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悪魔と子供~虐待と歩橋~  作者: 戌尾 昴
3/3

虐待と歩橋

これで一旦終わりです。実は投稿時のミスがあったので再度、投稿させて頂きます! これはその序章の一片の先行投稿だと考えていただければ幸いです。 後ほど、新たなに投稿させて頂きますのでその前にこちらでお楽しみください!

  悪魔と子供~虐待と歩橋~


 第三話…嫉妬と再会

 特殊制裁班の部屋には心究と獅血、鏡魔、淨櫳の四人がいた。

(鏡魔)「…なぁ、気になる事があるの…」

(三人)『何?』

(鏡魔)「出入り口の左の方にある《秘密の部屋》って書かれている部屋があるけどあそこは?」

 鏡魔は出入り口の左隣にある部屋について訊いた。

(心究)「あれは、徳魔と天雲だけの専用の部屋だよ…中には大人の玩具が沢山あって徳魔が何かしらで天雲以外の女性に目移りすると天雲がお仕置きをしている部屋だよ」

 心究は鏡魔の問いに答えた。

(鏡魔)「へぇ~」

 心究の説明に三人は寒気がした。

(淨櫳)「…そう言えば地泉は?」

 淨櫳は話を変える為に地泉について三人に訊いた。

(獅血)「あぁ、例の現場に…」

 獅血が淨櫳の問いに答えた。

 その頃、地泉はある歩道橋の上に居た。

(地泉)(…此処で俺は…)

 地泉は哀愁の顔をしていた。

 その頃、徳魔と天雲は調布駅周辺の店を回っていた。

(徳魔)「…どんだけ、買うつもりだよ」

 徳魔の両腕は既に荷物で一杯だった。

(天雲)「ねぇ、これはどう?」

 天雲は服を徳魔に見せた。

(徳魔)「…悪くないな」

 徳魔は天雲が持っている服を脳内で天雲が着ている姿をイメージした。

(天雲)「じゃぁ、買ってくるわね♡」

 天雲は店のレジに向った。

(徳魔)(…全て俺の貯金だけど…)

 数分後、徳魔の荷物は既に10kgに達していた。

(徳魔)(流石に重い)

(天雲)「ねぇ、あの店で休憩しよう♡」

 徳魔と天雲はとある飲食店で休憩をしていた。

(徳魔)「…それにしても…今回は結構買ったな」

 徳魔の横の席には袋が50袋あった。

(天雲)「仕方ないでしょ! 何時もお父さんが私に必要が無い物を全て捨てるから」

(徳魔)「それは、俺でも怒るけど…親はそう言う所あるから…」

(天雲)「何!? 徳ちゃんはお父さんの味方をするわけ!?」

(徳魔)「いや、そうじゃなくて…自分の子は宝物で大事な存在だからさ…大切にしているって言いたかっただけ」

(天雲)「ふ~ん」

(徳魔)「あのさぁ、まだ買い物を続ける気か?」

(天雲)「当たり前よ! 徳ちゃんの財布の中身が0になるまで買い続けるわよ」

(徳魔)「……」

 徳魔は唖然として声が出なかった。

 数時間後――

(天雲)「今日の買い物は終了♡」

(徳魔)(俺の財布の中身を本当にゼロにしたよ)

 徳魔が持っている荷物は尋常じゃない数になっていた。

(天雲)「さてと、帰ろう♡」

 天雲は満面な笑顔で言った。

(徳魔)「…あぁ」

 徳魔と天雲の二人は何時ものポーズ(天雲が徳魔の腕にしがみ付いた状態)で帰っていた。

 数分後、徳魔と天雲の二人の前に一台の車が止まった。車の後部座席の窓が開いた。

(天雲)「お父さん! 如何して?」

(天雲の父親)「いやぁ、今日の仕事が意外に早く終わってなぁ」

(徳魔)(いや…まだ正午前だぞ)

 車の後部座席の窓から顔を出したのは天雲の父親…天雲 電【あまくも ひかり】だった。

(徳魔)「雪…父親と一緒に帰ったらどうだ」

(天雲)「えぇ、でも…」

(徳魔)「雪…この先、父が早く帰れるとは限らない親と居られる時間は一緒に居た方が良い」

(天雲)「…分かったわよ」

 雪は父が乗っている車に乗った。

(電)「徳魔君もどうかね?」

(徳魔)「いえ、自分は良いです」

(電)「…そうか、では何時かまた会える事を…」

(徳魔)「えぇ」

 雪を乗せた車は走り出した。

(徳魔)「さてと、俺も荷物を家に置いてからパトロールするか」

 徳魔は天雲が買った荷物を持ち家に向った。その途中で前からある人物がこっちに歩いて来た。

(徳魔)(! あいつは…)

