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第三十話  最後の忠義

ジルド視点が中心  残酷表現注意!

ジルド side


サーベルを手に屋敷を出ると心地よい冷たさの風が吹き、自らが手入れをした草花や木々が外界で起こっているであろう惨状も知らず、まるでこれからいつもの一日が始まるとでも言うようにゆったりと揺れている。最初ここで庭をいじっていたころは下手くそでよく執事長に怒鳴られていたものだったか。それでも何とか庭の手入れについて勉学し一人前に庭の手入れを出来るようになった頃、自分はあの方

と出会った。


『ねぇジルド、私ね…ジルドが作ってくれたこのお庭が大好きよ。だから…だからね?この庭園を守って欲しいの』

霞んだ記憶の中でも未だ鮮明に残る主からの命令の言葉。あの方はこの庭を…自分が作り上げたこの庭園を儚く、だけど月の光りの様に優しい笑顔で大好きと言ってくれた。



『……お…ねが…い……ジルド…わたし…の……あかちゃん……ソフィア…を……』

まるで刻み付けるように覚えている主の最後。煉獄の炎に包まれる中、既に事切れる寸前でも必死で最後の力を振り絞り私に希望を託して死んでしまったあの方。だが私はこの命令は果たすことが出来なくなった。でも辺境のこの地でソフィア様がどこかの貴族の下でも無事暮らしていると知るだけで胸が暖かくなる思いで日々風の噂で聞くソフィア様の情報が楽しみだった。しかし……ソフィア様の死が伝えられた時には絶望の底に叩き落されて一時期自害をしようかと思ったほど絶望し何日も虚空の日々を過ごし……でも、ソフィア様は生きていた。しかも未来への希望を―――リオン様、アリシア様という次代のリーシェライトを御生みになって。



「ああ……もう十分だ。セシリア様、ソフィア様を守るのは申しわけありませんがこれで最後になります……。そしてもう一つの命令を…この屋敷の…気に入ってくださった庭の守護をこのジルド、果たしてみせましょう」

城門の外から木々の焼けるような臭いと不気味な破砕音が鳴り響き最初は微小だった地響きが次第に強くなってゆく。城壁の通用門から外へ出て城門の前に静かに立ち尽くしサーベルに手をかけ微動だにしない。


城門の前の空間からはまるで森を映した鏡をハンマーで叩きつけるように罅を生やしながら空間が歪み、何千年と守られてきたフォレストの森の結界を破壊する。それにしても過去何度も攻め込まれその度にこの離宮を守ってきた結界がこうも容易く破壊されるとは、やはり正式な主が無くなったからであろうか?それとも魔物の軍勢は新たな力を手に入れてしまったのだろうか?……そんなことはどうでもいい。今私がやるべきことは全力を持って目の前に現れる敵を打ち倒すことのみ。それこそが…



「きたか……」

まるでガラスの破片のように空間が完全に崩れ落ち、前方から無数の魔物が姿を現す。





白の国  side


「で、あれから二月程経つが討伐隊の派遣の方の成果はどうなっておる?」

円卓に置かれた羊皮紙には既にその問いの回答が記してあり今更聞くことなどないのだがまるで何かを隠してあるのだろう?というように問いかける。その問いに大元帥は顎に手を当てながら思わせぶりに答えた。

「成果のほうはまだ上がっておりませぬ。しかもどうやらエンディミオンの方も感ずいた様で我々を妨害するために動いているようです」

王はベラストニア戦争でソフィアの生存についてエンディミオンに知られたのは拙かったと思い返す。ソフィアが潜伏していたであろう山小屋に自軍の勢力が及んでいたのは良かったのだが、ソフィア・リーシェライトと思われる銀髪の女の情報が伝えられた頃には既にヒーズタウン及び山小屋はエンディミオン率いる銀の国に奪還されてしまい白の国は元の戦線まで勢力範囲を押し縮められてしまった。この戦争で5万もの奴隷を手に入れられたのは大きかったが王としてはやはりエンディミオンに感ずかれずソフィアの情報を自らだけが占有したかったと思う。


