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第六話 お父さん?なにそれおいしいの?

今回は多重サイドです。

―――ソフィアside


「いや、まいったなぁ・・・」

いま私はとてつもなく困っていた。困りすぎて気が付いたら山の

ドラゴンを3体程狩っていた程だ。

武器?もちろん大剣だけど?

モンスターハンガーSランクの腕を舐めんなよ!

そういえばこの"ソフィア"さんの体、憑依当初はあまり気にしなかった

けど女性にしては力がなかなかある。

その割にはムキムキマッチョマン・・じゃなくてマッチョウーマン

というわけでもないし・・。


・・憑依者特典というやつか?


・・・・は、ともかくとして今困っていることは昨日の教会からの帰りで

アリシアが聞いてきた質問

「私のお父さんは何処にいるの?」―――――だ。


いや、いつかは聞かれるだろうとは思ってはいたがまさか5歳で

聞かれるなんて・・。

よくテレビとかで子供が『ねぇ?赤ちゃんはどうやって出来るの?』

と親に質問してもの凄く気まずくなるあれの様なものなのだろうか・・?

だからこそのコウノトリ設定があるんだけど。


また話が逸れた。


まさか本当のこと、『あなたのお父さんは私を孕ませるだけ孕まして

自分は他の貴族の女見つけていらなくなった私をあなた達ごと抹殺

しようとしたのよ☆』

「なんて言えるかぁーーーーーー!!!」


明らかに直訳すると"父親から捨てられた"になる。

こんなこといわれたら普通の5歳児なら人格崩壊起こすぞ!

くっそぅ・・。それもこれも全部ヤリ○ンのせいだ!

もしも奴に会うような事があればケツに太くて硬いビックマグナム

(注:銃の弾丸)ぶち込んでやる!


そんな訳で教会からの帰路の時はなんとか誤魔化したが家に着いて

お茶を飲んでいたら今度はリオンから

「母さん、父さんに何があったの?」

と真剣な表情で聞かれた。


もうこれは答えない訳にはいかない・・。

だが本当のことを話すわけにもいかない・・。

さて、そうなると―――――――



―――リオンside


母さんの様子がおかしい。

いや、確かにいつも変な言動とかおかしいのは変わってないんだけど

今日はやたら挙動不審だ。


原因は・・やっぱり昨日アリシアが母さんに聞いていた

『父さんって何処にいるの?』だろう。

ずっと前から僕も父親がいないことに疑問が少しはあったけど

それが普通なんだと思ってた。

でも今日アリシアに詰め寄ってた太っちょの言葉からむしろ父母揃って

いるのが世間では当たり前という感じだった。


今まで母さんは一度も父さんの話をしていなかったがこの様子を見ると

何かあったのは間違いない。

もしかして、死んでしまったのだろうか・・・?

あの時は結局

「・・・さ、さぁお家まで競争よ~!」とか言ってはぐらかされた。


だから夕食後の一息ついた時間帯を見計らってそれとなく

「母さん、父さんに何があったの?」

と聞いたら母さんが石のように固まった。


それをアリシアも真剣な表情でただ母さんを見つめる。





そして母さんはゆっくりと口を開いた。

「あ、貴方達のお父さんは・・・死んだわ。うん。何か死んだ。」


・・・前ふりがやたら真面目だったけど返答が明らかに適当だった。

何か死んだってなんだよ・・。


「なんで死んでしまったの?戦争に出て死んだの?それとも病気で・・・?」

だから母さんが誤魔化せないようにこちらから鎌をかけて聞いてみる。


「・・・そ、それは・・・・」


「「それは・・・?」」



「せ、戦死・・よ。引いた札の合計が21になるようにする戦いを

17回やって勝ち続けて・・・最後の一回で・・・負けて東京湾に

コンクリ詰めにされて死んだ・・わ・・」


母さんは苦虫を噛み潰した様な表情で一言一言呟いた。


とりあえず何で札を引いて21に揃えるのが闘いなのかとか

"トウキョウワン"と"コンクリヅメ"が何なのか色々言いたいことが

あるけど

「ねぇ母さん。それって戦死って言うの?」


「戦死よ!リオンはあの空気を知らないからそんな事が言えるのよ!

煙草の煙が充満した地下室であのカードを引くまでの緊張感と相手の

手札を予想する時の背筋が凍る感覚っ・・!圧倒的感覚っ・・・!

くっそ~なんで袖に仕込んだカードでイカサマしたのに負けたのよ!?

いつの間にかカードが12から3に変わってるし・・・ぶつぶつ」


どうやら戦死らしい・・。というかさっきの母さんの言い方だとどうも

母さん自身がその札引きの闘いをやったように思えるのだけど・・・・。


「ねぇお母さん、"トウキョウワン"と"コンクリヅメ"って何~?」

「・・・・。貴方達にはかなり早いことだから忘れなさい・・。」


アリシアの質問に母さんはしまった、という様な顔をしているような

気がしたが気のせいだろうか・・・?



―――ソフィアside


俺の馬鹿ぁーーーー!!

なんで年端もいかない子供にギャンブルの話しなんかしたぁーーーー!?

子供に東京湾とかコンクリ詰めなんか話したら悪影響出るだろぉーーー!?



・・・まぁ"父親に捨てられた"よりはマシなはずだ。

少なくともギャンブルで負けて死んだというほうが・・・あれ?

何か子供を捨てた父親より子供と妻を残してギャンブルで死んだって方が

最低人間のような気がするけど気のせいだろうか?


ともかく子供達も戦死と納得したみたいだしいいか。

それにこれもあながち嘘じゃない。リオンとアリシアの母であり、

中身父でもある自分の前世の死んだ理由なんだし、あの教会のシスターが

やってた透視の超能力をやられてもこれなら大丈夫だろう。



ちなみにギャンブル死した"俺"だけど別に前世でギャンブル中毒だったわけ

じゃない。俺の父親がいい具合に壊れた"マッドサイエンティスト"でいつの

間にか研究費だけで数千万の借金をマフィアにしていたらしく、

失踪した親父の代わりに親元を離れ一人引き篭もりフリーターとして

暮らしていた俺に白羽の矢が立ち命を1億円の保険金にして負ければ死ぬという

狂気のギャンブルに引きずり込まれた。

最初はただひたすら鬱で顔を青くして震えたが次第に冷静に判断して

持ち前の手先の器用さでばれない様にイカサマをしてなんとか17勝負中16回は

勝利を収めたが、何故か17回目の時仕込んでいた12のカードが3に変わって

しまい見事負けて東京湾に沈められた・・。

というかよくマフィアの前で堂々とイカサマ出来たな自分・・。



ともかくこれでなんとか父親の話からは脱却できたみたいだし一件落着だ。




――――アリシアside



今日お部屋の掃除をしていたら本棚の置くからとてもボロボロの

本が出てきた。

「お兄ちゃん、これって何のご本かなぁ?」

「・・?こんな本見たことないけど・・?

この本淵のところに変なシミが出来てるなぁ・・中身は・・どれどれ」







「な・・・なんだよ・・・これ・・・?」

「そんなっ・・そんなっ・・・・・お、お父さんが・・・・っ」

次回は話題のあの人サイドです。

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