第二十九話 スターチスの花
なかなか話が進まなくて作者的にもどかしいです。
??? side
「やはり生きておられましたか、ソフィア様」
絵画に目を奪われていると背後から執事服をまとった男の人の声がかかり、振り向くとそこには初老の執事がひとり立っていた。執事はどこか遠く悲しそうな顔で私に似た女性が描かれた絵画を見つめながらこちらへやって来る。
「ソフィア様の御体に別の霊魂が宿り本来の貴方の霊魂が無いと分かったときは胸が裂ける思いでしたが時間制御を使えることからもしや、と思いましたがやはりご存命でしたか」
それを聞いたとき私は心臓が鷲づかみにされる思いだった。前に一度"私"の意識が戻ったことはあったけどその時も私の体にアサギさんがいることも既に私の意識が一度死に掛けていることも誰にも…子供達ですら知らない真実をこの男の人は見破ってしまったのだ。
「どうやって別の霊魂を御体に宿らせたかは分かりませんが事情は凡そ把握できます。さぞ辛かったことでしょう…」
男の人は悲しそうな顔をしながら私を優しく抱きしめてくれた。普通ならエンディミオン様以外にこんなことをされるのは嫌悪感しか抱かないはずなのに不思議と執事からは優しさと暖かさを感じて拒絶することが出来ない。
「…あの、ここはもしやリーシェライトの離宮なのですか?」
リーシェライトの離宮、確か旧王国がまだあった頃に私のお母様のセシリア・リーシェライトの屋敷として使われたお城でフォレストの森に張られた幾重もの結界によって賊や闇の魔族は城を襲うどころかたどり着くことすら出来ないといわれているまさに秘宮。ということは…
「ええ、その通りです。そしてソフィア様は覚えておいでではないようですがあちらこそ貴方の母君のセシリア様です」
「これがお母様……なのですね…」
再び絵画に目を向けてお母様の顔を、髪を、瞳を見つめる。私にはお母様と過ごした記憶どころかお母様の顔すら覚えていない…いや、知らなかった。孤児院の院長の話では私を産んですぐに亡くなったそうだけど死因については一切話してくれなくて、顔すら分からなかったお母様、だからせめてその生前の姿だけでも目に焼き付けようとただお母様の絵画を見つめる。
「そういえば私のリオンとアリシアは何処にいるのですか?」
それから何故かドレスに着替えさせられた私はずっと気になっていたリオンとアリシアの所在を聞てみる。ここはリーシェライトの実家なのだから次代のリーシェライトの血を継ぐ者であるあの子達を悪いようにはしていないはずだけれどあの子達はまさしく私の全てだから気になって仕方が無い。
「お二方なら只今御食事中です…が、お二人に御会いになるのは私との修行が完了してから…」
「ちょっと待ちなさいジルド!もしやこの離宮に来てから私はあの子達に一度も会えなかったのですか!?」
詳しくは分からないけれどジルドの話し方や周囲の状況、部屋での私物の散乱具合から少なくともこの離宮に来て2週間くらいは経っているはずだ。そんな間子供が親に一度も会えないなんていくらなんでも可哀想すぎる上に子供達の教育上よくない。子供に一番必要なのは豪華な食事でも豪華な服でもお城でもない。親の愛情こそ一番必要なのだ。
「…それを貴方達は!今すぐ私を子供達のところに案内しなさい!これは命令です!!」
「し、しかしそれはソフィア様の錬魔術が完成―――――」
「黙りなさいジルド!私が…ソフィア・リーシェライトが命じているのです。この屋敷の執事なら主である私の命に従いなさい!」
正直この離宮が私に継承されているのかは分からないけどこうでも言わないと彼は絶対首を縦に振りそうにないから多少強引だけれども命令としてジルドに申し付ける。
「……分かりました。すぐに案内させて頂きます。」
どうやら聞き入れてくれたようでジルドは私を子供達のいる大広間のダイニングへ案内した。
それにしても何故ジルドが私を子供達に会わせなかったのか凡その理由が分かった。おそらく錬魔術の使えない私に錬魔術を早く習得させるために、そして私自身も焦り習得に集中するようにわざと子供達と隔離したのだと思われる。けれどもそうなると何故彼はそんなに急いで私に錬魔術の習得を迫ったのか。確かに錬魔術は強力で魔力と体力さえあれば賊や凶暴な獣なら太刀打ち出来るようになる。そもそも錬魔術は人が闇の魔物に対抗するための技術として身に付けたもの。……もしかして過去に封印されたという魔物や魔王が復活しようとしている?その魔の手から身を守るために錬魔術を習得させた?そしてここまで急いで習得させたのはその魔の手が既に近くまで迫ってきているから?
