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私は戦うダンジョンマスター  作者: もちもち物質
魔銀の道とグランデム城
48/135

48話

 今、トンネルダンジョンでは、ミスリルの採掘にテオスアーレ民が沸いている。

 ……そう。トンネルダンジョンに仕掛けた、『人間同士の争いを激化させるギミック』。それが、『ミスリル鋼窟』だった。


 以前、塩を生産するために『岩塩抗窟』を設置したけれど、それのミスリル版である。岩に割れ目があって、そこからミスリルが産出するもの。ミスリルの産出速度は、魂の投与などの手段で上げることが可能。

 ミスリルは言わずもがな、『武具にするなら最高の素材』である。

 軽くて硬くて、それでいて魔法的な何かでもあるのか、とにかく剛い。

 ミスリルの武具が揃えば、『王の迷宮』の突破すら可能ではないか、と、宝石店の女性は言っていた。実際はそんなに甘くないと思うけれど……ダンジョンからしてみても、ミスリルの武具を装備している侵入者が居たら、ちょっと面倒だな、とは思う。

 つまるところ、『ミスリル』は、手に入れば戦力の増大に直結する。

 よって、今のテオスアーレがとても欲しいものなのだ。


 ……ただし、普通に『ミスリル鋼窟』を設置しようとすると、コストがすごい。

 魂が平気で200万とかとんでいく。これは流石に設置できない。だから、最初は普通に鉄鉱を用意するか、黄金を用意するか、或いは適当に武具をお宝として用意するか……そんなことを考えていたのだ。

 しかし、抜け道はあった。

 ……やることは、宝石を作った時と同じだ。


 ミスリルは、軽くて硬くて、魔力たっぷり。そういう金属らしい。

 なら、軽くて硬い金属に、人工宝石を作る時と同じように魔石粉末を配合すれば、ミスリルっぽいものにならないだろうか、と考えた。

 最悪、ミスリルではなくても、ミスリルと同程度の性能を持つ金属ができればそれでもいい、とも。


 駄目もとだから、手当たり次第にやってみた。

 銀、プラチナ、金、鉄、アルミ、ゲルマニウム、ロジウム……と、思いつく限りのそれっぽい金属をベルヌーイ炉にも使った『劫火石(小)』で熔かしては魔石粉末を配合。

 ……その結果、とりあえず、ダンジョンの鑑定機能で見ても『ミスリル』となるものができたのだ。




 結論から言えば、『ミスリル』になるのはチタンだった。

 ……よくよく思い出してみると、『魔鋼貨』が、もろにチタンだったな、と思う。

 魔鋼貨のよく分からない色はチタン特有の酸化被膜によるものだったのだろう。となれば、当然、魔鋼貨のベースはチタン、ということになる。もっと早く気づけても良かったかもしれない。


 ちなみに、他の金属もそれなりに『魔鋼』の類にはなったのだけれど、とりあえず今用事があるのはミスリルだけなので、使うとしてもまだ先になると思う。




 ということで、私は魂100000ポイント分を使って、チタン1t分を作成。

 あとは、新たに作ったミスリルゴーレム達と匠二号(新しく作ったソウルハンマー)に頼んで、ミスリルをひたすら作ってもらうだけ。

 できたミスリルは適当な岩の間に流し込んだり、結晶みたいな形にして岩の間に仕込んだりして、適当にダンジョン内に配置してもらう。

 ちなみに彼らはトンネルダンジョンのB3Fで働いている。勿論、モンスター達が働くスペースは侵入者が入れるスペースとは区切られているから、侵入者がミスリルゴーレム達に会うことはまず無い。

