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私は戦うダンジョンマスター  作者: もちもち物質
魔銀の道とグランデム城
47/135

47話

 窓辺に来た小鳥にも分けてやりながら、貰ったパンを齧る。

 ややハードなパンは、噛みしめればじんわりと塩味と旨味が広がる。

 たっぷりバターを使っているのかな、小麦の香ばしい香りにバターのふんわりした香りが混ざって、美味しくて幸せになれる味わい。

 ……しかし、とても美味しい上に掌に乗るぐらいの小さ目なパンだったのだけれど、噛みごたえのあるパンだったものだから1つ食べたらお腹がいっぱいになってしまった。(というか、満腹中枢が満足してしまった。)

 パンは袋にまだたくさん残っている。残りのパンはまた明日以降に頂くとしよう。




 部屋でのんびりしている間にも、『王の迷宮』には侵入者が来る。

 遠く離れているとはいえ、『王の迷宮』は私自身だ。

 いつも通り問題なく動かして、侵入者達をトラップにかけていく。

 勿論、黒鋼ゴーレムのクロノスさんとクロノスさんの陰に潜むウヅキ君が強くなれるように、とどめはモンスターに任せるけれど。

 ……それから、トンネルダンジョンの方はというと、まだ誰も来ていないようだった。

 宝石店の人達がミスリルを持って王城に駆け込んだ以上、早い内にテオスアーレの人達が来るはずだと思うのだけれど。

 ……まあ、グランデムが『ストケシア・テオスアーレの身柄を確保した』旨を通告すれば、奪い返そうとするテオスアーレはよりよい武具を求めて嫌でもミスリルを欲するしかないのだから、あとは時間の問題か。




 それから部屋の中でのんびり昼寝して過ごして、起きたら太陽が建物の影に沈んで、すっかり薄暗くなっていた。

 そして、お腹が空いていた。……やっぱり、噛むだけ噛んだけれど、食べた量は少なかったらしい。

 もう1つパンを齧るか、と考えていたら、部屋の扉がノックされた。

「食事の時間だから食堂へ誘いに来たのだけれど、一緒にどうかしら」

 扉を開くと、そこには綺麗な女の人が居た。

 鎧は付けておらず簡素な服装だけれど、その腰のベルトには剣が吊るしてある。

 立ち居振る舞いも隙の無い戦士のそれだ。

 ……ということは、殺した時の魂量も多いのかな。

「ええ。是非」

 なにはともあれ、小腹が空いていることは確かだし、色々な人とコミュニケーションを図った方が後々都合が良い事も分かっている。

 誘いを断る理由は無い。

 廊下に出て誘いを承諾すると、女の人は綺麗な笑顔を浮かべた。

「名乗り遅れたわね。私はシーニュ・シグネ。中級武官よ。よろしくね」

「ラビ、とお呼び下さい。……よろしくお願いします、シーニュさん」

 差し出された手を握ると、シーニュさんは笑みを深めた。

「女性武官は少ないから、あなたみたいな人が来てくれて嬉しい。仲良くしてほしいわ」

「それは是非とも」

 成程、女性武官は少ないのか。まあ、当然か。

 ……しかし、そういうことなら……私は目立つ、のだろうなあ。


 シーニュさんが「行きましょう」と促し、私達は食堂に向かって歩き始めた。

「……話には聞いていたけれど、本当にあなたみたいな子が、ね……にわかには信じがたいわ」

「もうお聞き及びでしたか」

「武官の間では作戦会議の根回しとかもあるから、ある程度は、ね。まだ、一般には公表されていないけれど。……『王の迷宮』を攻略した、というだけでも凄いのに、さらには姫の奪取、近衛5人衆の殺害……正直、まだ信じきれない部分もあるのよ」

 シーニュさんが難しい顔をして、前方の虚空を見つめている。

 ……かと思ったら、ふと、気づいたように私の方を向いて、申し訳なさそうな顔をした。

「あ、気を悪くしたならごめんなさい。ただ、あなたみたいな綺麗な子がそんなことするなんて、想像できなかったものだから」

 ……自分自身の見目について、今までの反応等々を見て、思う所はある。

 それが私自身のレベルアップによるものなのか、それとも、リリー他装備モンスターによる恩恵なのかは分からないけれど……とりあえず、私の見目は『かなり良い』方に認識されているのだろう、と。