「ところでソフィア御嬢様は錬魔術を習得されておられますか?いや、別に習得をされていなければやはりリオン様アリシア様に会わせない等ということはありませんが気になったもので…」
「一応強化、付加、波状、結界までなら使えます。しかし実戦では錬魔術も属性魔法もそう大した違いはない、が感想ですけどね」
どちらも魔力を消費することに代わりはなく逃亡生活中、常に体力も魔力も枯渇寸前で魔力切れによる浮遊感と時間制御の使いすぎで可逆修正による頭痛と妊娠によるつわりと陣痛にほぼ毎日戦っていた私がいうのだから間違いない。
「なるほど…流石クラウスに育てられただけあります。そういえば御嬢様に宿っています霊魂……アサギ様…でしたか?その方が使われた魔力付加がこれまた凄まじいものでして……まさか補助や防御特化の時間制御も使い方次第で破壊をもたらすことになるとは思いませんでした。」
「時間制御で破壊…?そもそも時間制御の付加の有効な使い方は身に付けているものに付加させて有事の際にその付加した魔力を使って危機を回避、反動が大きい時間制御を自らの魔力で発動させないようにする、それがセオリーでは?」
「それが部屋に置いてあったと思いますがあの黒光りしている筒に弾丸とやらを入れて着火のからくりで鉛の玉を凄まじい勢いで放つというものなのですが、その鉛の玉"弾丸"に魔力を付加して放つと目標の岩どころか地面ごと抉り飛ばしまして…正直夢でも見ている気分になりました…」
アサギさん…いったい貴方はどんな時間制御の使い方を…。
side アリシア
私たちがこのお屋敷に来てお母さんと会えなくなってもう3週間が経った。お屋敷の生活は豪華なご飯が食べれて綺麗なドレスや服が着れてふかふかなベットや面白い本を読めるヒーズタウンの山小屋で暮らしていた頃とは考えられないほど裕福な暮らしが出来ているけどそれだけ……。
心にぽっかり空いた穴が埋まらず空虚な感じがする毎日で密かにジルドさんやリオネッラさんに隠れて泣いていた。涙がどうしても止まらない夜はお兄ちゃんの部屋に忍び込んで一緒に寝てもらったら何とか耐えられたけどやっぱり辛い。お母さんがいないと何だか世界が色の無いようなものに見えて何も綺麗に感じられなくなる。最初は綺麗と思っていた庭園も何だか色あせた傀儡にしか見えなくなって、美味しかった夕食もいつもみたいにお母さんが変な話をしてお兄ちゃんと私で突っ込みながら食べる食事に比べて味気ない食卓で……
「……ごちそうさま………」
抑揚のない声で席を立って寝室に向かおうとする。お母さんは今晩も帰ってこない。
「お待ち下さいアリシア様、殆ど食べておられないではありませんか。体によくありません、席へお戻り下さい」
私のお皿に残っている手つかずのスープやお肉を見てリオネッラさんが呼び止めるけどとても喉を通りそうにない。よく見るとお兄ちゃんのほうもお皿にはまだたくさん残っていてこれ以上食べる気はないようだ。私はリオネッラさんに一礼だけしてそそくさと大広間を後にしようとした時、柔かいスカートの布にぶつかった。
「わわっごめんなさい!……え?」
多分メイドさんだろうと思ってすぐに謝ると何故か抱きつかれて目の前には私の銀色の髪が広がって―――いや、これ私の髪の毛じゃない!じゃぁこれって……
「久しぶりね、元気にしていた?アリシア」
「「お母さん!!」」
そこには3週間ぶりに見るお母さんの姿があった。
??? side
ベットですやすやと気持ちよさそうに眠るリオンとアリシアを見つめながら思い出す。