 徳魔は左手の荷物を収縮させて右腕にかけている荷物の中に入れるとジャンバーのポケットから携帯電話を取り出すと携帯電話のカメラ機能でその人物がすれ違う瞬間に隠し撮りをした。

(徳魔)「間違いない《ブリッジデビル》だ!」

 徳魔は特殊制裁班に連絡した。

(徳魔)「心究か…今さっき《ブリッジデビル》と擦れ違った。…現在は調布駅方面に向っている…俺は天雲との買い物で買った荷物を家に置かないといけないから心究達に頼む!」

(心究)(了解!)

 徳魔は電話を切ると家に向った。

 数時間後、天雲を除く6名は特殊制裁班の本部にいた。

(徳魔)「えぇ、これから《ブリッジデビル》の捕縛会議を始める…今日の正午に俺が調布駅から家に帰る途中で《ブリッジデビル》と遭遇した。…これが《ブリッジデビル》の素顔だ」

 徳魔はボードに擦れ違う瞬間に隠し撮りした写真をモニターに出した。

(徳魔)「…その後は心究達に任せた」

 徳魔が椅子に座ると次は心究が椅子から立ち上がりその後の説明をし始めた。

(心究)「えぇ、徳魔に頼まれてその後の尾行・調査を進めると驚くべき事が分かった。…《ブリッジデビル》は陸海一族の血を引く者だった。だが、彼の姓は陸海では無く羅更【らさら】と読み名は繰弐【くりじ】と言う者で職業はフリージャーナリスト…いや、ブラックジャーナリストと言うべきか…主に犯罪専門のジャーナリストだが事件に遭遇した場合は犯人の後を尾行して場所を特定する。そして、如何言う方法かは不明だが犯人のアドレスを入手して脅迫して犯人から金を貰う…そして、犯人の金銭が無くなると記事にする。それが奴のやり方だった」

 心究は説明が終わると椅子に座った。

(淨櫳)「…気になるのは地泉の事件だが…」

 淨櫳は地泉の事件について気になっていた。

(徳魔)「恐らくだが地泉と同じ力を持っていたが地泉の方が上だった…だから、力の優劣が人生の後輩である地泉に嫉妬をしたからとも考えられる」

 徳魔は地泉の事件の憶測を説明した。

(獅血)「確かに…でも、どうやって地泉の事件の制裁を与える?」

 獅血はどうやって制裁を与えるか問うた。

(地泉)「…俺一人で行く!」

 地泉は一人で因縁の犯人に制裁を与えると言った。

(獅血)「それは危険過ぎる! 止める様に言って下さい! 班長!」

 獅血は地泉が一人で行くのは危険だと言い、止める様に班長(徳魔)に言った。

(徳魔)「…良いぞ、行って来い!」

 徳魔は地泉に一人で行くのを許可した。

(地泉)「有難う御座います!」

 地泉は頭を下げて許可を出した徳魔に礼をするとそのまま本部を出た。

(獅血)「徳魔! 地泉を一人で行かすのは流石に危険過ぎる!」

 獅血は一人で行かすのを危惧した。

(徳魔)「誰が一人で行かすと言った。…俺は犯人に制裁を与える行為は地泉本人と言っただけだ。…取り敢えず、俺の言う通りに動けよ…心究と獅血は地泉の後を追い、地泉が羅更に制裁を与えるまで見守る事に徹底する事、淨櫳と鏡魔は未だに眠り続けている地泉の彼女と彼女の母親を見に行ってくれ!」

(全員)『了解!』

 徳魔以外の四人(獅血、心究、淨櫳、鏡魔)は本部を出た。

(徳魔)「…さてと、俺は家に置いて来た荷物を整理しに家に戻るか」

 徳魔が部屋を出ようとすると心の中にサタンが声を掛けて来た。

(サタン)『…お前なぁ、皆に地泉の事を頼んでお前は天雲の荷物整理か』

(徳魔)「仕方ないだろ…雪の両親が雪の私物を捨てるから俺が雪の私物を預かっとかないと行けないし…それに俺の両親は俺が雪の私物を預かっている事を知らないから…若しも、雪の私物を両親が見つければ俺に女装癖があると勘違いする事は間違いなし…」