「そういえば陛下はリーシェライトの離宮をご存知でしょうか?風の国中央に位置するポペルの森の北西の無所属国地帯に存在すると云われている古代王国の隠された離宮だそうなのですが…」

リーシェライトの離宮については僅かながら聞いたことがある。古代王国の皇帝が自らの王子や王女を匿うために築き上げたといわれる森の強固な結界に囲まれた城でかの城はその結界の強固さ故に場所を見つけることすら誰にも出来ないとされ、建設から数千年経た今もなお敵からの一切の傷も負わずに存在しているらしい。まさかそこに奴が…


「……発見したのか?リーシェライトの離宮を。そして奴はそこにいる、と」




「くくくくく……発見したのは僕ですよ。陛下」

不気味な笑い声を上げながら暗闇から姿を現したのは複雑な図形の描かれた羊皮紙を持ち眼鏡をかけた一人の男。男はそのまま王のいる円卓までやってくるがその行く手を大元帥が阻む。しかし王は片手を上げて大元帥に下げるよう命じると男は王の正面の円卓へと座った。

「確かにリーシェライトの結界というものはとても強力な魔力で作られていたようですな。現に場所は分かってもそこに派遣した兵士達が結界と思われる場所に辿り着くのに3週間も要しましたよ。しかし……私にはこれがある」

男が銀色に光る4本足の内部に線が張り巡らされたナニカを取り出し円卓に置く。

「私の世界にある調査機という遠方の情報を捕捉できるものです。いくら対人効果において絶大な効果を発揮する魔法でもこいつの目は誤魔化せない」


「ほぅ…魔法を一切受け付けない密偵とはこの先も使えそうだな。それにしてもそなたの所持しているものは本当に面白いものが多いな、バサゲラス・ガリスガーン」


まだ自らが力を強固なものにするため裏で動いていた頃、この男と王は出会った。男はこの地方では見かけない服装や道具を所持していて試しに捕らえて身ぐるみ全てを奪い投獄したのだが回収した道具は従者の誰にも、もちろん王にも使い方が分からず結局男に使い方を聞くことにしたのだが男は王を見るなり"素質がある"と言い自分が別の世界からとある実験でやってきたことや道具の使い方どころかたまたま王座を手に入れるために調べていた黒魔術や魔王に関する書物の内容を聞いただけで今まで誰も情報が少なく使用することが出来なかったそれをあっさりと使いこなしそして前王に特殊な呪いをかけることで、ついに王は玉座を手に入れることに成功した。それからはこの白の国にて配下として黒魔術の研究や兵器開発を勤めている。


「まぁ代償はありましたがね。映像が途中で唐突に切れていることから誰かに感ずかれて壊されたようで修理はほぼ不可能。ですが最後の映像の数時間前に子供を連れた銀髪の女を補足しまして位置の関係から対象がリーシェライトの離宮に向かった可能性は大きいです」

子供を連れた?まさか奴は次代のリーシェライトを産んだのか?逃亡中に作った男との子供だろうか。てっきり生きてなおエンディミオンを一途に思っていると予想したがまさか別の男との子を作ったとはな。とんだ尻軽だったわけか、これは捕獲した後のエンディミオンの顔が見物だわ。


「そうか。ではリーシェライトの離宮と思われる場所に兵団を派遣せよ」

「くくくく…陛下ぁ……命令には及びませんよ。既に例の実験成果を派遣済みです。それにしてもその銀髪の小娘が持っていたという銃のおかげで我が軍の兵器開発も随分進みましたよ。まさかこの世界にも火薬の材料があるとは……くくくくひゃはははははは!!」



円卓の部屋には男の不気味な笑い声がただ響き渡っていた。







ジルド side


視界を覆い尽すオークの群れの中でひたすらサーベルを振るう振るう――――

「うおおおおおおおおおおおおおお」

右から飛んでくるオークの拳を強化したサーベルで弾き飛ばし、前方のオークを両断し、左で大口を開けて喰らい付きにかかるオークを首を跳ね飛ばす。しかし先程殺したオークの死体の後方からさらにオークの群れが城壁に向かって押し寄せてくる。振り下ろされるオークの拳を跳んで避け、そのままオークの腕から腕から肩駆け抜け首筋を一閃の元に切り捨てさらにその回転力を利用して周囲にいるオークに旋風のような回転剣舞を浴びせ各個の眼を切り裂く。

