第二話 ソフィア21歳ですミ☆
俺、浅木祐二が私、銀髪美少女になって早5年。
どうやら私はよく二次創作とかである憑依というものをしてしまったらしい。
憑依なんだからこの体の持ち主の意識はあるか自分の内を探ってみたが別の
意識は特に無く予測だが持ち主はあの馬車の火事で精神死してしまい俺が
憑依することとなってしまったようだ。
自分が女になっている事を認識したての頃は訳が分からずうなされ、
憑依という現実を受け入れられなくて必死で『これは夢だ・・これは夢だ・・・』
といっていたが3日もたった頃には
「あれ?26まで童貞で彼女もいなかったけどこの美少女体が思いのままって
ことは裸ガン視し放題だしある意味これで彼女持ちじゃね?」
と意識を変な方へ持っていき開き直った。
そのあとはとりあえずの現状の確認として現在の持ち物を確認したがその時この体の
持ち主の日記を発見した。
発見したはいいが俺外国語苦手なんだよなぁ・・読めるのか?と思い開けてみると
外国語とも思えない奇怪な文字がズラリと並んでいた。
おいおい英語ですらないのか?と思い解読は諦めようと思ったが、
どういうわけかその文字を読むことが出来た。
どうやら精神は"俺"でも体が文字やこの世界の言葉を覚えているようだ。
で、日記を読み進め、初めてこの体の持ち主の名前が"ソフィア・リーシェライト"
という事が分かった。
それと同時にこの少女のあまりに悲惨すぎる人生がそこには綴られていた。
まぁだいぶ端折るが10歳でとある公爵家にメイドとして強制的に雇われて、
自分を強制的に連行した公爵の息子に一目惚れして14歳でその彼に告白されて
身分の差から最初は断ってたが半年後ついに折れてめでたく恋人関係に。
そしていちゃラブセックスしてたら自身が身篭っている事を知ってそれを彼に
伝えようとしたら彼の婚約者を名乗る貴族が現れてその婚約者に彼がソフィア
に対して別れを告げる手紙を証明印的なものと共に渡して『お腹の子が邪魔』
とのことで婚約者と公爵から殺されそうになって命からがら屋敷から逃げ出し
子供を身篭ったまま1年近く逃亡生活を送っていたらしい。
・・・そして多分ソフィアが"俺"になった
時に感じた嫌な気配はその婚約者の手のもので間違いないだろう。
これを読み終えて一言。このヤリ○ン公爵息子最低だろう!!
こんな美少女誑かしてズッコンバッコンして孕ませたと分かるとポイ捨て&処分
とか最低すぎだ。
お前みたいな奴がいるから俺達童貞彼女なしが増えるんだよ!いらないなら
俺に譲れ!!そしてイケメン爆発しろ!!
公爵も公爵だ。『君はもうこの・・なんちゃらダイト家の一員だ!』とか
ほざきながら最終的には身分を気にして乗り換えて。
これだから高慢ちきな御貴族様は気にいらねぇ。どの世界でも権力者なんて
皆一緒だな。
で、最後貴族の婚約者女!お前の描写見ていると現代社会でもいるけばったい
化粧で『私は世界一可愛いミ☆』とかほざいてる頭の中お花畑でやることえげつない
サイコパス女見ているみたいでムカつくんだよ!!
なんだよ『~ですわ』とか!?馬鹿じゃね?
頭に蛆虫でも湧いてんじゃねぇの?こいつ絶対現代社会に居たら痴漢冤罪で無実の
安月給ブラック企業サラリーマンから金ふんだくろうとするような最低な奴だぞ。
―――ちなみにその公爵の息子のエンなんたら(・・もう長いからヤリ○ンでいいや)
が何故イケメンか分かるかというと――
「う~ん・・・・。母さん・・・おはよう・・。」
「ふぁ~~・・。お母さん、おはよ~」
眠そうに目を擦りながら起きてきたのは私・・・というかこの体、ソフィアの
息子のリオンくんと娘のアリシアちゃん。
そう、ヤリ○ンがいかにイケメンであるかはこの二人の子供、特に息子のリオン君
を見れば一目瞭然。太陽に反射して黄金に輝く金髪にまだ幼さを残しながらも既に
完成された芸術のような整った凛々しい顔立ち。
そして私の血を引いているからであろう深緑の瞳。この容姿をみれば父親がいかに
イケメンであったかを物語っている。
そして娘のアリシアは瞳の黄金色以外はまさに私をそのまま幼児化
したような銀髪お人形さん顔美幼女だった。
「――――?母さん、どうしたの?僕の顔に何かついてる?」
しばらく子供達の顔を眺めていたらリオンが不思議そうに小首を傾げながら
尋ねてきた。
・・・なにその天使みたいな可愛らしい反応!?
やめろ!私はショタコンじゃない!!ショタコンじゃない!!ショタ
・・・でもいいかな・・・って!いかんいかん!!
変な考えを振り払って朝食の準備を進めることにした。
「お母さん!今日の朝ごはんなに?」ぴょんと無邪気にアリシアが私に
しがみついてくる。可愛い奴め。
「今日は白パンと玉子焼きとサラダかなぁ~」
釜戸に入れていたパンを取り出し火にかけていた卵をサッと皿に盛り付ける。
「わぁ~~!僕、母さんの玉子焼き大好き!!」
「「ではいただきます」」
「もぐ・・・もぐ・・・」
「はむ・・はむ・・はむ・・」
「はむ・・はむ・・っ母さん、今日の予定は?今日僕ら教会の教室お休みだから」
「う~・・ん。今日は一日中畑に引き篭もる・・・かな?」
うん、息子娘以外誰とも会わず農業にひたすら勤しむ。
なんて素晴らしい一日の予定だ。
「・・・・外に出ようよ母さん・・・。今日は街の南の市場で商品が安く手に入る
らしいからそこへ行こう。そろそろお肉が切らしていた所だよ?」
「いや、お肉なら先日狩ったドラゴンの肉が「あんなのばかり食べてたら気が
おかしくなりそうだよ!僕は普通の、豚さんや牛さんのお肉が食べたいの!」・了解・・」
最近リオンがやたらと意見するようになってきた。反抗期が近いかも・・・。
「よし、じゃぁ私はいつものアラビアンスタイルでいk「その綺麗な銀色の髪
隠したらもったいないよ!それに私お母さんとお揃いで街まで行きたいから
普通の格好にしてね!」・・・はい・・・」
アリシアよ、お前も反抗期なのか・・・?
そんな訳で最近では息子と娘にいいくるめられている私ですがなんとか元気です。
・・・まぁこの息子と娘との暖かい食卓、それにたどり着くまでには色々合ったん
だけどね・・・。