5話
◆5
「こいつはコンビニ強盗だろ!なんで平然と歩いてるんだよ!こいつのせいで車をぶつけちまったんだよ!」
なんか理不尽な事を言ってる。
俺はコンビニ強盗の犯人じゃない。
警察の人に説明するも運転手が横槍入れてくるからなかなか進展しない。
一旦、警察署で話をすることに。なんでだよ…
警察署に着いて、情報確認をしてる間は只々待たされた。
コンビニ店員の証言やらの資料が残っていて無実が証明された。
いや、まだ一週間も経ってないよね?いい加減にしてくれ。
保護者の方が来たと言われ、入口のロビーへ行くと、母親と何故か担任の先生が二人並んで待ってた。なんで?
警察から電話での連絡が学校に行き、学校から母親に電話があったためだと言う。
二人からの説明の話を聞き、帰ろうとすると警察の人がやって来て、帰るのはもう少し待ってくれと言ってきた。
何事かと待ってると、海外出張中の父親がテロリストの銃撃に巻き込まれて亡くなったと聞かされた。
…なんで?
母親が泣き崩れている。
俺も茫然としてしまっている。
泣いて動けない母親を、担任がなんとか車に乗せ、おれもろくにうごけないで、担任に促されて、ようやく車に乗せてもらい…家に帰りついた。
偶然とはいえ、担任がいてくれて、本当に助かった。
俺一人では泣いている母親を宥めながらバスに乗り、家に帰るなんて出来やしなかった。
それに学校への連絡や手続きが省略できた。こんな時は何をしたらいいのかなんて何も分からない。なにも、わからない。
なんで父親が殺されなければいけなかったのか?頭の中をぐるぐるといっぱいになっている。
どうして…なんで…だれが…どうして…
ーーーーー
翌日、気が付いたら、家の中に、父親の会社の人、政府関係者らしい人、家の外にはマスコミ関係の人でいっぱいになっている。
日本人で武器を持たない無抵抗な一般人なのにテロリストに殺されたとあって、騒ぎになっている。しかも、テロリスト側からは、一般人なはずの父親が武器を持っていたため、正当防衛だと言い出しているとか。
本社と避難先についての電話連絡していたのが、武器を構えてるように見えたのではないかとかの説明があった。
聞いていても意味が分からなかった。
父親のいる現地に行きたくても、テロリストの襲撃で危険な場所だから行けなくなったと言われた。
だったら、なんでそんなとこに出張なんだよと、問いつめたら、元々はテロリストの情報は無かったからであって、今は状況が変わったからだと。そんなん知るか。
そんな混乱してる状況の中、父親の遺体が、現地で、テロリストに、燃やされた。
…そんな嫌な情報を聞かされた。
余計に、意味が、尚更、分からない。
何故に、現地で、テロリストに、燃やされなければ、いけないのか。
連れて帰っては来れないのか。
顔を見ることさえ叶わないのか。
家な中にいる会社の人に、政府関係者に、外にいるマスコミに、心配して電話を掛けてきた親戚や、友達、学校の先生、全員に、感情を抑えきれずに当たり散らしたかった。もう全てを壊したくなった。そうだ。報復をしよう。やられたならやり返せばいいんだ。テロリストなんて消えてしまえ!こんな世界なんか滅んでシマエ!