(サタン)『…確かにそれは困るな』

 徳魔は帰路についていた。

 その頃、地泉は深大寺の自由広場にいた。

(アガレス)『此処で如何する気だ?』

 地泉の背後からアガレスが現れた。

(地泉)「アガレスか…俺の一族の力は自然の力を操る事が出来る。…それを応用すれば地球に右手を触れれば標的の居場所を特定が出来る……羅更は例の場所に居るか」

 地泉は何所かに走って向った。

 その頃、辰岐摩病院では淨櫳と鏡魔が地泉の彼女と彼女の母親を見守っていた。

(鏡魔)「…ねぇ、像神君…何で陸海君は彼女と母親しか救えなかったのかしら?」

(淨櫳)「…仕方ないだろ、人の手は二つだけ…それに現場では何かあったみたいだけど…俺らが口を挿む事では無いからな」

 淨櫳はそう言いながら近くの椅子に座った。

 その頃、地泉は調布のある建物に入って行った。

(アガレス)『此処って…』

(地泉)「あぁ、陸海一族が定期的に全員の能力の力比べをしていた場所だ」

 そう言いながら地泉は建物の地下へ向った。

(地泉)「此処に居る」

 地泉が立ち止ったのは【陸海試合場】と書かれている扉の目の前にいた。

(地泉)「行くぞ!」

(アガレス)『あぁ』

 そう言うと地泉は【陸海試合場】の扉を開けると中には40代の男性がいた。

(男性)「君が居ると俺の実力は半減だよ!」

 40代男性は行き成り持っていたナイフで地泉の首を斬った。すると、斬られた地泉の体は揺ら揺らと揺れ始めると突如として消えた。

(男性)「消えた!」

 40代男性は驚き周りを見渡した。

(地泉)「…此処で蜃気楼を作るのは造作も無い…俺とお前じゃぁ、能力の差があり過ぎだな」

 地泉は蜃気楼を発生させて羅更の攻撃をかわして背後に現れた。そこに羅更はナイフで刺しに行き地泉の腹に刺さった。

(男性)「お前が陸海一族の現在の中でも《二位》の実力を持っている…お前を殺せば俺が第二位だ」

(地泉)「だから、無理だって」

 羅更がナイフを抜くと地泉の腹から流れたのは血では無く水だった。

(地泉)「陸海一族の能力は自然の力を自在に操る事が出来る…それを応用すれば体の中の液体さえも水に変える事が可能…それに治癒力も自在に出来る」

 そう言うと地泉の腹の傷が癒えて行った。

(羅更)「これならどうだ!」

 羅更は右手から炎を出して地泉に当てた。

(地泉)「甘く見るなよ!」

 地泉は自分に纏わり付いている炎に水をかけて炎の大きさを倍にすると炎を左手に凝縮した。

(地泉)「俺は他人の力を己の力を加える事で操る事が出来る」

(羅更)「俺は何をしても無駄なのか…」

 羅更はその場に崩れた。

(地泉)「…一つ訊くが俺が三歳の時のあの事件を起こしたのはお前だな?」

(羅更)「あぁ、あの日の夜、偶然にも幼かったお前を見つけた。後をつけると自由広場で能力の練習をしているお前を見ていた。その光景を見て敵わないと思った。だが、お前が帰りの時に深大寺小学校の近くの歩道橋でガソリンスタンドの方角を見ているお前を見ていて俺の頭の中で悪魔が囁いた…『こいつを殺せば陸海一族の上位に上れる』…そう聞こえると俺はお前を歩道橋から落とした…そして、お前は車に轢かれた」

