第1話 えと、どうしましょう?
朝から叫んでしまった。
近所の方、ごめんなさい。不可抗力だったんです。
「というか、こうゆうときってどうすれば良いんだ?」
困った時は検索をする。
え~と、『性転換 対応』とかで出ないか?
さすがに安直すぎt
「でたわ。」
しかも、国のホームページだし。
「とりあえず、朝メシ食べながら見ますか。」
そう言い、僕は朝メシを用意し始めた。
ちなみに、何故親に言わないのか。それはもう中学校の卒業式も終わり、地元から市を2つほど跨いだ高校に進学をするにあたって、一人暮らしを始めたからだ。
もちろん、最終的には親にも報告する。
しかし、それより先にどう対応するか確認して、動くのを先に考えた。
そうして、メシを食べながら見た情報を簡単に言えば、次のようになる。
1.これは『性別転換病』といい、突然起こるで。
2.かな~り珍しい病気やで。
3.もし発病したら、専用のコールセンターに電話をしてくんね?
4.あとは、コールセンターに指示を仰げ!
以上。ということで、電話します。
プルルルルル
『もしもし、こちら性別転換病専用コールセンターです。』
「もしもし、性別転換病になってしまったかもしれないので電話させてもらったのですが…」
『分かりました。お名前と、ご自宅の住所を教えてください。』
「如月 文と言います。住所は、(以下略です。」
『分かりました。それではこれから、担当の者が向かいますので、しばらくお待ち下さい。』
「分かりました。ちなみに、何時頃とかになるというのは分かりますか?」
『そうですね。只今が、8時5分なので40分頃になるかと。』
「分かりました。ありがとうございます。」
『いえいえ。それでは、失礼します。』
ガチャッ
「…待ちますか。」
電話が終わってから、僕はテレビでニュースをみながら待った。
しばらくして、インターホンが鳴った。
時計を見ると、8時37分を指していた。
「こんな時間か…今出まーす!」
そう言い、玄関を開けた。
そこにいたのは、スーツをしっかり着こなした女性だった。
「始めまして。私か今回担当させていただく、柊 早苗と言います。あなたが如月 文さんですね?」
「はい、そうです。立ち話もあれですのでどうぞ中へ。」
「ありがとうございます。」
そう言い、僕たちは家の中に入った。
「麦茶ですがどうぞ。」
「わざわざありがとうございます。せっかくなので頂きながらお話させて頂きます。」
そう言い、彼女は出したお茶を一口飲んでから話し始めた。
「まずひとつ確認ですが、何か本人確認できるものはございますか?」
「確認できる物、ですか?」
「はい。まずないと思いますが、全くの他人がなりすましている可能性があるので。」
と言い、本当にありえないと思いますが、と続けた。
僕は、マイナンバーを出して、確認を取ってもらった。
「大丈夫そうですね。しかし、もとから可愛いとは…」
「あはは…」
柊さんの呟きに僕は何とも言えない笑いを返した。
「とりあえず、本題に入りますね。」
その言葉と同時に、いくつかの書類を渡された。
「これは?」
「まずこちらが、この病気の概要ですね。
書いてあることを簡単に説明しますと、『性別転換病』、通称『性転病』は、その名の通り性別が変わってしまうものです。」
「そうみたいですね。」
「そしてこの病気にかかった場合、戸籍上の性別は変化後のものに置き換えられます。」
「ですよね…。」
「あとはなぜかわかりませんが、身体能力が異常なまでに向上します。」
「はい?」
柊さんがナチュラルに意味わからないことを言った。
「とりあえず、大学病院で正確に診てもらいましょう。」
そうして僕と柊さんは、近くの大学病院に向かい専門の先生に見てもらった。
その結果は、やはり『性別転換病』。
そこからがさらに忙しかった。
まずは両親に電話。この時に彼女ができたと思われた。
両親は「可愛い息子をよろしくね☆」と言い、そのまま切ろうとしてきやがったよ。人の話を聞かずに。
次に戸籍上の性別を変えるために市役所に行った。
その後、進学先の高校、新居橋高校に連絡と手続きをしに行った。
この時には母、響子も合流できたので、一緒だった。
そうして、慌ただしい一日が終わった。
「疲れた…」
「文ちゃんは、もともとかわいかったけど、今は美少女よ。もう、誰にもあげたくないわね。」
何か母親がほざいているが、気にしない。
「それより、文ちゃん。」
「どうした?」
「八坂さんの二人もここに住んでもらうことにしたから。」
また、何か母親がほざいているが、気にし…
「…は?はぁぁぁあ!?」
また叫んでしまった…
作者です。
バレンタインですね。(涙
え?SBO要素を早く出せって?
はい。次回出します。