優しすぎる先輩の話
『そんなこと言ってばかりいると、彼女さんに怒られちゃいますよ笑』
ほんの冗談のつもりだった。もう少し、自分の気持ちに正直になるのならば、冗談めかして真偽のほどを探るつもりだった。
『最近怒られてばかりだから、それは困るなあ笑』
ああ、やっぱりそうなんだ。きっとそうだと思っていた。でも、もしかしたらそうじゃないかも、なんて期待も抱いていた。「彼女なんていないよ笑」とは、言ってくれなかった。
どこか余裕のある優しい人の隣は常に定員オーバーだと相場が決まっている。いつも私に「可愛い」と言ってくれるこの人も例外では無かった。
思ったより早く、この恋の結末が分かってしまった。