第17話 ついにこの時が…
【本編読む前に読んでください】
そういえば、SBOというゲームの設定で書いてないことがあったので少しだけココで説明。これがないと今回の話で頭の中が「?」になるので。確実になるので。
・ゲーム内時間
リアル5時間で1日です。ちなみに、日が出ているほうが少しだけ長く設定してあります。
ですので、6話で3時間半もプレイしていたことになっていますが、ゲーム内だと朝ごろから夕方ぐらいになります。
・曜日的なの
ゲーム内でも現実と同じ七曜です。
この設定を頭の片隅ぐらいに置いておいて、今後読んでみてください。
設定が多くなるようでしたら、設定まとめをつくってもいいかも?
あとがきみたいになってますが、まだ本編やってないっていうね。
精神的に疲れたショッピングモールから帰宅し、SBOの世界に入っているボクたち。
「冒険者センターで何か依頼でも受けるか?」
「その前にトゥさんのところに行って、準備ができたか聞いてみようよ。こっちだと1週間は経ってそうだから、そろそろできるんじゃない?」
「確かに頃合いだろう。じゃあ行くか。」
そうして、路地裏に入っていく。
初めて行ったときは、迷子になっていて場所が一切分からなかったが、今は三人とも迷わずに行けるようになった。
そのかいもあり、すぐにトゥさんのお店に着くことができた。
「こんにちは。トゥさん、いますか?」
「ん?おぉ、センたちか。ちょうどよかった。」
そうして、トゥさんは壁際に置いてあった箱を持ってくる。
そのなかには、いくつかのナイフが入れられていた。
「これって、この前お願いしたナイフですか?」
「そうだ。ほれ、CQCから動物の解体までできる汎用性の高いタイプがこれで、残りの10本が投げナイフな。」
そういわれて渡されるナイフたち。それらをロさんからもらったナイフ用ホルスターに入れる。
今はまだ服が初期装備のままでズボンだが、後々はスカートにしてもいいと思っている。
女物の服を着るのも認めることにした。午前中の買い物でいろいろ吹っ切れたから…
「それでここからが本題だ。」
ナイフを受け取ったのを確認したのちに、トゥさんが真剣な眼差しでこちらを見てきたのでボクたちはそれにこたえる。
「出発は今夜になる。食料や弾薬、回復薬等を各自揃えておいてくれ。多めにな。」
「ついに、か。」
出発、というのはトゥさんとロさんの二人からの依頼で、故郷の村まで帰るときの護衛をしてほしい、ということに関係する。
…そういえば、村の情報について何も知らないな。
聞いてみよう。
「トゥさん。いまさらなんですけど、二人の故郷の村に関することを教えてもらう事ってできますか?」
「あれ、教えてなかったか?」
「少なくとも、俺とユカリは聞いてないが?」
「そうだったか。悪いな。じゃあ、教えるな。
まず名前は『シュミーツ』村。特徴は金属加工が盛んでな、鍛冶屋が多かった。
場所は、『リーンの森』の奥、『レリベルティ大森林』にあるんだ。」
『シュミーツ』、鍛冶屋のドイツ語だっけ?
『レ リベルティ』もフランス語で自由だったはずだし。
なんか、基本的に安直なネーミングしてるなぁ。
「因みに、シュミーツ行くには丸1日歩き続けることになるから頼むな。」
はい、つまりリアル5時間歩くことになるわけですね。
「…やばくないですか?」
ユカリの目が死んだ。この中で運動神経が一番悪いユカリの目が死んだ。
とは言っても、同い年の女子よりはよかったはずだけど。
「だから言っただろ。多めに揃えろって。」
「わかりました。いろいろ買ってきます…」
「集合はリーンの森側の門前な。」
「「「はい。」」」
こうして、僕たちは表通りに戻り、すごい量の買い物をすることになったのだった。
そして、リアル時間で夕方。
ボク達は約束の場所で、NPC二人と合流し長距離移動が始まろうとしていた。
シュミーツ、ドイツ語で鍛冶屋
レ リベルティ、フランス語で「自由」の女性名詞
今更ですが、この作品での外国語は基本、作者の耳で聞き取れた音をもとにしています。
本来の発音と多少の違いがあるかと思いますが、そこは考えないでください。
かなり女の子に染まりつつある、文ちゃん。
知らぬ間に心が性別に引っ張られているTSっ娘、いいですよね。