「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ォォォォォォォォォーーーーーーーーー!!?」

眼を斬られたオークは大地が震えるような叫び声を上げて失った視力の中、腕を足を振り回して私を捕らえようとするがそれによる結果は周囲のオークを殴り倒し、頭を潰し合う同士討ち。これで前面のオークはしばらく動けず少し間が出来ると思ったのもつかの間、後方からさらに上回るオークの群れが視力を失い暴れまわるオークを押しつぶすように現れる。


「……っち」

正直この数をいちいち手ずから斬っていたのではきりがない。そう素早く判断し錬魔術で強化した足で高さ40mの城壁の上にまで跳躍、着地と同時にサーベルに体内の魔力を補填し増幅させて刃の部分に魔力を凝縮―――――そしてオークの群れを見据え


「錬魔術―――――シャイニング・ハーケン!!」

サーベルの一閃と共に光りの刃が放たれオークの群れを飲み込んでゆく。光りが城壁下で充満する中、オークの不細工な鳴き声と共に赤色の血がまるで噴水のようにいたる所から噴出し、やがて光りが治まる頃には腹から上が無いオークが大量に立っていた。


結界の外からオークの軍団がやってきてこれで5千は殺しただろうか?当初結界の効果でオークは外から数体ずつしかやってこれなかったが結界が完全に破壊された今となってはまるで洪水のように北から東から南から西から何千…いや、何万というオークの軍団がこの城を目指して進軍している。オークたちは城壁まで来るとその屈強な腕で足で壁を壊そうと殴りつけるがその度に斬りに出向き、かなり多い数が密集した時は錬魔術で一掃するのだがそろそろ魔力の枯渇が見えてきて無駄撃ち出来なくなってきた。


「これじゃぁまるで篭城戦だな……」

屋敷に未だ残っているリオネッラ含む全員には内部城壁を守るように伝えてあるからまさしくたった一人で何万という兵を相手に篭城戦をしているようなものだ。それにしても気になるのがあのオーク達だが大きさが文献や実際に見るオークに比べて若干…いや、半分ほどの大きさしかないことが気になる。あのオーク種は比較的穏かな野生種とは違い明らかな魔物種でありその体長は20mにも及ぶのだが何故かこのオークたちは半分の10m程しかない。しかも通常オークの血色は緑であるはずが人間と同じ赤色の血液をしている。それにいくら魔物召還をしたとしてもこれだけの数の召還が出来てしまえること自体がおかしい。

そしてまさかこれだけの兵を派遣するとは相当調査をしてこの場所を嗅ぎ付け、この戦いで確実にソフィア様を捕獲するつもりなのだろうが……それならば残念ながら手遅れだ。そうなると最終的な勝利条件はすでにこちらの勝ちで決定だ。だが、もしこの戦いで敵に大打撃を与えれればソフィア様への更なる追求を妨害することが出来る。

「それにまだこの城には私の育て上げた可愛い部下たちがいるのでな…」

リオネッラはセシリア様が拾ってきた子だが他のメイドは大戦で親や帰る場所を失った子や奴隷として売られた子を引き取り何年も養育して今では一流の従者となった。終生子のいなかった私だが今では彼女たちが私の子供のようなものだ。本音をいうと彼女達には最後の勤めも終わったここから逃げ出して他の貴族の所や普通の平民として幸せに暮らして欲しかった。だが、彼女たちは残ると、最後まで

