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文才無くても小説を書くスレ参加作品

やなこうど

文才なくても小説を書くスレで、お題を貰って書きました。 お題:嘘を建前に真実を混ぜる、秘密の座談会


 合コンをセッティングしろと言われたんだ。と、嘘をついたんだ。

 三人で構成された小さなサークルを二組知っていて、それが男女別に分かれていた。

 そういう状況での好奇心が発端なのか、それとも双方のサークルから寄稿を求められていた鬱憤が原因だったのか。取引先での懇親会などで幹事を務めるのが多かった件で、双方から全く別々に幹事長と同一のあだ名を頂いたせいもあったのだろうか。

 兎にも角にも、俺は双方に「寄稿してもいいけど、その代わり知り合いの勤め人から合コンのセッティングを頼まれてたんだ」と伝えた。

 双方とも予想通りに慌てふためいて、それでも予想通りに断りはしなかった。なかなかいい塩梅に物事が進むのに頬が緩むのを自覚しながら、俺は双方に勤勉な仕事っぷりや明け透けで親しみやすい人柄などを嘘を交えずに伝えた。

 ただ、殆ど持ち出しのあんな金のかかる趣味なんて社会人じゃないとなかなか軌道に乗らないだろうとも思っていたけれど、その思いは伝えることはなく、俺は二組の人間の慌てふためく様をただ見ていた。

 仕事上の立場を双方に伝えて日時は互いの休暇をすり合わせ、あたふたしていた部分は省いてその心待ちにした様を逐一伝えた。

 会場をセッティングして、会費は男性側に、女性には先に着いていてもらって、今俺は男どもを引率している。

 そのうちの一人、芝克岳から「お、おい、なんの話をすればいいかな?」なんて聞かれたので、俺は「普段通りでいいだろ、左近」とあしらった。

「いや、左近はまずいだろ。オタバレするじゃん! あっちではそう呼ぶなよ?」

「といっても、お前ら公の立場でのお互いの呼び方なんて調整してたっけ?」

「……あ」

「それに島勝猛はメジャーの部類だろ。あだ名としては普通普通」

 (しば)克岳(かつたけ)得川(とくがわ)(やすし)石田(いしだ)(みつる)の三人が揃っているんだから、東西関ヶ原でーすとでもサークル名をネタにすればいいものの、オタ容疑に怯えるこいつらでは到底無理か。

 まあ、同じネタでも扱う人間によっては滑るものだし、それを上手く回避しようと思ったら少々硬くならざるを得ないというのは分かるし、上手くいってもらいたいとは思っているからその意見は尊重するが。

 それでも地の性格が悪いわけでも無いし、面白くないからやらなかっただけで、お互いにオタ趣味を理解していながらの合コンと言われたなら上手くいくだろう事も予想ついていたので、オタバレして慌てふためく所になったらばらすけど。


「どうするよ内府!」

「そういうお前も内府って呼ぶなよ……」

「内府は刃物って事でさ。それより、三成はやめてよね。明らかに違う名前だし」

「いや、あだ名なんだから別の名前でもいいだろ。それより左近が痛い。気をつけてくれよ」

「気をつけろったって、克岳って聞いて山岳に克つだなんてまず連想しないから……無意味では?」

「しばしば芝を島にしてしまったりなんかしちゃったりなんかしちゃってみたりして」

「やめろよ!」

「いや、けれど重要な所のような……。語呂合わせしやすいというのは言い間違えしやすいということでは……」

「そうなんだよね。どうせ左近はばれると思うから、僕らの件だけを考えようよ。時間もないし」

「見捨てんなよ! なんかひねり出してくれよ。こう、新しい呼びやすいあだ名とか」

「そんなのあったら、既にそれで呼んでるような……」

「無理だよね。徒歩であと十分も無いんでしょ?」

 そこで急に俺に振られたので「ああ、正確はあと五分くらいだよ」と答えた。

 目に見えるほど緊張が増したようなので

「サークル内での打ち合わせも、仕事の打ち合わせも似たようなもんでしょ。上司や部下の無茶振りやアフォが無くて、本人に情熱があればだけど」

「無茶振りやアフォがない仕事なんて無いっての!」

「なら、少なくともコレからのことは仕事より楽ってことじゃん」

「あー……。そういう解釈もできる……かな?」

「まあ、僕もそれには同意なんだけどね。でも、頭で分かっていてもってこともあると思うんだよね」

 三者三様の反応を確認しつつ、俺は最終目的の達成の為に僅かなりとも気晴らしの言葉を紡ぐ。

「俺はこの合コンが成功したらいいとは思っているけど、別にそれは義務でもなんでもないんだから、気楽にね」

「ま、失敗しても明日は来るな」

「少なくとも、今まで通り……以下にはならない」

「気楽にするつもりはあるんだけどね」

 そう、成功させる義務があるのは彼らではない。この道を進んだ先の店にいる彼女たちでもない。

 二つのサークルの舞台裏、お座敷で行われた赤裸々な人間模様。それを収めるボイスレコーダーの準備もできている。

 そう……これは秘密の座談会。

 それを成功に導いて、俺はこの作品を双方のサークルに寄稿するのだ。



 久々の投下作品。

 うん、さっそく掌編に頼っちゃ駄目だよね?

 でもね、無理なの。

 他にどうしようもないっていうか、話を膨らませようと思ったらお題じゃない部分が膨れるというか、オチのインパクトの為にと言うならもう……お題を忘れる勢いで長編書いて心理描写を深めて笑いを散りばめろといわれているような。

 もうこれで勘弁してつかぁさい……。


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339 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/04/04(金) 17:27:36.98 ID:3rkiK2qo0

久々にお題を頂きたいです

340 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/04/04(金) 17:35:52.57 ID:DyN42Aq8o

>>339

嘘を建前に真実を混ぜる、秘密の座談会

341 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage]:2014/04/04(金) 17:59:41.60 ID:3rkiK2qo0

お、お題を把握……できたのか自信はないが、頑張ってみます



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