私を見るや子供達は二人とも食事中なのに抱きついて泣きじゃくりながら私のドレスのスカートに黒いシミを残してそれからしばらくしたらメイドのリオネッラさん曰く先程の食欲も元気もないのが嘘のように私をテーブルまで連れて行って殆ど手付かずだった夕食を全て完食。
大広間で控えていた他のメイドも子供達のあまりの豹変ぶりに驚いてたじろいて面白かったわ。それから何で早く修行を終わらせて会いに来てくれなかったのかの文句から始まってお屋敷の庭園が綺麗だった、医学書が面白かった、図書館でこんな本を見つけた、リオンが王子様みたいだった、アリシアがお姫様みたいだった……等々。
そして大玄関の鐘が12回鳴る頃には二人とも座りながら可愛らしい寝息を上げながら船を漕いでいた。
「えへへへ…お母さんとアリシアのドレスお揃い……」
ベットに流れているアリシアの銀色の髪を梳くと気持ちよさそうに寝言を呟きながらアリシアが抱きついてくる。本当にこの3週間寂しかったのね…。思えばこの子達には苦労をかけている。私の身勝手な理由で父親のいない家庭に産んでしまい、母子の貧しい生活を送らせて…でも子供達の話を聞いている感じではそんなに不自由してそうになく楽しく暮らしているようだからそれもこれも本当にアサギさんのおかげね。
彼が頑張ってくれたから子供達はこんなにも大きく成長してくれている。仮初でもあの人と私の愛の絆がこうしてゆっくりと、でも確実に成長してくれるのを見るだけで私は幸せ。
―――コンコン
「ジルドです。少し錬魔術について話があります」
「どうぞ入ってください。ただ子供たちが眠っているので静かにお願いします」
言いつけの通りにジルドは扉の物音すらしないように一礼しながら入室すると扉のそばに控えるように立つ。
「まずは謝らせて頂きたい。リオン様とアリシア様に御辛い思いをさせてしまい申しわけありませんでした。処分は如何様にも受けます」
どうやら今日の晩餐で私と3週間ぶりに会った二人の顔を見て罪悪感に苛まれた様だ。でもこれは彼なりに私に錬魔術を早く習得させるためのものであったのだしその気持ちも分からなくない。
「それは私ではなくリオンとアリシアに謝ってください。……もっとも二人とも優しいから分かってくれるでしょう」
エンディミオン様に似て、ね。
「…分かりました。後日改めてリオン様、アリシア様に謝罪させて頂きます。」
「それはそうと…錬魔術について話があるのではなくて?」
本題について話すよう促すとジルドの顔が優しい老人の顔から真剣でまるで無表情のような執事の顔へ変わった。
「まず、私が御嬢様…この場合アサギ様の方になりますが錬魔術を御教授したのはその顔から既に察しておられるかもしれませんが、この世に再び魔王が復活しました」
やっぱり……前に意識が蘇った時食事中にリオンが『でもあの魔物…ゴブリン?オークだっけ?強かったよね。最近ではよく魔物討伐の依頼も冒険者ギルドに来ているから増えているのかな?』と言っていてもしかしたらとは思ったけどやっぱり魔王が復活してその影響で魔物が増殖しているのね。
「そして奴らの目的は間違いなく自らを封印したアゼル様の系譜であるリーシェライトの……御嬢様やリオン様、アリシア様の命です。そのことを知った私はすぐに御嬢様にこのことを知らせようとしましたが風の噂で御嬢様の死を聞いた時には絶望で立ち眩みすら覚えましたが3週間前、リオネッラから御嬢様のご存命をお聞きした時には涙して…」
「……とにかく魔王が復活したから私に錬魔術を習得させて身を守る手段を身に付けさせた、そういうことですね?」