 ……ミスリルゴーレム達から会いに行かない限りは、だけれど。




 ということで、トンネルダンジョンは疑似ミスリル鉱山として、テオスアーレ民を立派に集め始めているのだった。

 そしてきっと、グランデム側への抜け道としての情報も知っている訳だから……テオスアーレのストケシア姫救出部隊は、きっとこのトンネルダンジョンを通るだろう。


 今から私達、『ラビ下級武官部隊』が向かうのは、『国境山脈周辺』。

 つまり、うっかりトンネルダンジョンを見つけて、中に居たテオスアーレの人達を殺してしまっても、何らおかしくはないのだ。




 道程は平坦だったけれど、いかんせん、距離が長い。

 全員が馬に乗って徹夜乗馬できればよいのだけれど、流石の雑兵達も、そこまではできないらしかった。

 仕方ないから、馬車に乗って交代で眠りながら移動する。

 馬車に乗っているだけでも疲れるから、適当なところで野営も挟みつつ。

 ……そして、私は馬車の横を少し離れながらずっと、1人馬に乗って進んでいた。

「……おい、見ろよ……ラビ下級武官、野営以外、寝ずにずっと馬に乗ってやがるぜ……」

「野営の時も大体見張りで起きてるしな……」

「まさか、馬車の周りを警戒してるのか……?」

 そして、当然ながら私も時々寝ながら馬に乗っているし、野営の時にはガイ君やボレアスに任せて寝たりしているのだけれど、まさかモンスター達が交代してくれているとは思わない雑兵達は、私が寝ずに警戒し続けていると思ったらしい。

 ……ちょっと、私を見る目に恐怖だけじゃなくて尊敬が混じり始めた。




 そうしてひたすらに行軍。

 その間、トンネルダンジョンではテオスアーレ民が数度入れ替わったものの、続いて採掘作業が行われている。頑張ってるね。

 そしてその隙間を縫ってミスリルや只の銀を補充していくミスリルゴーレム達の働きぶり。とても素晴らしいと思う。

 ……しかし、あんまりゴーレム達を働き詰めにしたら可哀相だ。

 早く侵入者達を片付けて、補充係にも休憩をあげたい。


「あれは……!?」

「あんな洞窟、今まであったか……?」

 そして私達も無事、トンネルダンジョン付近に到着。

 雑兵達がざわめく中、私はとりあえず『待った』を掛ける。

「突然できたならあれはダンジョンでしょう。このまま突入するのは危険です。一度、報告を」

「何言って……!ここで内部の確認を行えば、より功績が」

「大切なのは私達の功績ではありません。グランデムの勝利です」

 何故ここで止まるかなんて、考えるまでもない。

 テオスアーレの軍勢がまだ到達していないからだ。

 このままうっかりトンネルダンジョン内に入って警戒されて、テオスアーレ軍がダンジョンを迂回するようなことになりでもしたら、全てが水の泡だ。

「……では、この中で馬に乗れる者は」

 ということで、伝令役を1人、作りたかったのだけれど、誰も名乗り出てくれない。

 当然か。皆、功績が欲しい。あわよくば雑兵から正式な兵士になって、更にあわよくば、武官になりたいらしいから。

 ……でも、武官になりたい理由なんて、お金と名誉ぐらいしか無いと思う。

 そして、その内の『お金』にしか興味が無い人が、この雑兵達の中にはいっぱい居るはずだ。

「一番近く……そうですね、ここからだとリーデン村、ですね。そこまで行けば、都とクレイガルへ鳥文を出せます。そこまで馬で本日中に辿り着き、鳥文を出してきてくれた者には……『手間賃』を差し上げましょう」

 なので、鞄から1つ、宝石を取り出して皆に見えるように掲げた。

「それは……!」

「テオスアーレの『王の迷宮』で採れた宝石です。少なくとも白金貨の価値はあると思いますよ」




「いってらっしゃーい」

 すぐにたくさんの雑兵が名乗り出てくれたので、その中から一番頭が良さそうな人を選んで(多分、そんなに崩れていない冒険者、ぐらいの人)、その人に金貨1枚と伝令用の手紙を握らせてから馬に乗せて見送った。


