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Hope World 〜願いが叶う世界〜  作者:
自覚~仲間探し編~
2/13

不思議な少年と起こってしまった最悪な出来事

 光はゆっくりと地上へ落下していった。


 ある場所の木の上で急に光は消えそれと同時に、

「キャーーーーーー!!!!」

 という悲鳴が鳴り響いた。


 ―――


 木の下に落下した綾乃は、

「イテテテテテ……」

 と尻餅をついていた。


 そこに、

「大丈夫ですか?」

 と尋ねる目が透き通った少年がいた。


 先ほどの呪文のような言葉を呟いていた少年である。(1話参照)


「大丈夫です。

 ……ところで、あなたは?」


「名を名乗るほどのことは何もしてませんよ。

 あぁ、あと、これ、落としませんでしたか?」


 と言い、彼のズボンのポケットから綾乃の黒い眼帯が出てきた。


「あっ、それ、あたしのです。

 ありがとうございます」


 と言い、受け取り、早速左目につけ始めた。


「あの……、改めてお名前をお聞きしたいのですが……」


「あぁ、いずれまた会うと思うので、名前はその時に言います。

 ……では、失礼します」


 と言い、彼は立ち去った。


 ―――


 綾乃は家に帰り、テレパシーのようなもので、優菜に話し掛けた。


[優菜、大丈夫?]


[…………]


 優菜からの返事は無かった。


 ―――


 上空。


 綾乃がテレパシーのようなもので話し掛けた数分後。


 ベッドの上で寝かされていた優菜の手が、ピクリッッと動いた。


「……ん……?」


 彼女は起き上がって、周りを見渡す。


「あたしは一体……」


 ―――


 次の日。


 綾乃はいつも通りに学校へ向かうと、後ろから大きな足音が鳴り響くのを聞き、少々寒気を感じた。


「おはよー!!!!」


 とハイテンションで綾乃に挨拶をした少女――水澤(みずさわ)清美(きよみ)――は、綾乃が通っている学校で唯一の友達である。


「ねぇねぇ、昨日、遊ぶ約束したのに、何で来なかったの?」


 昨日誘拐されたなんて、言える訳がない。


「いっ……いろいろあったんだよ!」


「いろいろって、例えば?」


「例えば……、そっ……、そう!

 急用だよ! 急用!」


「あっそう。まぁ、いいや。それよりさぁ、これ、見てよ!!

 昨日、公園で見つけたんだけど、みんなに見せたら、なんか見えてないみたいなんだけど、綾乃は?

 これ、見える?」


 と言い、ポケットから何かを取り出した。


「見えるよ、水色の雫の形をしたイヤリングが、はっきりと」


「えっ、マジで!?

 ……ねぇねぇ、これつけてもいいかな?」


「いいんじゃない?

 今のところ、あたししか見えないみたいだし、先生に見つかっても困るのは清美なんだから」


「何それ?

 ……まぁ、いいや。

 つけたいからつける!!」


 と言い、すでに彼女が開けたであろう耳の穴にイヤリングをつけた。


 そして、2人は校門を抜けた。


 ―――


 朝のHR(ホームルーム)


 担任の先生が教室に入り、


「えっと、急なんですが、転校生を紹介します。

 入っていいよー」


 と先生が言うと、ドアが開いて、転校生が入って来た。


 その瞬間、女子たちのハートが突きぬかれ、

「キャーーーーーー!!!!」

 という奇声を出す女子たちが続出した。


 しかし、綾乃はそうは思わなかった。


 それに、彼女には見覚えがあった。


 昨日、木の下で会った少年だったからだ。


北原(きたはら)龍也(たつや)です。

 よろしくお願いします」


 ―――


 上空。


 起き上がった少女は、こう呟いた。


「あたしは一体……誰……?」


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