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浪人ばれたら人生終了!?  作者: ひで∞理系大学生が書く小説
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第1話 入学式にて

ない。

俺の受験番号が……………ない。

何度探しても何度ブラウザバックしても………ない。

その瞬間、俺の目の前は真っ白になった。。。。。


あれから、一年が経った。

俺は目の前が真っ白になったまま家に引きこもって一年間を過ごし、そこまで行きたくもない最低限許容できるレベルの大学に合格し、進学することにした。

一年前合格して蹴った大学と大してレベルは変わらなかったが、もう限界だった。

この春から、ちゃんと社会の一員として復帰するんだ!

そう心に決めて今、桜並木を歩いている。そう、今日は大学の入学式だ。

会場に着くと、もうすでに人が大勢いた。髪を茶髪に染め耳にピアスを開けた”陽キャ”のような男子、化粧してパーマをかけた女子………そこは明らかに「キラキラ」していた。一年間カーテンを閉め切った暗い部屋で過ごしていた自分からすると眩しすぎる世界だった。


ところで、なぜ周りのみんなは誰かと一緒にいるのだろうか?入学式が初対面のはずなのにあんなにも親しげに見えるのはなぜだろうか?

自分も早く誰かと一緒に居なければ、と思った。誰かと一緒に居ないとまるでこの世界で自分だけが孤立しているかのように感じてしまう。

ホールに入り、順に席に着く。すぐに式典は始まり、1時間弱で終わった。退出は誘導に従って順番にホールの外に出る。

周りは相変わらず騒がしい。そうだ、隣の人に話しかけてみよう。そう思い、右隣を見る。右隣は………だめだ、もうすでに誰かと楽しそうにしゃべっている。ならば左は………お!俺と同じように一人でいるじゃないか!よし、話しかけてみるか………


俺「こ、こんにちは」

??「こんにちは」

俺「今日は一人ですか?」

??「いや、友達と待ち合わせしてるんだけど、そいつ寝坊したらしくて………」

俺「あ、そーなんですね。高校からの友達ですか?」

??「いや、俺も今日直接会うのは初めてなんだけど、ツイッターで同じ学科の人探してたらたまたま見つけて、お互い特に高校の時の知り合いとかいない感じだったから一緒に行こ──的なノリで………」

俺「そーなんですか。ちなみに何学科ですか?」

??「あ、自己紹介してなかったですね。文学部国文学科の佐々木です。何学科?」

俺「理工学部機械創造デザイン学科の多田野です。」

佐々木「あ、理系なんですね!」

俺「そうなんですよ。」

………………………………………


会話が途切れてしまった。短いはずの時間が沈黙の間だけやけに長く感じる。

そもそも、彼は文系だったのか。文理が違うと授業とかについて話してもあんまり話が合わなそうだしなぁ。てか、ツイッター?最近はそんなので知り合って会うような世の中なのか?そんなことは今どうでもいい。何か話の話題はないか………

そんなことを考えてながら周りを見ると金髪の男がこちらに向かって歩いてきている。絡まれたくないなと思っていると、その男は佐々木の前で止まった。


??「おう正志!久しぶりだな!」

佐々木「カズ!久しぶり!卒業式以来だね!」

カズ「そーだな!見た目が変わってなかったからすぐわかったわ」

佐々木「まだ卒業式から一ヵ月しか経ってないじゃん。それにしてもカズは見た目が派手になったね。入学早々ヤンキーに絡まれたかと思ったよ。」

カズ「まぁな!おっと、呼ばれてるみたいだ。久しぶりに会えて嬉しかったわ!またLINEする!」

佐々木「おう!」


金髪で傍から見るとヤンキーにしか見えない彼が去ったあと、佐々木は俺に話しかけてきた。


佐々木「カズは高校の時同じ部活でね……同じ大学に来てることは知ってたんだけど、まさかここで会えるとは思わなかった──!」

俺「見た目が派手だったから近づいてきたとき怖かったですが優しそうな人でしたね」

佐々木「あんな派手な見た目になってるとは思わなかったよ。つい一ヵ月前の卒業式の時はあんな髪色じゃなかったのに………ほら、これがさっきの彼。」

そう言って、佐々木はスマホから卒業式の時のものらしい写真を見せてくれた。

俺「大学入るとみんな変わりますよね」

佐々木「多田野は高校の時と何か変わった?」

俺「うーん、うっすら茶髪に染めたことくらいですかね──」

佐々木「へ~、高校の時の写真とかある?」

そう言われ、俺はスマホの中から卒業式のあとの打ち上げで撮った写真を見せた。

佐々木「あんま変わってないかな~これいつの写真?」

俺「高校の卒業式の後の打ち上げのときのだから1年前かな──」

佐々木「あ、ひょっとして浪人されてますか?」

俺「そーなんですよ。なので今19歳です。」

佐々木「そーなんですね。なんかすいません。」

俺「いえいえ、一歳差なんて誤差ですよ。」


ははははは。とお互い形だけ笑う。

その後、近くの駅まで硬い会話が続いた後、彼は友達とここで待ち合わせすると言うので別れた。


壁ができた。

何かは分からないが、見えない壁ができた。

俺が浪人していることを知ってから、明らかに壁ができた。

相手が年上だと分かると話にくくなるものなのだろうか。俺のほうが年上と知ってから明らかに笑い方も変わったし。というか、最後の方、半分くらい逃げるようにして去っていったし。

連絡先も交換していない。学部も違うし、このまま会わなくなってしまうのかなぁ。


もやもやとした気持ちのまま、帰宅の途についた。



「浪人」「1歳差」ということがきっかけで明らかな壁を感じた俺。

そんな俺が大学生活を上手くやるために考えたこととは………!?

次回を乞うご期待!!

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