 そして、それは決して、悪い方には作用しまい、とも。


「お上手ですね、シーニュさんは。そんなの、シーニュさんみたいに綺麗な人に言われたって説得力がありません」

 なので、敢えて、少々唇を尖らせつつ、おどけていじけたような表情を作ってみせる。

 すると、案の定シーニュさんは私に親しみを感じたらしい。「あなたもお上手ね」、と相好を崩して軽く笑い声を上げるシーニュさんに、私もつられたように笑いかける。

 ……それから食堂に着くまでの間、シーニュさんとの雑談がそれなりに弾んだのだった。




 食堂に着いたら、それなりに多くの視線が私に刺さった。

「……まあ、下級とはいえ、いきなり武官に任命されるなんて、普通は無いことだから。嫉妬されるのも無理はないわ」

 シーニュさんの解説でなんとなく、視線に含まれる意図が何なのか分かった。

 成程、これは嫉妬か。

「尤も、それだけじゃなさそうだけれど」

 シーニュさんが苦笑する視線の先で、少々慌てたように駆け寄ってくる姿があった。

 ウォルクさんだ。パンをくれた人。隣の部屋の人だ。

「シーニュ。今ラビを連れてきたらどうなるかぐらい、わかるだろう」

 ……ここでやっと、私はウォルクさんがパンをくれた真意を理解した。

 つまり、ウォルクさんは、私が食堂に来ることによって、このように敵意を向けられることを案じて、パンをくれたんだろう。あんなにいっぱい。あんなにいっぱい。

「あら、ウォルク。なら、いつになったらラビは食堂に来れるのかしら?……どうせ明日からラビはこうなるのだもの。今の内から慣れておいた方が良いわ。あなたがラビを心配するのも分かるけれどね」

「そうは言っても……」

 ……どちらかというと、私はシーニュさん派、だろうか。

「ウォルクさん、大丈夫です。逃げていたって始まりませんから」

 笑顔でそう申し出れば、ウォルクさんも心配そうな表情のまま、「ならいいが」と頷いた。


 それから、ウォルクさんとシーニュさんと一緒に食事を摂った。そこそこ話も弾んだと思う。そして、それに伴ってそれなりに情報が手に入った。

 シーニュさんとウォルクさんは同じ中級武官であること。

 テオスアーレが『王の迷宮』に戦力を減らされた今、グランデムは好機とみて兵を広く多く集めていること。

 雑兵が増えたことで武官が相対的に少なくなり、その分、武官も増やされたこと。

 シーニュさんとウォルクさんはその流れで下級武官から中級武官に昇格できたこと。

 ……等々。

 つまり、今のグランデムの戦力状況がなんとなく分かった事になる。

 戦力が一時的に膨れたけれど、実体は冒険者崩れの雑兵が多い、ということになるのかな。

 尤も、以前からグランデムは『名より武勲』の方針らしいから、武官は全員それ相応に強いのだろうけれど。

 ……けれど、まあ、雑兵なら、ある程度死んでも、文句は言われない気がする。

 ちなみに、食堂のメニューはいくつかあったけれど、その中から煮込みハンバーグみたいなものを選んだ。

 美味しくて幸せになれた。




 部屋に戻って、ウォルクさんとシーニュさんと別れた後(シーニュさんは私の部屋の2つ隣、ウォルクさんのお隣さんだった)、部屋でお湯を沸かして体を拭いて眠る。

 ベッドはそんなに寝心地が悪い物でも無かった。……正直、元々のダンジョンに作った干し草のベッドよりもずっと寝心地が良かった。

 どうしよう。このベッド、ダンジョンに持ち帰ろうかな。




 翌朝、案外早く目が覚めた。昨日、たっぷりお昼寝していたからかもしれない。

 いつも通り、装備モンスター達を装備して(流石に寝るときはリリーとムツキ君以外は外している。ボレアスは毛布代わりに使っているから半分装備しているけれど)、身だしなみを整える。

