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ドラゴン漫才シリーズ

ドラゴン漫才2

新進気鋭の若手お笑いコンビ、『ドラゴンズ』の漫才。

タイトル『みんなを笑顔にする仕事』。


ボケ…………バハムート

ツッコミ……リヴァイアサン


出囃子:ドラゴンボール主題歌「摩訶不思議アドベンチャー!」

2人『はい、どーも!』


バハ「バハムートでーす!」


リヴ「リヴァイアサンでーす!」


2人『2人合わせて、ドラゴンズでーす!』


リヴ「はいっ! 大好評につき、ドラゴン漫才第2弾! まさか再びこうして舞台に立てるとは、思いもしまへんでした……って、なんで半笑いやねん」


バハ「いや、PV(かんきゃく)100人も越えてへんのに大好評ちゅうのは、おかしいなあ(おも)てな。コメント(ファンレター)も、お世話になっとるお2人からしか(もろ)てないですし」


リヴ「しぃ! 黙っとったら分からへんのに。2人からも面白い言うて(わろ)てもろてんねんで! ポイント(おひねり)ももろたし。これを大好評と言わんでどうすんねん」


バハ「リヴァさん、リヴァさん。ボクええ日本語知ってまっせ。『あいそ笑い』」


リヴ「そないな事言うなや。たった1人でも笑顔にできるんなら、オレらが漫才する意義あるやろ! 違うか?」


バハ「おー、たまにはええこと言いますなあ」


リヴ「たまにはって何やねん。とまあ、オレらドラゴン2匹の異色漫才コンビっちゅうことでね、みんなを笑顔にできるように頑張っていこう(おも)てますけど」


バハ「ぶはーっ!」


リヴ「うわっ! なんやバハやん、デカいため(ブレス)ついて。今のでどっか被害が出てへんやろな?」


バハ「心配あらへん、魔王(ラスボス)の城が吹っ飛んだだけやから」


リヴ「あかんあかん、物語が終わってまう! 勇者のために残しといたげて! で、どうしたん?」


バハ「実はボク、転職しようと思うとるんですわ」


リヴ「魔法使いが戦士になったりするアレか?」


バハ「ちゃうちゃう、そんなドラクエ的なんやなくて。ボク召喚獣やめようか(おも)てますねん」


リヴ「おおっ? また業界に激震が走るようなネタぶっ込んで来よったな。急にどしてん?」


バハ「いやね、召喚獣ってずーっと戦ってばっかやないですか。心がすさむというか」


リヴ「まあ、オレらは戦うために生まれてきたようなトコありますしね」


バハ「もっとこう、人を笑顔にできるような仕事をしたいなと。介護職とかどうかな思いましてん」


リヴ「あー。キツイ仕事やと聞きますけど、喜んでくれはる人は多そうやし、やり甲斐はありそうやね」


バハ「ボクHP(ヒットポイント)には自信ありますしね」


リヴ「そこは、体力(たいりょく)って言うとこうや」


バハ「ただね、問題があるんですわ。ボク、高卒とか大卒資格を持ってへん」


リヴ「あー、オレら学校行ってないからね。でも大検とかあるんで、資格はすぐに取れるんやないですか?」


バハ「まあ、こう見えてボクら地頭(じあたま)はええからね。ハーバード大学とか、バハムート大学なら、ちょちょいと合格でけるぐらいには」


リヴ「なんやろか? 今おかしな事言わへんかった?」


バハ「気のせいやない? まあ、学歴はさほど気にしてへんけど、一番の問題は年齢ですわ」


リヴ「うん? 募集してるのは何歳から何歳なん?」


バハ「18歳から60歳」


リヴ「キミはいくつになってん?」


バハ「最近は数えてへんけど、1万歳くらいやろな。もう、ええおっさんやね」


リヴ「幻獣に『おっさん』ゆう概念があるかは知らんけど。2、3歳サバ読んでもどうにもならへんな」


バハ「やから、ボク介護職はやめることにしましたわ」


リヴ「早っ! 諦めんの早すぎひん?」


バハ「そんでな、年齢関係ない、みんなを笑顔にする、ボクにピッタリの職業みつけましたんや」


リヴ「へー、そんなんあるんや。どんな仕事?」


バハ「神龍(シェンロン)