「はい。そしてこれも察しておられるかもしれませんが御嬢様を発見した夜にフォレストの森の結界が魔族に反応しましてすでに奴らがここを嗅ぎつけていることが分かり急ぎ習得させた次第です。」
まさか既に私達の居場所が魔族に知れ渡っているとは…もしアサギさんがこの離宮にたどり着けなかったらと思うとぞっとする。…でもすでにここを嗅ぎつけられたとするとフォレストの森の結界も危ないのでは…
「しかし結界を破られる前に何とか魔力付加が出来るようになってよかった。あと数日修練を積めばあの恐ろしい威力の技も使いこなせるようになり、しかもあの威力なら下賎な魔族など一蹴出来ましょう。このジルド安心です」
そう言ったジルドの顔は本当に安心した優しい顔をしていた。それはまるでもうやり残したことがない死を待つ老人のような…
「もしかして……貴方…っ駄目です!死ぬと分かっていて向かっていくなど…!命令です、逃げなさ―――」
「その先は言ってはなりません。……私は誇り高いリーシェライトの執事なのです…それにこの老いぼれが最後の最後に叶わないと思っていた主と再会でき、さらにその未来を見ることが出来て…」
ジルドは眠っているリオンとアリシアの頭を優しく愛しいものに触れるように撫でる。
「最後の最後に主を守る忠義を果たせるとは……これほど幸せなことはありません」
ソフィア side
「加速・時間!!」
―――ズゴォォォォォ
赤い閃光が銃口から発射されて目標の岩どころかその周囲にクレーターを生み出し砂埃を巻き上げる弾丸。
「はい、御嬢様!威力が足りませぬ。もっと強く岩をも粉砕する力で!」
―――ズガァァァァァン
再び発射された弾丸が今度は某宇宙最強漫画のようなレーザービーム跡を残しながら飛んでゆく弾丸。
「はい、では次は弾丸を3発連続で発射して下さい!!」
「母さん、頑張れー!」「お母さんカッコイイ!」
次の日目が覚めた私は何故か一緒に眠っていたリオンとアリシアの姿に驚いてとりあえず二人で久しぶりに抱き枕にしていると急に現れた執事に子供達と共に朝食に連れて行かれて、朝食が終わったらいつもの修行場に狩り出されていた。
今日の修行はどういうわけかリオン、アリシアが見学で私はひたすら弾丸に魔力を込めて発射時に弾丸を加速させる技、昨日発動して気絶してしまった加速時間を使った弾丸加速を延々とやらされていた。そのおかげか250発目を撃った頃には今まであべこべで加速だったのが加速時間がちゃんと加速になっていて発動の際の衝撃にも随分慣れた。
まぁ慣れたというよりは衝撃の逃がし方を覚えたといった表現が正しいのだろうが…。加速時間を使った弾丸加速は衝撃も普通に銃を撃つ時に比べて2、3倍反動が大きく撃った瞬間銃身を上げるだけでは相殺が効かない。そこで編み出した…というかジルドがアドバイスをくれたのだが撃つ時まるでクラウチングスタートの様に姿勢を低くして撃った後は後方に滑るように威力を逃がす、というものでこの方法に切り替えてから少なくとも撃つたびに腕を脱臼して神聖術の回復魔法をして貰う必要はなくなった。というか何気にこの反動逃がしとその隙に行うリロードが格好良くて気に入っているのは秘密だ。
それにしても撃てども撃てども補給されるこの弾丸の量…いったいいくつ量産したのだろうか?話では以前貰った300発とは別に今日の撃った分250+500くらいあるということだが今日一日であと500発も撃たせるつもりなのだろうか?……なんだか冗談じゃないんだけど…
「はいっ御嬢様!次は10秒間に5発撃てるようにして下さい」
「リロード時間考えて無理だろ!某マジカルテロリストだって再装填に2秒かかるのにそんなことが出来るかぁ!!」