 いつでも外に出られる、という状態になったら、昨日の夕食の時のように、シーニュさんが私を朝食に誘いに来た。

 快諾して食堂で朝ごはん。

 ……少し少なめに食べて、部屋に戻ってから昨日のパンを焼き直して食べた。美味しい。


 朝食を終えた後、少し部屋で待機していたら、ウォルクさんが来た。

「ラビ。準備はいいか」

「はい」

 これから叙勲、ということなんだろう。

 私は下級武官になって、そして、小さな軍を率いることになる、と。

「……これから大変だろうが、頑張れよ」

 更にそのついでに、私はウォルクさんの言う『大変』な状況になるのだろう。

「ええ。頑張ります」

 ……だが、むしろ、あからさまに敵対してくれる味方が居たらありがたい。

 相手が強ければ強いほどありがたい。

 グランデムの国益に背くような……無益な争いを行おうとする者なんて、殺されても文句は言えないのだから。




「……では、そなたに交差銀剣勲章を授け、グランデム下級武官として任命する!」

 そして数十分後、私はグランデム王から予告通り勲章を賜り、下級武官として任命された。

「そなたの前に道は無限に用意されている。武勲を上げればその分、どこまでも進める道が、だ」

「きっと陛下のご期待に沿ってみせます」

 銀細工の剣が交差した意匠の勲章を受け取り、私はグランデム王に笑顔を向けた。

「その意気やよし。……ま、初めは何かとままならぬだろうがな。励め。期待しているぞ」

 こうして、私の叙勲式は簡素に、かつ恙なく終了した。

 式典の割にまどろこしい所が無いのは、純粋に好印象だなあ、と思う。




 勲章をボレアス君に留めつけて飾ったら、そのままウォルクさんに連れられて、武官の会議に出席することになった。

 今回の会議は、会議というより作戦通達らしい。

 ……早速出番、ということかな。楽しみだな。


「失礼します」

「失礼します」

 会議室に入ると、そこにはもう、たくさんの武官が揃っていた。

 多分、正面に居るのは上級武官。そこから手前になるにつれて、中級、下級、となっていくらしい。

「席に着け。……ラビ下級武官。お前はそこの席だ」

 ウォルクさんが「また後でな」と小さく言って、中級武官の席に向かって行く。

 私は一番手前の席に座った。

「……さて、これで全員揃ったな」

 部屋の真正面に座る、一番偉いのであろう武官が声を掛けると、室内が静まり返った。

「まずは諸君も知る通り……今日から、新入りが増えた。武官試験の季節でも無いが、国王陛下直々の『特例』によって下級武官に着任した者だ。……ラビ下級武官」

 促されて、私はその場に立つ。

「本日より下級武官に着任しました。ラビです。よろしくお願いします」

 無難に挨拶して一礼すれば、まばらながらも拍手が起こった。

 見れば、中級武官の席でウォルクさんとシーニュさんが小さく手を叩いている他にも、何人か人の良さそうな武官が拍手しているのが分かった。

 ……その表情が歓迎だったり、好奇心だったり、嘲りだったり、とバリエーションに富むのは置いておくとして。

「よろしい。これからラビ下級武官はグランデムのために我らと共に戦う仲間となる。全員、下らぬ詮索は止し、グランデムのため協力し合うように」

 偉そうな武官が釘を刺すと、何人かの武官が居住まいを正した。……ちょっとかわいそう。


「それでは、本日の会議内容だが。……諸君も事前に通達されたと思うが、明日、グランデムはテオスアーレに向けて、ストケシア・テオスアーレの身柄引き渡しについての告知を行う。引き渡しの条件は『テオスアーレの国土の南側と、魔鋼貨100枚』。当然、テオスアーレ側が受け入れるとは思えん。恐らく、武力を持ってしてストケシア・テオスアーレを奪取せんとするだろう。……その時、グランデムはテオスアーレの『不当な攻撃』を受け、テオスアーレを武力でもって制圧し始めることになる」

 その時、テオスアーレ側はトンネルダンジョンを使おうとするだろう。

 あとは……どのぐらいの規模の軍が、トンネルダンジョンに来てくれるか、だけれど。

「なので、我々は何時テオスアーレが侵攻してきたとしても問題なく対処できるよう、予め人員を配置しておく必要がある。配備は主に、クレイガル周辺と、都周辺、そして国境山脈周辺に行う予定だ」

 そう言って、最上位の武官は地図を示した。

 クライガル、というのは、テオスアーレの都から山脈をぐるりと回ってきた位置にある都市だ。つまり、テオスアーレからちゃんと山脈を回って来た時に一番近い町。ここへの配備はつまり、来たテオスアーレ軍をすぐに見つけて潰す、というための配備なんだと思う。

 都周辺への配備は当然か。どこの町にも立ち寄らず、索敵網にも引っかからずに暗殺者や少数精鋭の部隊が来る可能性を考慮して、ということだよね、きっと。

 ……そして多分、今回の『ハズレ』は、国境山脈周辺への配備、という事なんだと思う。

 だって、あの山脈、どう考えても普通の人間には越えられない。

 私だってあの山脈を登る時、リリーやムツキ君の助け込みで、しかもてるてる親分さんが持っていた魔法を使って、しかも休憩をはさみながら、なんとか無理に登ったような有様だった。

 グランデムの武官としては、『山脈を越えて来るなんてありえない』という想定なんだと思う。

 万一、越えて来るような人が居たとすれば、それはとんでもない強敵だ。もしそんな強敵が現れたら、長い長い国境山脈付近にまばらに配備された人員程度でまともに戦えるか怪しい。その時は都に配備した部隊で袋叩きにする算段なんだろう。


 ……つまり、『国境山脈周辺への配備』は、保険というか、連絡役というか、あってもなくても変わらない役割というか……『ハズレ』、という事なんだろう。どう考えても、武勲を上げられる雰囲気じゃない。