 羅更は地泉の事件の事を話した。

(地泉)「…俺は死ぬ筈だった…だが、俺は悪魔によって助けられた」

 地泉はそう言うと背中からアガレスが現れた。

(地泉)「お前が言う『悪魔の囁き』は悪魔では無くお前の中にある『負の我が儘』だ!」

 地泉は羅更が言う『悪魔の囁き』は羅更自身の中にある『負の我が儘』だと言った。

(地泉)「俺はお前に判決を申し渡す! お前は能力不可そして悪巧みをすると体全身を燃やされている様な感覚を与える刑だ!」

 地泉がそう言うと羅更の首筋に痣が出来た。

(地泉)「…これでお前は寿命以外では死なない体になった。…お前は生き地獄を生きて償え!」

 地泉はそう言うとその場から去って行った。

 翌日――

 特殊制裁班本部では徳魔と天雲の二名以外がいた。

(淨櫳)「そう言えば徳魔と天雲は?」

 淨櫳は徳魔と天雲について訊いた。

(心究)「あの二人ならあそこだよ」

 心究はそう言いながら《秘密の部屋》を指差した。

(獅血)「一つ訊くけどあそこって一体何なの?」

 獅血が《秘密の部屋》について心究に訊いた。

(心究)「…言うのが恐ろしい程の場所だが一つ言えるのは悪魔となった天雲が徳魔にお仕置きをしている最中としか言えない」

 心究は体を小刻みに震えながらその場にいる全員に教えた。その時、《秘密の部屋》から徳魔の悲鳴が聞こえた。

(徳魔)「ギャァァァァァ…」

 悲鳴が聞こえなくなると中から何時も通りに徳魔と徳魔の腕に抱きつきながら天雲が出て来た。…徳魔の服はボロボロだった。

(天雲)「来週はまた買い物だからね♡」

 天雲は不吉な笑みをしながら徳魔に言った。

(徳魔)「はい」

 徳魔は断れなかった。

 その時、心究の携帯電話が鳴った。

(心究)「もしもし…それは本当ですか!? …分かりました。直ぐに行きます!」

 心究は電話を切った。

(心究)「地泉! 今さっき彼女達が目を覚ましたって報告が――」

(地泉)「!」

 地泉は心究の報告を聞くとそそくさと辰岐摩病院に向った。他のメンバーも地泉の後を追う様な形で辰岐摩病院に向った。

 数分後、特殊制裁班のメンバーは辰岐摩病院に着いた。地泉はICUに向った。他のメンバーもICUに向おうとすると徳魔が止めた。

(淨櫳)「如何して止める?」

 淨櫳が徳魔に止めた理由を訊いた。

(徳魔)「野暮だねぇ…此処からは俺(腕に抱きついている天雲)と心究の3人が先にICUに向う…恐らくだが地泉の彼女が「地泉と話したくない!」と言う可能性は高い…その時に地泉が落ち込んで戻る可能性がある。その時にお前らが地泉を慰めてやれ!」

 徳魔はそう言うと心究と腕に抱きついている天雲の3人でICUに向った。

 ICUに着いた地泉は扉を開けた。

(地泉)「角花!」

(角花)「お兄ちゃん…私は…」

(地泉)「君は強盗に襲われて生死の境を彷徨っていた」

(角花)「そう何だ…」

 角花が地泉の説明に納得した。そして、角花は右隣を見ると角花の母親が眠っていた。

(角花)「お母さん…」

 地泉は角花の目線を気付いて角花の母親の方を向いた。

(地泉)「角花のお母さんも角花が目を覚ます前に一度目を覚まして数分前に眠りについた」

(角花)「そう…それよりお父さんは?」

(地泉)「角花のお父さんは亡くなった」

(角花)「そんな…如何して?」

(地泉)「それは…」

 事件当日――

 地泉は家の中に入ると血塗れの角花と角花の両親が倒れていた。

(地泉)「大丈夫ですか!?」

 地泉は角花の両親に駆け寄った。

(角花の父親)「うっ…地泉君か」

 角花の父親は朦朧としていたが意識はあった。

(地泉)「角花のお父さん…今、助け…」

(角花の父親)「いや…待って…くれ…俺よりも…二人を…助けて…やってくれ…」

 地泉が角花の父親を助けようとすると角花の父親は自分の事よりも角花と角花の母親を助け欲しいと地泉に言った。

(地泉)「然し! このままでは…貴方が死んでしまいます!」

(角花の父親)「…俺は心子【きよこ】と結婚した時に私は自分に誓った…彼女とこれから産まれてくる俺と心子との子供は必ず生かせると誓った…だから…君に頼む…俺の代わりに心子と角花の二人を必ず生かせてくれ…」

(地泉)「……分かりました…俺が必ず守ります!」

 地泉は苦渋の決断をして角花の父親の頼みを承諾した。

(角花の父親)「…頼む…」

 角花の父親は頷いた。

 地泉は救急車を呼ぶと角花の母親の近くに角花を移動(お姫様抱っこ)させると右手を角花の心臓の辺りに当て、左手を角花の母親の心臓の辺りに当てた。

(地泉)(…これで二人の生きる命を維持する事は出来るが…)

 地泉は角花の父親の方を向いていた。

 現在に戻る――

(地泉)「角花と角花の母親を助ける為に――」

(角花)「出っててよ!」

 角花は地泉に怒鳴り付けた。地泉は角花の気持ちを察してICUから出た。

(角花)「…お兄ちゃんの馬鹿」

 角花は悔しい表情でそう呟くとICUの扉が開いた。

(心究)「角花ちゃん…地泉だって君のお父さんを助けたかったに決まっているだろ…」

 ICUに入って来たのは徳魔と徳魔の腕に抱きついたままの天雲と心究の三人だった。

(角花)「貴方達は?」

 角花は徳魔達の事を訊いた。

(徳魔)「俺達は地泉と同じ組織の者さ」

 徳魔は角花に自分達が地泉の関係者だと教えた。

(徳魔)「地泉の能力は自然の力を操る事が出来るのと同時に生命の延命処置を行う事も出来る だが、それは手の平にしか力は宿っていない為に延命処置が可能な人数は最大で二人だけ…」