 そして、私含めて残った雑兵達はダンジョン前で隠れて野営である。

 その間も、私はひたすらトンネルダンジョンのテオスアーレ側入り口に注意を向けておく。

 ……そうして、日が暮れて、朝が来て、日が高った頃。

「ラビ下級武官!一般兵ハウンディス、只今戻って参りました!」

 伝令にやった雑兵が戻ってきた。

「また、鳥文の内容に、できる限りの戦力を、ということでしたので、リーデン村付近に居た他の下級武官の皆さんにも声を掛け、援軍に来てもらいました!」

 そして、伝令の雑兵はとても有能な事に、リーデン村にいた他の下級武官(つまり、国境山脈周辺に配備されていじけてサボっていた人達)も連れてきてくれた。

 彼らはお金だけじゃなくて名誉も欲しい人達だから、『ダンジョンの発見』ともあれば、すぐに駆けつけてきたくなったのだろう。優秀な事だ。

「お疲れ様。……ここで渡すと他の人に盗られてしまいかねないから、城に戻ってから宝石を渡します。それとは別に、お駄賃です。取っておきなさい、一般兵ハウンディス」

 そして、伝令役の雑兵に金貨を1枚与えておいた。

 宝石については周りからの目を見て尤もだと思ったらしく、案外すぐに納得してくれた。

 良い人だなあ。




 それから、集まってくれた下級武官の部隊と一緒にまた夜を明かし、都からの援軍と、テオスアーレからの軍勢を待ち続けた。

 どっちが先でも大勢死ぬことに変わりはないけれど、できればテオスアーレからの軍勢が先だといい、なんて思いながら待機し……そして夜が明けた頃、トンネルダンジョンの入り口に、新たな侵入者を確認した。

 ミスリルの採掘を行っていた冒険者や兵士達が頭を下げて、その人達を通す。

 ……そこには私の目論見通り、ミスリルの装備に身を固めた強そうな人達が居た。




 テオスアーレのストケシア姫救出部隊らしき人達は、トンネルダンジョンの中をずんずん進んでやってくる。

 ほとんど一本道のダンジョンだから、道に迷う事も無い。

 勿論、その分道は中々に長いのだけれど。

 ……最低限、テオスアーレ兵はここで全滅させなくてはいけない。だって、グランデム兵はともかく、テオスアーレ兵はここで逃がしたらもう殺すタイミングが無いから。

 ベストは、私以外の下級武官と雑兵の全滅。相討ち。更に、援軍で来た上級武官も死んでくれれば尚のことよろしい。そこはタイミング次第だから、あまり期待していないけれど。

 そして、そのためにも、テオスアーレ兵達が来る前に、この雑兵達を誘導しておかなければならない。




「……このままでも暇なので、少し山に登って都からの援軍の様子を見てきます。ラビ下級武官部隊は私についてきなさい。……すみませんが、ダンジョンの警備はお任せしてもよろしいですか?」