 ……勿論、これらは『山脈を貫くトンネルなんてものが無かったら』の話なのだけれど。




 最上位の武官は、大体私が想像したようなことを簡単に説明してくれた。勿論、国境山脈周辺の配備が『ハズレ』だなんてことは言わなかったけれど。

 ……そして、やっと、会議は本題に入った。

「上級武官はいつも通り、全部隊を都に配備する。王の側で確実にグランデムを守るように。中級武官はクレイガル周辺への配備となるだろう。テオスアーレの軍勢は弱体化しきっているだろうが、油断しないように。……そして、下級武官は半数をクレイガル周辺、残り半数を国境山脈周辺へ配備する」


 そこからは上級、中級、下級、と3つに分かれて、それぞれで配備の詳細を決めていく事になった。

 上級武官は別に決めることも特にないのだろうし、中級武官はそれぞれの部隊の戦力を考えて配備していけばいい。

 ……が、問題は下級武官だった。

「ここは実力のある者がクレイガル周辺へ向かった方がいいだろう」

「いや、長く勤めている者の方が他の部隊との連携もとりやすい」

 こんなかんじで、皆が皆、クレイガル周辺に行きたがった。

 当然か。武勲を上げられる可能性があるのは、どう考えてもクレイガル周辺の方なのだから。

 けれどこの状況はありがたい。

「あの、私は国境山脈周辺へ行きます」

 如何にも『遠慮しました』というように立候補すれば、他の下級武官は喜びこそすれ、反対する人は居なかった。

「そうか、ラビ下級武官。国境山脈周辺へ行ってくれるか。ならとりあえず、ラビ下級武官はこれで決定、と。……他に国境山脈周辺へ行く者は?」

 ……あっさりと私の希望は通り、そのまま放っておかれ、あとは下級武官たちが頑張ってクレイガル周辺に潜りこもうとする会議(喧嘩)を眺めているばかりとなったのだった。

 僥倖。




 会議と作戦通達が行われた翌日、私達はそれぞれの配備先へ出発することになった。

 そして、それに伴い、私は私の小さな軍……小さな雑兵部隊と顔合わせすることになった。


 それぞれの下級武官の元に集まった雑兵たちは、本当に『雑』だった。

 ……戦争での武勲で一山当てようとした冒険者崩れ、下手したら山賊崩れみたいなのまで混ざっているんだろう。

 案の定というか、私の元に配属された人達も、大体そんなかんじだった。

「ラビ下級武官です。よろしくお願いします」

 一応礼儀正しくそう挨拶してみても、彼らは嘲るような表情を浮かべたり、無関心そうにそっぽを向いていたりするばかり。あんまりよろしくない。

 ……そして更には。

「おいおい、まさかお前みたいな小娘が上官だなんて言わねえよなあ?」

 突っかかってくる人も居た。

「いいえ。私があなたの上官です」

「はあ?ふざけるのも大概にしろよ?」

 私より余程大柄な男性は、物理的に上から私を見下ろしながら凄んで見せた。

「俺はお前みたいな弱そうな小娘如きの言う事なんて聞かないからな」

 そして、そんなことを言うので。

「そうですか。なら、あなたは私の軍……いいえ、グランデムに必要ありません」

 腰からホークを抜いて、男性の胸を突いた。




「は……え?」

 男性はごぶり、と口から血を吐きだして、その場に倒れる。

 他の雑兵達は、それを唖然とした表情で見ていた。

「さて。……他に、物分かりの悪い方はいらっしゃいますか?」

 気づけば、辺りは静まり返っていた。

 私の元に配属された雑兵だけじゃない。少し離れたところに居た他の部隊の人達も、皆、こちらを見ていた。

「分かったでしょう。私のような小娘でも、グランデムに仕える武官です。私に従う気が無いならグランデムへの反逆とみなします。……皆さんは私に従ってくれますね?」

 今や、私を嘲るような人は誰も居なかった。

 ただ、恐れるようにこちらを見て、静かにしているばかりである。

「返事は」

 そして、静かにそう問えば、皆が「はい」と、答えてくれた。

「よろしい。……そして、私は、皆さんが協力して下さるなら、皆さんを助けることだってできるのです」

 私は微笑んでそう語り掛けてから、上級薬を取り出した。

 そして、足元で血を流しながら痙攣している雑兵に、惜しみなく上級薬を使う。

 狙って小さく傷を作ったから、上級薬だけで十分に傷を癒すことができた。

「大丈夫ですか?」

 すっかり怪我が治って起き上がれるようになった雑兵に笑顔でそう問えば、凍り付いたような笑顔で、彼もまた、「はい」と良い返事をしてくれた。

 これで、自分の部下の統治もばっちりである。




 そうして全員が私に従順になったところで、私達は国境山脈周辺に向かって進み始めた。

 ……さっきから、私のダンジョンとしての感覚が告げているのだ。

 トンネルダンジョンへの『侵入者』の存在を。


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― 新着の感想 ―
現地人を見る目が家畜の品質チェックみたいになってて笑う
淡々とえぐいことやってくるのがこんなにクるとはなぁ
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