リーシェライトに仕えると言ってしまった。


なら、せめて私に出来ることはこの目の前の敵を全て駆逐し彼女達に有終の美を送り無事外界へ帰すことのみ。



覚悟を新たにサーベルに強化魔法を施し再びオークの群れに踊り込もうとした瞬間、城はオークの鳴き声ではない不気味な轟音に包まれた。


「な、なんだ…?いったいさっきの音は……はっ!」

轟音の正体を探り周囲を見渡すと、そこには城壁の一部が激しく土煙を上げながら無惨に崩れ落ちる光景が広がっていた。


「なっ!?そんな馬鹿な!?厚さ5mの石の壁だぞ!火炎の魔法でさえも耐えしのぐ構造なのにこうもあっさり…!何だ、いったい何なんださっきの轟音は!」

先程の轟音が城壁破壊というこの信じられない事象の原因だとするなら一体何が城壁を破壊したというのだ?オークの攻撃?魔物の新型魔法?新たな魔物の出現?一体――――


視線を破壊された西側の城壁からそのまま真っ直ぐの方向へと動かす。微かに何かが見える。人の体より一回り大きい黒光りしている…筒?まるでソフィア様が持っていた"銃"のような形をした筒のようなものが煙を上げて置いてある。いや、それだけではない。その筒を何やらいじっているのは…あの旗の紋章は……っ!白の国か!

遠方の白の国兵を視認し咄嗟に周囲に―――周囲の遠方に視線を向けるとそこには城壁に群がるオーク達をさらに囲むように白の国の師団が待機している。やはりこの作戦は魔王と手を組んでいるか…黒魔術を我が物とした白の国が絡んでいたか。


そして先程の筒、ソフィア様が"銃"で指くらいの"弾丸"を放って岩に穴を開けたことからあれもおそらくそれと同等…いや、大きさと先程の城壁破壊の威力からそれ以上の性能を持っているはず。そして破壊された城壁から離宮の敷地へ大量のオークが侵入しようと進軍している。それと同時に白の国の兵たちもオークに続く形で続々と入城の準備を進めている。


―――――まずい!

もし次の城門でもあの筒を使用されたら完全に離宮は陥落してしまう。もしそうなってしまえばリオネッラ達が…


この後起きるであろう惨劇が頭に過ぎると同時に体は西の城壁に向けて駆け出していた。足に強化をかけて獣のように城壁を駆け抜け、サーベルに新たに魔力を補填し破壊された城壁前まで辿り着くとまさに今城門を抜けようとするオークたちを見据えて凝縮した魔力を開放する。


「錬魔術――――スパイラル・スポイラー!!」

魔力を螺旋の衝撃波に変換し強い旋風を巻き起こしそれを放出、城壁の破片と共に旋風はオークを、さらには外で待機していた白の国兵を飲み込み巻き込んだオーク同士や瓦礫の破片、倒木によってオークや兵士を押しつぶし吹き飛ばして一掃してゆく。


しかしオークの城外の大量のオークが第二波として崩れた城壁へと押し寄せてくる。まさに洪水。掻き出しても掻き出しても流れ込んでくる水の如く城壁の破壊された箇所から無数のオークが押し寄せる。それを光りの刃で前面を一掃し、押し返すようにサーベル連撃を叩き込み押し返すように前面のオークを5等分に切り裂き、前がいなくなったことで押し出されたオークをシャイニング・ハーケンで瞬時に首を跳ね飛ばし、また押し出されるオークを今度はまとめて光りの刃で一閃。城壁の空いた箇所から一直線上に全てのオークを切り捨てる。


そしてオークの肉片を踏みつけながら城外へ躍り出て再び光りの刃による掃討。何度もサーベルに魔力を補填し何度も光りの刃によって目に映る一面のオークを切り裂く。しかしオークは数十秒後には左右から欠けた箇所を埋めるように押し寄せ、再び魔力で一閃の元に葬る。

だが、再び押し寄せるオーク達。上から拳を振るってきたオークの攻撃を後方へ避けるも攻撃の余波で吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。


「がはっ……!」

背中のダメージを錬魔術でカバーしていると急に背筋に冷たい感覚がし咄嗟に右へ避けると先程いた場所が爆発し体が空に投げ出された。そして爆発して跳んできた瓦礫の破片が足に、背中に、肩に刺さる。体中に走る気味の悪い痛みを無視してなんとか姿勢を整え光りの刃で一閃を放ち、先程の爆発の原因であろう遠方の筒を兵士ごと両断。そのまま着地場所にいるオークにサーベルの刃を立てて頭蓋を真っ二つに割り砕く。