「仕方ないな。任されてやろう」

「待て、俺達の部隊も行こう。どうせ暇だし……」

「おいおい、山登りなんて悠長にしていていいのか?」

「だって暇だろ、実際」

 ……そして、私は暇に飽かせて、偵察を兼ねた山登りを実施。

 私達の部隊以外にも、山登りする部隊がそこそこ得られた。暇で良かった。

 そのままある程度山を登って、ダンジョンの2F程度の高さに一度集合した。

 つまり、トンネルの出口の上、奇襲を仕掛けるなら最高の位置、ということになる。

「……遠くに見えるあれは、援軍でしょうか?」

「は?……ん、あれか?ああ、援軍のようだが……よく見えたな」

 うん、タイミングはバッチリ。

 あの距離なら、後は信号弾を撃って急いでもらったりしてスピードを微調整すれば、こちら側が全滅しかけた頃に援軍が来るようにできるだろう。多分。

 ……ちなみに、テオスアーレ兵よりも援軍が速かった時は、援軍も含めて全員でダンジョンに侵入して、ダンジョン内で適当に調節しながら敵味方の区別なく殺す予定だった。

 当然、そんなことをしなくていいならしない方が余程いいので、このタイミングはとても運が良かった、と言えるだろう。

「しかし、ここからだとリーデン村が良く見えるなー」

 そうだね。

「国境山脈も、この程度の高さまでなら登れるもんだな」

 ダンジョン付近は私が整地したからね。

「暇つぶしにはなったか……ん?……おい、おい!あれ!」

 うん。そうだね。

「ダンジョンから、テオスアーレ兵が!」

 ……やっと、お出ましだね。




 最初に、信号弾を打ち上げた。

 魔法の代物らしいそれは、各部隊に1つずつ支給されているものだ。

 単純に光って空に上がって、消えるだけ。とっても単純。人に向けて撃ってもそうそう致命傷にならない安心設計。

 ……だが、これで援軍のスピードを上げることはできただろう。

 ついでに、戦場に《フレイムピラー》を高く掲げれば、遠くからでも『何かあった』事が分かるはず。

 ちなみに《フレイムピラー》は敢えて敵も味方も巻き込んだ。

 特に何も言わずにムツキ君が使ったから、本当に誰が撃ったのか分からないと思う。

 ……なんとなく、私が魔法を大量に使える、という情報はあまり出さない方が良いかな、という気がしたので。


「と、突撃!」

 山登り暇つぶし班は全員、山の斜面を滑り落ちるようにして、トンネルから出てきたテオスアーレ兵達に襲い掛かっていく。

「何っ、後ろからっ!?」

「こちらの動向が漏れていただとっ!?」

 いいえ、単なる幸運です。少なくとも、私以外のグランデム兵は単なる幸運だと思ってると思うよ。

 しかし、テオスアーレ兵からしてみれば、トンネルを出た途端、正面にはグランデム兵。そして、背後からもグランデム兵が襲い掛かってきたわけで……まあ、罠に掛けられたと思うのも無理はないと思う。


 背後から不意打ちで挟み撃ちにした形になったというのに、テオスアーレ軍は強かった。これは予想通り。

 元々が強い人たちなのだろう。きっと。

 ……だって、ストケシア姫に近衛が居て、テオスアーレ王に近衛が居ない訳は無いから。

 だから、当然、全員そこそこに強い。

 けれど、ロイトさんが言っていた『この城で2番目に強いぜ』は伊達じゃなかった、というか……やっぱり、ある程度はストケシア姫を守るために戦力を使っていたんだろうな、という印象だった。つまり、テオスアーレ兵の強さの上限は全体的に、大体ロイトさん達以下、ぐらい。これなら私でも問題なく殺せる、と思う。

