(二百文字小説)サンドリヨンの姉達
「あの子ったら、ちっとも空気読まないんだもの!」
姉が喚き、妹が頷く。
「仰る通りよ、お姉様」
彼女達は毒林檎や呪いの糸巻きを床に落し、得体の知れない不気味な染みを気にも留めずテーブルへ突っ伏して泣いた。
「酷いわ。舞踏会が最後のチャンスだったのに」
「シンデレラが若くて美人なのは皆知ってるもの。放って置いても結婚できたわ!」
「助けが必要なのは私達の方よ」
大鍋を掻き混ぜる手が止まる。
「……何か、すいません」
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運営さんが二次作品について一括削除した時に一緒に削除されてた様子。
再度上げてみます。
初出:2010年3月ごろ。
ご一読ありがとうございました。