それから空が夕焼けに染まるまで広場では爆発音が鳴り響いていた。
「ではこちらが銃の弾丸です。取り出しやすいようにベルトに嵌められる様にしましたのでご活用下さい。」
「リオン様、こちらの鞄は鞄の口に入る大きさのものなら何でも入る魔道具なのでお持ち下さい。中には食料や屋敷にあった役に立ちそうなもの、気に入っておられた本を詰め込んでおきましたので」
「アリシア様にはリオン様の鞄にドレスとか装飾品を入れといたので何か舞踏会とかパーティーの時は着てくださいね。あぁ…でもアリシア様をコーディネイト出来ないのが心残り…」
昨晩、執事のジルドから修行完了のお墨付きを貰って最後の晩に一層豪華な食事を子供達と楽しみながら頂き舌鼓を打っていたら急にジルドから明日屋敷を出て行くよう言われて私も丁度そろそろ王都目指して再出発しないとまずいかな?と思い翌日この屋敷を経つことにした。そしてどういうわけか屋敷全ての使用人が私たちの見送りに出てきてくれて今に至る。
「ソフィア様、これから貴方はとてつもない苦難に何度も遭われるでしょう。…ですがどうか…どうか無事に生きてくださることをこのジルド切に願っております…」
おいおい…今までのあの修行は苦難ではなかったとでもいうのだろうかこのジジイは。あれはあれで死ぬほどきつかったんだけど…
「ジルドさん、リオネッラさん、シルヴィアさん…皆ありがとうございました!」
「お母さんに会えなかったのが寂しかったけど楽しかったです。お世話になりました」
「アリシア様、そういえばあの花、スターチスを気に入っておられましたな。これを持っていってください」
「わぁぁ…ありがとうジルドさん!」
リオンとアリシアも挨拶を済ませてさぁ出発、というところでふと見るとジルドがアリシアに何かを渡していた。…あれは花か?白い一輪の花をアリシアに渡していた。そして…何故かその花を見ていると眼から涙が零れ落ちていた。
「それにしても大きな屋敷だったわねー」
「それよりいつまでも修行で僕達に会ってくれなくってひどいじゃないか母さん!」
「でもお屋敷の人たちいい人ばかりだったよ。また来れるといいね!」
そういえば結局屋敷での宿泊費は本当に必要なかったみたいだし本当にボランティア精神的何かで私たちを泊めてくれたのだろうか?それとあの屋敷の主人に結局挨拶どころか見ることすら出来なかったがあんな豪邸の持ち主って誰だったのだろう?
ジルド side
「リオネッラ、御嬢様たちは無事フォレストの森を抜けられたか?」
使い慣れたサーベルを布でふき上げ、執事服の乱れを直しながらリオネッラの回答を待つ。
「……今、無事に抜けられました。進路も問題ありません。逆に奴らですが遂に森の結界を突破したようです」
「そうか………リオネッラ、今更だが君も、他の者も逃げても構わないのだぞ?元々先代から仕えているのは私だけだし君たちは主に忠義を誓っているわけではない。だから…」
「私も…屋敷の者も、一度は絶望の淵に追いやられていたところをセシリア様や貴方に救って頂いたのです。そんな命の恩人をどうして見捨てられましょうか?」
どうやら彼女も聞く耳を持ちそうにないらしい。流石はリーシェライトに仕えている者、ということか。だが本当は今すぐ皆逃げて欲しい。しかし彼女達が逃げることはない。ならばせめて……。
「そうか……では屋敷を頼む。私は奴らを討って出る」
さぁ、この抜け殻の老いぼれの最も望んでいたものが始まるのだ。精々死ぬ気で頑張るとしよう。
スピード優先で書いちゃってるので話の要所要所が雑になってしまってます。すみません…。
それとソフィア、新技習得です。