 ……だが、問題は武具だった。

 そう。元々そこそこ強い兵士達が、ミスリルの武具を揃えてやって来ているのだ。

 方や、グランデム側は有象無象の雑兵と、戦闘経験が少ない下級武官のみ。

 ……当然、それは戦力差となって現れる。




 不意打ちの挟み撃ちをされたにもかかわらず、テオスアーレ側は次第に優勢になってきた。

 あちこちでグランデムの雑兵や下級武官が殺されていき、次第にグランデム勢の数は減っていく。

「はっ!不意打ちすればこの程度の雑兵でも勝てるとでも思ったのか!」

「姫は我らが取り戻す!貴様らグランデムなぞに負ける訳にはいかんのぐぶっ」

 そして、勝利の予感に笑みを浮かべるテオスアーレ側が優勢になりすぎたな、と思ったら、適当に遠距離から魔法を当てて勝利の予感に水を差してあげた。時々殺した。

「ははは、油断したか、テオスアーレ!」

「貴様ら程度、俺達だけで十分よ!」

 そうするとグランデム側が士気を取り戻すので、少しまた盛り返したりする。

 ……けれど、まあ、持久戦というか、『援軍が来るまで持ちこたえられるかな?』という戦いなので、焼け石に水だけれど。




 そうして、結構長い間、戦っていた気もするし、そうでもなかった気もする。

 けれど、ついにそれは来た。

「助けに来たぞ!怪我人は下がれ!」

「テオスアーレ兵共め!貴様らの墓場はここだ!」

 馬に乗ってやってくる兵士達。

 グランデムの上級武官と、上級武官達率いる軍勢だった。


「援軍だぞ!」

「ははは、これなら……これなら……!ぐあっ!」

 勿論、ここで怪我人が生き延びてしまうと魂を回収できないので、適度に魔法のフレンドリーファイアをお見舞いしながらグランデム側の人数も減らしていく。

 本当に魔法って便利。誰が撃ったか、咄嗟に分からないのだから。

 ……あとは、上級武官達がテオスアーレ兵をがんばって殺し、また殺され、という所に魔法や『不幸な落石事故』で水や油を注ぎつつ、より多くの死者が出るように頑張った。

 逃げようとしたテオスアーレ兵は、もれなくダンジョン内の人目につかない所でミスリルゴーレムに囲まれて死んだ。

 落石事故も彼らが頑張って提供してくれたし、本当にミスリルゴーレム達は働き者だなあ。

 ちなみに私はサボっているように見えないようにずっと、弱そうなテオスアーレ兵を選んでほぼ1対1で戦い続けていた。

 この人は防具こそミスリルだったのだけれど、剣はミスリルじゃなかったから安心して気を抜いて戦っていられたのがありがたかった。




 日が高く登る頃、やっと決着がついた。

「テオスアーレを破ったぞーっ!」

 上級武官が勝ち鬨の声を上げると、生き残ったグランデム兵達が歓声を上げた。

 私も最後の最後でテオスアーレ兵を斬り殺し、歓声の中に加わった。

「……犠牲が多く出てしまったが、まさか相手が新しくできたダンジョンを通ってくるなどとは予想できなかったからな……状況と相手の強さを考えれば、圧勝であると言ってもいいだろう!」

 尤も、グランデム側も相当数、死んでいた。

 雑兵は9割9分死んでいたし、下級武官も8割方死んだ。

 上級武官率いる兵も、元々の数が少なかったこともあり4割程度死んでいるし、上級武官も1、2割死んでいる。

 ……実は、上級武官達の死因のほとんどは私だ。意図的なフレンドリーファイアだ。

 混戦状態の所に《フレイムピラー》や《キャタラクト》を撃ちこんでは殺していたから、誰がどう魔法を使ったのかもよく分からなかったはず。落石事故なんて、絶対に私のせいだと思われないし。


 ちなみに、今回の戦いでのリザルト。

 手に入った魂は5,284,920。たくさん死んだものね。ちゃんと雑兵だけじゃなくて、上級兵や上級武官も殺したし、逃げようとしたテオスアーレ兵も殺したのが効いたらしい。

 ちなみに、採掘作業をしていた兵士達も全員殺している。本当にミスリルゴーレム達はいい仕事をしてくれた。

 これだけ稼げれば、十分にここでの元は取れたね。

 ……あとは、『王の迷宮』でもう一稼ぎすることになるのかな。それとも、もう一回ここを使えるか……グランデム側の戦力次第、というところかな。




「しかし……ミスリルの装備、か。どこで手に入れたかは分からんが、ま、こいつらが持っていた分はありがたく頂戴していくことにしよう」

 そして、私達グランデム兵は、ダンジョンの中を探索するより先に報告、怪我人の治療、破損した装備の補修を優先する為、そして何より……テオスアーレ兵が身に着けていたミスリル装備を持ち帰る為、見張りを務める一部の上級武官とその部隊を除いて、グランデムへ帰還することになったのだった。


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