新天地でのReStart
コンビニ店員「ありがとうございました。」
コンビニから夜勤上がりの一人の男が朝食を買って出てきてそのまま帰路に着いた。
私、野村雅彦は先月に2度目の30代になってからの誕生日を迎えた。大学受験に失敗し、2浪の末入った大学も中退しそのまま数年間派遣やアルバイトで食いつないでもうすぐ十年がたとうとしていた。典型的な負け組の人生を送っていたがそのことすらそろそろ考えなくなっていった。そんなとき、突然浮遊感が体を包んだと思い、気がつくとなにやら不思議な空間にいた。
まるでこの世の物理法則の支配の外にいるかのような挙動をした空間であった。そんな中警戒しながら身構えていると突然、虚空に何かが現れ人の形を形どると思えば気がつくと目の前には仙人のような身なりの老人が現れた。それはまるで一般的に神様と聞いて連想する姿のようだ。この物質界を超越した挙動の空間といい、本当に目の前にいる存在は神様なのかもしれない、と思っていると突然その神様らしき者は私に語りかけてきた。
神様らしき者「やあ、わしが君をここに呼んだこの世界の管理者、つまりお察しの通り君の社会での概念で言うところの”神”とでもいうべき存在じゃ。」
私「あなたが神か。しかしだとしたらそのような一個体である私をなぜわざわざ呼び寄せたのですか?」