リヴ「は? 神龍ゆうたら、7つ玉集めたらどんな願いも叶えてくれる、あのナントカボールの?」


バハ「そう、そのドラゴンなんとかの神龍ですわ。ボク、ドラゴンやし、願いを叶えたらその人は喜んでくれるし、ちょうどええですやろ?」


リヴ「ほんでも、キミ願い事ってどうやって叶えるつもりなん? メガフレアだけじゃ、破壊と殺戮しかでけへんで」


バハ「それを今から練習しよ思うてんけど、手伝ってくれへん? ボク神龍やるから。キミ、ピラフ大王な」


リヴ「なんや、その微妙なチョイス。普通でええやろ。よーし、ボールが7つ集まったで!」


バハ「あ、ちょっと待って。ボクを呼ぶときはマテリアを集めてくれんか?」


リヴ「設定がこまかいな。よーし、マテリアが7つ集まったで! 出でよ、神龍! そして願いをかなえたまえ!」


バハ「バリッバリバリ、ドッカーン!」


リヴ「おおっ! 稲妻(イナズマ)と共に神龍が現れたっ!」


バハ「願いは叶えてやった。ではサラバだ」


リヴ「えっ、ちょっと待って! なんで来たすぐで帰んの!? オレまだなんもお願いしてへんで!?」


バハ「自分さっき『出でよ、神龍!』って言ったやろ?」


リヴ「あー、確かに言いましたなあ」


バハ「そんで、ボク出てきたやろ、実際?」


リヴ「まー、確かに出てきましたけど」


バハ「願いは叶えてやった。ではサラバだ」


リヴ「待って待って! おかしいやろ! えっ、あれもカウントされるん?」


バハ「当たり前やん。その上『願いをかなえたまえ』やって? 自分、そうとう図々しいなあ」


リヴ「いやいや、どう考えてもおかしいですって」


バハ「そうですか? じゃあ上司に相談してみますわ」


リヴ「えっ? 神龍って上司おんの?」


バハ「神龍(シェンロン)カンパニーに確認してみますわ」


リヴ「『神羅(しんら)カンパニー』みたいに言うなあ」


バハ「プルルルル。あ、どーも、バハムートです。はい、お客さんからクレームがあって。はい、そうですそうです。あ、分かりました。ガチャ。めっちゃ怒られた。今度やったらクビやって」


リヴ「当たり前やろ。正直なんもしてへんもん」


バハ「ほんだら願いを叶えたるわ。願いは『ギャルのパンティ』やったっけ?」


リヴ「いや、なんでそうなんねん」


バハ「見たらわかるわ。自分パンティ好きそうな顔しとるもん。このどエロ」


リヴ「オレはウーロンか! パンティ好きそうな顔てどんな顔やねん。ちゃんとやってえや」


バハ「そお? ほんなら早よ願い事言うて。もたもたせんと」


リヴ「誰のせいや思てんねん。ほな月並みですけど、オレに世界をください!」


バハ「ん? その願い事いるか?」


リヴ「なんで? 世界欲しいやん」


バハ「ボクらが本気出したら、世界を獲るのに1週間もいらんで。それで願い事使うのもったいないですわ」


リヴ「そらそうやけど。わかった、世界はええわ。ほなら、オレの顔をハンサムにしてください!」


バハ「それは叶わぬ願いだ。『イエス!たかすクリニック』を紹介するから、それでかんべんしたって」


リヴ「えー、神龍は何でも願いを叶えてくれるんやないんか?」


ババ「だって、ボクの能力を超えとるもん。骨格から変えんと無理やで、自分ドラゴンみたいな顔しとるし」


リヴ「ドラゴンみたいやなくて、そのものやっちゅうねん!」


バハ「でも、リヴァさんはドラゴンの中ではイケメンやと思うで、海竜だけに『水もしたたるええドラゴン』。なんつって」


リヴ「あんま上手(うま)ないけど、イケメン言われて悪い気はせえへんな。わかった、顔ももうええわ。ほな、オレを億万長者にしてください!」


バハ「お金か? ボクらあんま使うとこないやろ、なんで?」


リヴ「え? まあオレ海竜やから、魚ばっか食うてますから、たまには肉をしこたま食いたいな思うて」


バハ「肉なら、ベフィモス兄さんがやっとる店でいくらでも食わせて貰えるで。『ベフィモスバーガー』」


リヴ「えっ? ベフィモスさん、店長やっとんの?」


バハ「結構もうかってるらしいで」


リヴ「そうかー。ほんなら、金ももうええわ。あー、オレらもともと物欲とかあらへんから、もう願い事思いつかへんなあ」


バハ「ほんなら、ギャルのパンティにしとこうか?」


リヴ「だから、なんでそうなんねん」


バハ「ギャルのパンティだ! ギャルのパンティだろう!? なあ、ギャルのパンティだろうお前、なあ!!」


リヴ「やかましいわ! 後半オレがパンティみたいになっとるやん! キミ、ほんま神龍になる気あるんか?」


バハ「でも、ボクが神龍になったおかげで見てみ、お客さん笑顔になってはるで」


リヴ「ほんまや。漫才やった意義があったなあ」


バハ「ボク、今の場面にぴったりな日本語知ってまっせ」


リヴ「なんや?」


バハ「『あいそ笑い』」


リヴ「そないな事言うなや! もう、やめさせてもらうわ!」


2人『どうも、ありがとうございましたー!』



おしまい

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『ドラゴン漫才シリーズ』
異色の漫才コメディーです!

『冬の童話祭シリーズ』
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― 新着の感想 ―
[良い点] また来てしましました。 いやもう、本当に面白いです。前回のより、こっちが好き。 バハさん、キレッキレですね(笑)
2019/03/22 22:50 退会済み
管理
[良い点] 相変わらず良いノリです! 脳内再生が容易! 笑 開幕ため息つよすぎ 笑笑
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