(角花)「だったら…如何して私とお母さんなの?…私じゃ無くてお母さんとお父さんを助ければ二人の子孫は増えるのに如何して…」

(徳魔)「それは…恐らく君のお父さんが地泉に頼んだからだろうな…」

(角花)「お父さんが…」

(徳魔)「あぁ、君のお父さんは数分間だけだが生きていた筈だ。地泉は直ぐに現場に駆け付けたからその時は君のお父さんはまだ生きてた その時に地泉と君のお父さんは何かを話した筈だ その時に何があったかは本人同士しか知らないが地泉は絶対に君のお父さんを見捨てる筈がない それこそ君のお父さんが地泉に君と君の母親を助けて欲しいと君のお父さんが言わない限り…」

(角花の母親)「彼らの言う通りよ」

 徳魔が話していると何時の間にか角花の母親が起きていて話に割って入って来た。

(角花)「お母さん!」

(角花の母親)「あの時…お父さんが地泉君に言ったのは《自分の代わり私達を守って欲しい》と頼んだのよ…それを地泉君はお父さんの気持ちを受け継いだのよ…何があっても角花と私を守る事を…」

(角花)「お兄ちゃん…」

 角花は暗い顔になっていた。そこに天雲が話しかけて来た。

(天雲)「角花ちゃんは陸海君の事は異性として大好き?」

(角花)「…うん」

(天雲)「だったら…君は陸海君の事を信じれば良いの! 私も何があってもこの人(徳魔)の事を信じてるから!」

 天雲は角花ちゃんに陸海君の事を信じれば良いと言った。

(角花)「お姉ちゃんは如何して其処のお兄ちゃん(徳魔)の腕を掴んでいるの?」

 角花ちゃんは天雲に徳魔の腕に掴んでいる事を訊いた。

(天雲)「それは…彼が私の将来の旦那だからよ♡」

 天雲は角花ちゃんに徳魔が天雲の将来の旦那だと答えた。

(角花)「旦那!?」

 それを聴いた角花ちゃんは驚いた。

(天雲)「そう、私達は《24歳》になったら結婚を決めているの…だからこうやって…」

(心究)「その話はその位にして今は…」

 心究が天雲と角花ちゃんの話が変わりそうな事を察して話を元に戻そうと割って入った。

(天雲)「取り敢えず、角花ちゃんが陸海君の事が好きならば何が起きても彼の行動を信じ抜かなきゃいけないの! 角花ちゃんが知っている昔のままだから…」

(角花)「…うん!」

 天雲の説得が角花ちゃんに通じた。

(徳魔)「さてと、俺達はこの辺でおいとましますか」

(天雲)「そうね」

 徳魔達はICUから出た。

 数時間後、地泉は病院の屋上にいた。

(角花)「お兄ちゃん」

 其処に角花が声を掛けて来た。

(地泉)「角花…済まない! 角花のお父さんを助けられなくて本当に悪い!」

 地泉は角花に角花の父親を救えなかった事に頭を下げて謝った。

(角花)「…良いよ…その代わりにお兄ちゃんが私達の面倒を看てね」

(地泉)「あぁ、約束する!」

 地泉は優しい笑顔で角花と角花の母親の面倒を看る事を約束した。

(角花)「お兄ちゃん!」

 角花は地泉に駆け寄って抱き付くと今まで堪えていた悲しみ(父親の死)と喜び(地泉に逢えた事)の二つの感情が爆発して角花は長く泣いた。そんな角花を地泉はずっと抱きしめて離さなかった。


 こうして地泉の事件は解決して地泉の新たな人生が幕を開けた。次は誰の事件が解決するのか……


 悪魔と子供~虐待と歩橋~ 第三話 完


 悪魔と子供~要求と電車~ 第一話 続く――


本当にインターネットは不慣れで時間をかけるタイプなので遅れが生じてしまいます ですが、執筆自体は既に5作品のタイトルを考えてそれぞれのサイドストーリーや過去シリーズを執筆中(脳内で)です! 面白いやつがあれば苦しくて辛いものもあります。多種多様に考えております

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