I believe you
部屋に入り思わず大きな溜息をつく。
今までずっと誤魔化していた自分の気持ち。
彼への思いは憧れだと思い込もうとしていたが、やっぱりそうではない。
確実に好きだ。大好き過ぎてもう誤魔化しきれない。
もっともっと一緒に居たい。
もっと彼の事が知りたい。
男だからとかもう自分の中では関係無くなっている。
だからと言って誰にも言えない。
自分だけの秘密の恋・・・
叶う事のない行き場のない儚い恋
どうしたらいいんだろう・・・
そして又溜息・・・
交換した連絡先。
当たり障り無い今日のお礼のメッセージを送った。
彼は・・拓海さんは、もう家に帰り着いただろうか?!
暫く送ったメッセージを眺めていたが既読にはならなかった。
シャワーを浴びた後冷蔵庫から冷えたビールを取り出しソファーに座り携帯をチェックすると、メッセージが拓海さんから入っていた。
ドキドキしながらメッセージを開く。
『今日は凄く楽しい時間を過ごせたよ。今度仮免合格したら又メシ食いに行こうな!』
「仮免か~」
予定では後一回教習を受けたら仮免を受けれる予定なんだが・・・
でも合格したら又一緒にご飯一緒に食べに行けると思うと嬉しくて俄然やる気が出る。
『楽しみにしています』のメッセージにいくつかのスタンプを返信として送った。
拓海さんからもすぐに『おやすみ』のスタンプが送信されてきた。
何気ないやり取りが今の俺には特段に幸せだった。