39.ロウガ王国 元国王直属特殊部隊 隊長
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ステータス画面やアイテムの確認を終えると、気怠い身体を動かしクレーターを出る。
近くを見渡すと植木の陰に、ライオンの獣人と爺さんが横たわったままだった。ミランダ様達が行った方向とは反対の位置にいた為か、連行されずに済んだのかもしれない。
側に寄ると、爺さんはこんな状況にも関わらず寝ていた・・・。
あれだけ爆音で戦闘をしていたのに・・・気がでかいというか、なんというのか・・・。
だがライオンの獣人は違った。
「そこのゴブリン。助けてくれ。頼む・・・この鎖を壊してくれないか?」
「ゴブリンじゃない。俺はソースケだ。あなた達が捕まった経緯は見ていたから、鎖を外すのに協力するよ」
鎖を金砕棒で破壊すると獣人が話始める。
「ソースケ助けてくれてありがとう。危うくこのまま牢屋に連れていかれるところだった。それにさっきのブラックドラゴンへの一撃はすさまじかったな。この御礼はいつかさせてくれ」
「いえいえ。理不尽な言いがかりで荷物まで持っていかれて、大変でしたね。この国の種族差別には反吐がでそうです」
「まったくだ・・・。噂には聞いていたが、ここまで酷いとはな。かなり良い武具を持っていかれてしまったから、高い授業料だったよ・・・」
「武具は獣人さんが作ったんですか?」
「おっと、名乗っていなかったな。俺はライオネルだ。ロウガ王国 元国王直属特殊部隊 隊長で今は武具職人だ。よろしくな」
「ロウガ王国 元国王直属特殊部隊 隊長で、今は武具職人・・・。気になることが多すぎますが・・・。話は後にして、人が少ない今の内に俺の泊まる宿屋まで行きましょう」
「宿に行かせてくれるのか?恩にきる」
シルフィに『トランスフォーム』で姿を変えてもらい、ライオネルさんと爺さんと4人で宿屋へ。
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「改めて御礼をいうソースケ、ありがとう。初対面にも関わらずここまでしてくれて、本当に助かる」
「困ったときはお互い様ですよ。俺もこの国の種族差別に嫌気がさしていました。種族関係なく仲良く暮らせるようになればいいんですがね・・・」
「俺の国も・・・種族差別を火種に人間や悪魔等に戦争を仕掛けられ、壊滅状態までになったからな・・・。国を立ち直す為に今は武具職人として、こうして出稼ぎにきているんだ」
「そんなことがあったんですね。尚更人間に対して憎悪が湧いているんじゃないですか?」
「そうだな・・・。確かに俺の国をあんな状態にされたことは許せないが、この国の人間ではないし、人間というより悪魔が黒幕なのを掴んでいるからな。隻眼の悪魔・・・。そいつに復讐することをずっと考えている」
「隻眼の悪魔・・・。もし冒険をする中で見かけたらすぐに連絡しますよ」
「助かる。といっても今のままだと出会っても倒せないがな。情けないがその悪魔に『武具職人』のスキル以外を封印されてしまってな・・・。悔しくて悔しくて中々立ち直れなかったが、俺以上に辛いはずの国王が前を向いているのを見て、少しでも早く国の復興に力になれるよう、奮起しているところなんだ」
「スキルを封印?!そんな恐ろしいことができるんですね。それに・・・話づらいことまでありがとうございます」
ライオネルさんと話していると、ベッドで寝ていた爺さんが起き上がる。
「・・・はて、ここはどこじゃ?お主ら、わしはなぜここにいるかわかるか?」
「お爺さんは警備隊の隊長を吹っ飛ばして、お酒を飲んで路上で寝ていたんですよ・・・」
「・・・おお、そんなことがあったような無かったような。何はともあれ、わざわざベッドを貸してくれて感謝するよゴブリンくん」
?!
「ど、どうしてゴブリンってわかるんですか?いまは人間の姿をしているはずですが・・・」
「ほほほ。年の功というやつじゃな」
爺さんは怪しい笑みを浮かべる。
「この宿屋には2日ほどはいてくれて大丈夫です。ゆっくり休んでください。俺たちはまだこの辺りにモンスターがいるかもしれないので、確認してきます」
「今日は1日休ませてもらうが、明日にはここを出ようと思う。本当に何から何までありがとうソースケ」
「ほほほ。儂は後少ししたら行こうかね。ソースケくん。まだまだ成長途中のようだが、御礼にいつか稽古でもつけてやろう。ほほほ」
・・・爺さんの正体が気になったが、少しでも早く街の安全を確認しなければと考え、連絡先を交換するとすぐに外に出る。
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