そして再び集まるオークたちを一閃の元に切り捨てる…







何度それを繰り返しただろうか?気がついたときには最初に比べてオークの数が随分減ったと思う。緑豊かな深い森であった城壁の外はいつしか血の臭いが充満する赤い海とオークや白の国兵の肉片が飛び散る地獄のような場所へと様変わりしている。だが、そんなことは意にも介さないように次々と進軍を続けるオークたち。再び光りの刃で一閃しようとするが既に魔力は限界を超えてサーベルに強化を施す

のがやっと。よくみれば肩や背中に矢が刺さって血が流れ落ちている。通りで先程から目が霞み体が冷たくなるわけだ。


「はぁ…はぁ…はぁ…まったく……アレだけ倒したのに…まだ一面埋め尽くすほどいるとは……その根性だけは…褒めてやるぞ…闇の魔物共よ…」

既にサーベルを握る指先の感覚がなくなっている。足も霞んだ視界のなかで地面との距離がまだあるから立ってはいるのだろうがその足も膝から下が何も感覚が無い。しかも霞んでよく見えないが右足の脹脛が不自然に凹んで…いや、肉が削げ落ちている。おそらく今立っているだけでも奇跡なのだろう。

「ふふ……くはははは…なんだこのザマは……まだあれだけの敵がいて…私が倒れてしまっては……セシリア様に何と申し上げれば……よいのだ……」


そうだ、セシリア様が気に入ってくださった…守れと命じてくださったこの屋敷を守り少しでもソフィア様に向けられる脅威を排するのが私に残された最後の使命。もしここであれだけの残存兵力の進行を許してしまえば第二の城壁も破られ城内にいるリオネッラ達は囚われ、城にソフィア様がいないと分かった奴らは多くの兵力で周囲の捜索に動いてしまう。


体は既に折れかけているが心は未だ健在。ならばまだ立ち上がれる…剣を振るえる。カクカクとしか動かなくなった首と顎で執事服の袖を噛み破って右腕に巻きつけ固く結びつける。試しにサーベルを一振り―――握りも振りも問題ない。


前を見据える。そこには再び一面を埋め尽くすオークの群れ、群れ、群れ…

あまりの数の多さに、今からこれを全て葬らなければならないことに一瞬だが心が折れそうになる。だが、今度は体が覚悟を決めたのか心が命じるより先に体がオークの群れに向かって駆け出す。


「リーシェライト離宮執事長 ジルド!参る!!」

見据えるのは敵。一体でも多くの敵を倒すためサーベルを振るう――――












「ねぇジルド、スターチスの花言葉って知ってる?」

「スターチスの花言葉ですか?申しわけありません…少し花についての知識は疎くて…」

「永遠に変わらない心、変わらない誓い、なんだって。まるでジルドみたいでしょ?だから私このお花大好き」


腹を抉られ、片腕が吹き飛ばされ、足が潰れ、地に崩れ落ちるジルドが最後に幻視したものはスターチスの花びらの舞う花畑と、生涯慕い、愛した銀髪と灰色の瞳の女性の姿だった。

こんばんは、意血病出です。名前元に戻そうかなぁ・・

それはそうと、ここ最近更新が途絶えていた理由ですがまさにこの話のせいです。この"最後の忠義"に限り5,6回も書き直しました。おかげでメモ帳フォルダーに三十話がいくつも出来るという非常にややこしい状態となっています。最初はかなり強い魔物3体をジルドにぶつける予定でしたがエンディミオン達との力関係を見るとジルドもプロトゴノスやエンディさんに迫る実力があるため、なまじ弱く書けずそれでは完全フルぼっこになってしまうためこちらに変更。先々週から書き始めて今日も朝から書いて夕食前にようやく完成した次第です…。一応一段落したので次回からはスラスラと書いていきたいです……が、一応次回は閑話を挟む予定で進みません。テンポ悪くて申しわけありません。


それとジルド亡き後のリオネッラ達メイドの運命についてですがこちらについては活動報告の方で書きたいと思います。理由は…まぁ完全に世界観が壊れるからです。それとその話で登場するとある人物についてはある程度今作品で伏線回収やソフィア達との関連性も出てきますが完全に回収されません。世界観壊れてもいい、伏線回収無くてもいいという方のみご覧下さい。一応二回くらいに分けてUPします。あと残酷表現はやっぱりあります。

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