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魔法

カノコに数学を教えていました。

「この公式、頭に入れとくね」

カナリンはカノコの頭の頂点にステッキを振りました。カノコは嫌な顔をしました。

「どうしたの?」 

「私が馬鹿だから?」

「ううん。楽な方がいいから。苦労しなくても、このカナリンが付いてるからね」

「うん」


ヨサナーンが仕事から帰ってきました。カナリンは魔法で彼が背負ってきた荷物の薪を、きれいに戸口の横に積み上げました。「疲れた」ヨサナーンは、夕食の支度をし始めました。ヨサナーンの料理は絶品ですが、カナリンは同じものを魔法で再現できます。ただカナリンはヨサナーンの立ち働く姿が好きなのでら盛り付ける皿だけ空中浮遊させて手伝います。ヨサナーンは、「尚更つかれる」とうんざりしながら作り切り、しかたないのでカナリンにもふるまいます。ヨサナーンはカノコの頭を撫でて食卓に付きました。カナリンは彼らの口と舌の調子に合わせてフォークとスプーンがひとりでに口に運ばれる魔法をかけました。 

2人はだんだんうんざりした豚みたいな顔つきになっていきましたが、カナリンは「楽してくれて嬉しい」と思いました。

カナリンはまだ自分の間違いに気づいていませんでした。

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