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第18話 護衛開始

全体的に会話がややこしすぎるので、ハマ・トゥの一人称を変更しました。

「私」が一人称のキャラばかりになると分からなくなることに気が付いたので。

今後ももしかしなくても、こういう変更をするかもです。基本行き当たりばったりで書いてるので。え、ストックをつくれって?

…善処するので許して。

「さて、全員いるな?…よし、今回はオレたちからの依頼ということにさせてもらう。」


トゥさんが全員そろっているのを確認してうえで話を進める。

今回は、トゥさん、ロさんが里帰りをする旅路の護衛が来内容だったはずだ。

プレイヤーは荷物を自分のインベントリ内に入れている。

しかし、NPCの二人にはインベントリは存在しない。なので、軽自動車サイズの馬車に荷物を載せて運ぶ方法がこの世界では主流になっている。


「これから丸1日歩くことになるけれど、よろしくね?」


「任せてください。」


「まぁ、ところどころ休憩もはさむから安心してくれ。」


そんなやり取りをしてから出発する。

向かうは『リーンの森』の先、『レリベルティ大森林』の中にある『シュミーツ村』。ゲーム内時間で丸1日。リアル時間だと5時間と長時間歩かなければたどり着けない、いわば秘境の地だ。

今はリアル時間で7時。依頼が終わるのはどれだけ早くても12時になるだろう。

よかった、学校が始まる前で。


「とりあえず出発するか。」


「いったんお別れだね。始まりの町『リーン』」


そうして出発していくのだった。


____


『リーン』を出てからリアル2時間が経過した。

ここまでの道中、特にこれといった問題はなく順調に進んでいた。


「カゲ~暇~」


「そんなこと言われてもな…」


「まあまあ。」


こんな会話ができるほどには平和に進んでしまっている。

…本当に大丈夫なの? このペースで進んで。


「おかしいな、これほどまでに何もない事は初めてだ。」


「トゥさん、どういうことです?」


急にトゥさんが気になることをつぶやいた。


「ここはもうそろそろ、リーンの森の範囲を抜ける頃合いなんだ。それと同時に本格的にレリベルティ大森林の中に入ることになる。レリベルティ大森林はかなりの魔窟と名高いところでな、この境界線は魔物の数、強さともに跳ね上がるんだ。

だが、一切遭遇しないとなると…まさかな。」


そんな説明をしてくれたが、トゥさん? あなたは初心者をとんでもないところに連れてきてくれましたね!?

ここで敵エネミーを倒せたらいろいろおいしそうだけど!

あと不安になるので最後まで言ってくれませんか?


「トゥさん怖いので最後まで言ってください。この現象の犯人が激つよモンスターだったりしたらどうするんですか。」


「セン、よくわかったな。」


「え…えぇぇぇぇぇ!」


最悪だよ!分かりたくなかったよ!

そんなことを考えているのは、ボクだけではないようだった。

カゲも、何か操作していたユカリでさえも固まり、だんだんと強張っていく。


「こうなる原因は、【自由龍】『バイトドラセ』ぐらいしかいない。

そしてこいつに遭遇した場合は、興味を持たれないよう祈るだけだといわれる。」


「もし、興味を持たれたら?」


「絶望する間もなく死あるのみ、と。」


…今挑むべきではない存在。いわれるまでもなく分かってしまう。

静かになった瞬間、地響きにも似た音が一定間隔で聞こえる。

この音はバイトドラセ(やつ)なのだろう。


「…ッ! 奴が近い」


それほどまでにやばい存在が今近くにうろついていることが発覚した今、この依頼は失敗に終わってしまう可能性が高くなってしまう。

少しずつ音が大きく、早くなってくる。

これは興味を持たれてしまったのだろう。死ぬのが確定してしまった。

でも…


「足掻いてみます。」


「「「「セン(ちゃん)!?」」」」


つぶやいたと同時に太刀を抜く。


「無茶よ!」


「その太刀ではアイツの皮膚を破ることも出来ないだぞ!」


NPC(この世界の住人)である二人は止めようと声を上げる。

しかし、カゲとユカリ(プレイヤー)は違った。


「…はぁ、しゃーないな。セン、付き合うぞ。」


「二人とも出るんだったら私もじゃん。」


そうしてそれぞれの武器を取る。

その瞬間、目の前に巨大な龍が姿を現した。

金色の瞳に深い緑色の鱗に覆われたその体は20m近くある。


GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!


響く咆哮。震える世界。

この世界では出るはずのない汗が出たような感覚に陥る。


「おいおい、想像以上にやばいぞこれ…」


後ろにいたカゲの声がかすかに聞こえた。

確かにこれは想像以上だった。

だが…


「ほれ、二人ともかまえんか。」


「え、セン、ちゃん?」


想像をけていたからといい、気を抜いてはいけない。

そう思い自分の中でスイッチを入れる。

何か今までとは違う感覚がした気がするが、今は気にしない。

目の前のことに集中する。


「…トゥ殿とロ殿は離れとってくれんかの。」


「あ、あぁ。先行く。」


護衛対象は逃がした。ここからは


〘ENCOUNTER ENEMY  【自由龍】バイトドラセ  AREA BOSS〙


「儂らが相手をしてやる。」


〘BATTLE START!!〙

第9話の最後の伏線を回収しましたよ。

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