第4話 防具屋さんもお姉さん
「ここだ。ここに同郷の奴がいる。」
冒険者登録をした後、トゥさんに連れられてきたのは、また裏路地にある防具屋だった。
「ここも何と言いますか、トゥさんのお店と似た雰囲気ですね。」
「そうだろ?アイツも私と同じで、時代の流れに置いていかれたやつだからな。
とにかく、入るぞ。」
そう言いトゥさんはお店に入っていく。
ボクもあとに続いて入っていった。
「おーい、ロはいるかー?」
「そんなに大声出さなくても聞こえているわよ。」
トゥさんがロさんという方を読んだら、直ぐに出てきた。
「おお、いたか。」
「いるわよ。それでなんの用?」
「例の話あっただろ?」
ロさんが一瞬考える素振りをしたが、直ぐに何かを思い出したような顔をした。
「あぁ、村に帰ることね。」
「それで護衛を頼むって話あったじゃんか。」
「あったね。」
「この子に頼むことにした。」
「…ハア!?」
ボクの方を見てから、ありえないみたいな感じで叫ばれた。
これでも、いろんなゲームをしてきたし、それなりに上手い自信はある。
だから、少し、とゆうか、かなり不満です。
「この子、旅人でしょ?しかも、来たばっかりの。」
「そうだな。」
「そうだな、じゃなくてよ。大丈夫なの?」
ロさんにすごく心配されてる。
「だいじー」
「ダイジョブだろ。」
トゥさんにかぶせられた。
「なんで、そう思うの?」
「この子、意思がしっかりしてるからだよ。」
「どうゆうこと?」
「この子、センっていうんだが、この時代に私の太刀を見て店に入ってきたんだ。」
「今どき珍しいわね。
ただ、今は銃の時代。
刀で生き抜こうなんて、到底無理だと思うのだけど。」
「そのことを言ったさ。
そしたらなんて言ったと思うよ?
〘こんな言葉を知りませんか?
『当たらなければ、どうということはない。』〙
だよ。
おかけで、私はこの子を気にいっちまったよ。」
いったなぁ。
カッコつけただけなんだけど、何か恥ずかしい…
「確かにアンタなら、この子を気に入るけどそれ以外に理由があるはずよね?」
「まあね。この子も人じゃないっぽいし。」
「ん?」
話の流れが変わってきた。
「トゥ、その子にあの話してないの?」
「あの話?」
「私達、鬼人だってことよ。」
「え。」
なにそれ。
「あれ?話してなかったか?」
トゥさんはボクに打ち明けたつもりになっていたようだ。
「聞いてません!」
「それは済まんかったな。」
「まぁ良いですけど…」
「それよりも、お二人は鬼人?って種族だったんですか?」
こっちのほうが重要な話な気がしてならない。
「そうですよ。
君も人間ではないでしょ?」
「え、いつからバレてました?」
というか、さっきもって言ってた気がするし。
「最初からだが?」
「私もはじめから気づいてたわよ。」
「そうでしたか。
竜人ってことバレてましたか…」
「「え。」」
「あれ?そこまで気づいてなかったのですか?」
「「うん(おう)。」」
あれあれ?
「なんというか、君、すごかったんだな?」
「場所によっては、信仰対象だったはずよね…」
「私、知らぬまにすごい子を連れていたんだな…」
ボクが凄い人、みたいになってきているんだけど!?
「あの、ボクは決してそんな凄いことをしてないし、尊敬とか信仰が欲しいわけではないので、対応を変えないでいただけると嬉しいです…」
「そうか、ならそうさせてもらうが…」
というか、今更ながらこの二人NPCだよね?
反応がすごくリアルなんだけど。
「ところで、二人は何しに来たの?」
ロさんが思い出したかのように口にした。
「そうだった、どこまで話したっけな…」
「ボクを気に入ったってところです。」
「そうだそうだ。
でよ、この子に私の打った太刀をやることにしたのさ。
ただし、唯一無二の戦い方を得て、強くなれって条件でだが。な?」
トゥさんがこちらに確認するように見てきた。
なのでボクは頷き、肯定した。
「そうなのね。
ところで、その唯一無二の戦い方ってのはできるの?」
「できると思いますよ。
ただ、今のボクはこの世界での経験が足りなさすぎるんです。」
「そうでしょうね。
それでもできるのが分かってるということが怖いのだけれど…」
なぜだかわからないけど、ロさんに恐れられてしまいました。ショック…
「話を戻したいのだが、良いか?」
「「どうぞ。」」
「それで、ロも紹介をしようと思っていたわけだな。
ここまで来るのに1700字ぐらい使ったぞ…」
なにを言ってるのか分からない。
「とにかく、この子を護衛を頼むから、ロもこの子に防具を繕ってやれんか?」
「…分かったわ。
センちゃん、こっち来て。ある程度の物を見せるから。
あと、何か要望があればある程度は聞くし、あなたの好みを反映させてあげるわよ。」
「ありがとうございます。
早速の要望で申し訳ないのですこれど、軽くて動き回るときに邪魔にならないもので、この髪を隠しておけるものをお願いします。」
「オッケーよ。付いてきて。」
ボクはロさんについて店の中を見て回る。
「あ、」
その中で赤い、いや紅い貫頭衣 (ポンチョのようなもの)を見つけた。
「『紅龍のポンチョ』が良いの?」
「なんか、良いなと思いまして。」
「そうなのね。なら、それと…」
ロさんは『紅龍の貫頭衣』を手に取ると何かを探し始めた。
「あった、これも使って良いわ。」
そうして差し出されたのは、ナイフ等をさせれるホルスターだった。
「ありがとうございます。」
「ここまでしてあげたからには、護衛をしっかりやって貰うわよ?」
「もちろんです!」
作者です。
今回、諸事情により更新が遅くなってしまいました…
申し訳ないです。
今後も、もしかしたらこんな形で更新が遅くなったり、最悪の場合出来ないかもしれません。
その時は、「忙しいのかな~」程度に思っておいてください。
あ、感想をしてくださったら返信できるはず…
以上、作者からでした。