15.新たな発見
不定期で月曜日に更新予定で進めていきます。どうぞ、ゆっくりご覧になっていってください。
〜前回のあらすじ〜
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まだわからないことが多いな
「さて自由の身とでもいおうか、この部屋から出て外でも見にいくかな」
光へ飛び込むと、誰にも気づかれず動けることがわかった。当然スルスルっと行けるもんだと思っていた。あちこちに自由に行けるはずだった。だが部屋の扉をすり抜けようとしたその時
「バチバチッ」
エネルギー体だからか痛みはない。ただ魔法でもかけられているかのようにこの部屋から出ることができない。何度繰り返しても扉の前でストップさせられていまう
おそらく幽体離脱に近い現象なのだろう。もっと広範囲に動きたければ、より高次のエネルギー体を利用した体外離脱を試みなければならない。エネルギーの仕組みとしてそうなっている
にしても、幽体離脱でももう少し動けるぞ。一体オレは何を利用した体外離脱をしたのだろう....
「どういうことだ」
考えてもわからないから周りを見渡してみると、なんと僕の体から線が出ている。僕の体へ繋がっているのだ。そしてこれは、僕の現在の位置から伸びないようになっている
「なるほど」
おそらく幽体離脱みたいになっているのは間違いないが、慣れないうちは体へ戻りにくくなるから、寝坊助対策のアラームみたいなもののようだ。こんなふうに安全装置が作動していたとは、思いもしなかった
なんだろう、強敵に人質を取られたような気分だよ
だがここで面白いことに
「あれ、いない、いない」
僕を探して奴が慌てている。目の前に現れて「ここだよー」とおどけて言ってもわからない。本当に乖離してしまうんだな、これは
叩いてもすり抜けても気づかない。体内に戻らないとわからない仕組みのようだ
「しょうがないから戻ってやるか」
体内へ戻ると奴は驚く
「どこに行ってたんだよ!!!」
「いや、ちょっと部屋を作っててさ」
「部屋?!」
「そそ。DIYって聞いたことあるだろ? まぁそんなとこだ」
「まったく意味がわからない、なんだいそのDIYって」
「DIYを知らんのか。まぁあれだ、安く作ろうぜってことだよ」
これ以上話すと話が長くなりそうだし、僕も体内へ戻ると意識が朦朧としてきて耐えられん。甘えて眠ることにした
それに、この離脱の仕組みは緊急場面では良い働きをしそうだし、奴に知られたら勿体無いテクニックでもある。あえてここでは知らないふりをしておこう
消えゆく意識の中でなんか聞こえる。空耳かもしれない。でも、
「... ... ッ...ト」
.......