰宅という驚くほど早いクエスト達成だ。

 さすがにオルフェリアもトーマス兄弟も笑っていた。


 捕獲したルクコスは固有名保有特異種(ネームドモンスター)クラスの身体を持っていたが、まだ若く経験がなかったのだろう。

 もしこの個体に経験があったら、俺は間違いなく苦戦していたはずだ。


 帰還途中、捕獲したルクコスの餌が心配だったが、オルフェリア曰く「ルクコスは一週間ほどなら飲まず食わずでも生きています」とのことだった。

 口を縛るロープを解くのは危険なので助かった。


 捕獲から五日後、ウグマの郊外に到着。

 俺たちがクエストの集合場所にしている地点だ。


「あれ? ねえオルフェリア。なんだか様子が変わってない?」

「そうですね。出発前よりも人がいますし、お店ができてますね……」


 出発した十日前より、さらに発展している。

 しかも、俺たちが帰ってきたことで大騒ぎになってしまった。


「おい! アル・パートが帰ってきたぞ!」

「マジか! 見に行こうぜ!」


 ルクコスを運び込んだと話が広がり、人だかりができた。


「このルクコス、生きてるじゃねーか!」

「これって捕獲できるのか?」

「噂によると、ネームドも検討されてた個体らしいぞ」

「またアル・パートがやらかしたのか!」

「あいつってモンスターから見たら死神だろ」

「ああ、モンスターに同情するわ」


 なんか凄く失礼なことを言われているが、もう慣れてきた。

 周りで何を言われようと気にしないレイの感覚が分かってきたようだ。


 俺たちはまず研究機関(シグ・セブン)へ向かう。

 ウグマ支部長ギル・リージェンが出迎えてくれた。


「アル君、おかえりなさい」

「無事に戻ってきました! そうだギルさん、ルクコスを捕獲しました」

「は? ルクコスの捕獲? え? あのルクコスですか?」

「そうです。オルフェリアが捕獲方法を教えてくれたので、捕獲してみました」

「教えてくれたからって……。そんな簡単に捕獲できるモンスターではありませんよ?」

「運が良かったんです」

「いやいや、運では捕獲できません。討伐より捕獲の方が遥かに難しいのですから。しかもネームドを検討していた個体ですし……」

「これって買い取りできますか?」

「ルクコスの生体は貴重です。もちろん買い取ります。金貨八十枚でどうですか?」

「そんな大金で!」

「いや、本当はもっと出したいのですが、ウォール・エレ・シャットの買い取りで予算がちょっと……」

「そ、それはすみません」

「本来は嬉しいことなんですけどね。アル君があまりに規格外過ぎて……。局長に臨時予算を掛け合ってみます。ああ、ダメだ。局長は全ての予算を使うと言い兼ねないので、財務機関(シグ・ツー)に相談ですね」

「はは……すみません」


 ルクコスを引き渡し、ギルから金貨八十枚を受け取った。

 俺はそれをパーティー全員で分けることにした。

 一人二十枚の金貨に、オルフェリアもトーマス兄弟も目を見開いて驚いていた。


「ア、アル。こ、こんな大金いただけません」

「でも捕獲はみんなの協力があったからできたことだよ」

「我々はギルドから報酬を得ています。それに例え冒険者様がクエストを失敗しても、報酬は約束されているんです」

「そうなんだ」

「はい。ただ、この報酬システムも冒険者様に嫌われる原因の一つではあるのですが……」

「でも、そんなに多くないんでしょ?」

「そ、それは……。確かに冒険者様のクエスト報酬に比べると少ないです。でも冒険者様に比べると安全ですから」

「今回は急に捕獲をすることになったし、生きてるルクコスを運んだから皆同じように危険だった。平等だよ。だからさ、遠慮せずに受け取って欲しい」

「わ、分かりました。ありがとうございます。金貨二十枚なんて信じられません」


 トーマス兄弟の兄マルコも喜んでいた。


「我々だけで金貨四十枚も! こ、こんな大金は初めてです! 本当にいいんですか?」

「ええ、トーマスさんの荷車には宿泊もさせてもらってますからね」

「あ、ありがとうございます!」

「これからもあの寝台を使わせてもらいたいです。アハハ」

「もちろんです! ぜひまた声をかけてください!」


 ここでパーティーは解散して、俺は一人でギルドへ向かった。

 ギルド支部長のリチャードに報告だ。


「アルよ。またやらかしたそうだな」

「い、いや、ルクコスを捕獲しただけなんですが……」

「その捕獲が普通はできないのだよ。しかもネームドを検討していたほどの個体だぞ? この話を聞いたらシグ・セブンの局長が大興奮するだろうて」

「そうだ! ルクコスはシグ・セブンが買い取ってくれましたが大丈夫ですか?」

「もちろんだ。高ランクモンスターの生体は貴重な研究資料となる。もし今後も稼ぎたいなら捕獲を狙ってみろ。とはいうものの、お前はもう一般冒険者の一生分の報酬以上を稼いでるけどな。わっはっは」


 リチャードからルクコスのクエスト報酬、金貨八十枚を受け取った。

 そして、人事機関(シグ・フォー)へ行き討伐スコアを更新。


「スコアも増えてきたぞ。でも、レイに比べたらきっとまだまだだろうな」


 俺は冒険者カードを眺めながら帰路についた。


 ◇◇◇


 討伐スコア


 ネームド

 ダーク・ゼム・イクリプス(槍豹獣(サーべラル)

 ウォール・エレ・シャット(岩食竜(ディプロクス)


 Aランク

 槍豹獣(サーべラル)

 王鰐(ルクコス)


 Bランク

 霧大蝮(ネーベルバイパー)

 大牙猛象(エレモス)


 Cランク

 赤頭熊(レッドベアード)

 腐食獣竜(スカベラス) 十頭

 砂潜竜(サンキロス) 三頭


 ◇◇◇

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