第11話 初戦闘するぞ~
リトルホーンサウルス、その名の通りトカゲに小さな角が生えた姿をしている魔物だ。
ただ体長は1mから1.5mほどもあり、角も30㎝はある。
そんな奴らが10mほど先に3体いる。
「まだ儂らには気付いておらんようじゃな。」
あれらは、何かを食べるのに夢中なようで儂らに気が付いていない。
「俺が先手を打つか?」
「頼んだ。
儂はカゲが撃ったら詰める。」
「私もセンちゃんの後を追うね。」
「了。」
声を潜めて確認をした後、カゲはモシン・ナガンを構えた。
「…3、2、1」
カウントの声の後にターンと乾いた発砲音が響く。
それと同時に目標の1体が倒れポリゴンとなった。
完璧に目に直撃させたようだ。
それを見た残りの2体はやっと自分たちが狙われていることに気が付いたようで、飛んでいく自分たちに対して威嚇を始めた。
ただ…
「遅い。」
こちらを向いた時点で儂は5m程まで接近をしていた。
それと同時に手は腰の鞘に納めてある太刀にかけ、肉薄すると同時に抜刀、そのままま首を切りつけ通り抜ける。
しかし、硬い鱗に阻まれたのか浅い傷を付けただけにとどまった。
「こ奴硬いのぅ。じゃが、切れんわけではないの。」
そう言うと、すぐさま体の向きを今切りつけた個体に変え、また肉薄。先と同じ所を切る。
そうしたらクリティカル判定が入ったようで、この個体もポリゴンとなって消えた。
「ユカリは…魔法使いらしく距離をとれているようじゃな。」
そうしてユカリも危なげなく倒した。
しかしまだ三体しか倒していないので依頼内容的に残りの二体を見つけなければならない。
「残り二体はどこかのぅ。出てきてくれると嬉しいのじゃが。」
しかし、そう都合よく出るわけもなく、また探すところから始まった。
先も早くに見つかったので残りもすぐ見つかると思われたのだが…
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30分ほど経っただろうか、一向に見つからない。
おかしいと思ったのは儂だけではないようで二人とも立ち止まった。
「ねえ、これだけ探し回って見つからないのって変じゃない?」
「よかった、シオンも同じことを感じていたか。」
「これだけ出てこないとなると、此方に問題がある気がするのぅ。
可能性があるとするなら…やはり先の戦闘で手に入れたドロップ品じゃな。それぞれ見てみぃ」
インベントリの素材欄を確認する。
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『リトルホーンサウルスの角』
小さめの角。粉にするとよく効く薬になるらしい。
これを煎じて飲め!
『リトルホーンサウルスの肝』
とにかくくさい。ほんとうにくさい。この臭いは襲われたときに仲間に危険を知らせる役割があるらしい?
『魔石(小)』
魔物の力の源。いつかでっかいのを見せておくれ。
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こ れ か い
しかし、特に臭わないが自分たちが気が付かないほど、少し漏れているのだろう。
というか、この説明文遊んでる。
「それっぽいの見つけたのじゃが…おそらくお主らにもあるじゃろ?」
「「うん(あぁ)。」」
「一度、川に行ってすてておくか?」
カゲの提案に乗り、先に見かけた川に行く。
着いたら、肝を取り出し川に浸ける。
そうしたら、また探索を再開した。
ちなみに肝はほんとに臭かった。
余りの臭さに、ユカリは軽くえずいていた。
シュールストレミングかと思った。嗅いだことはないが。
そんなことは置いておき、探索を再開して5分ほどして、ようやくリトルホーンサウルスとさいかいすることができた。
「やっぱり、肝だったんだな。」
「だね。もし次があったら、注意しよ。」
「賛成じゃ。」
今回の事で各々口にする。
「さて切り替えて、目の前の奴らに集中じゃ。」
またしても三体、これで一群れなのかの?と考えつつ、先と同じようにすると指示を出す。
後は再放送かというほど変化がなかった。
まずカゲが撃ちぬき、自分が飛び出す。それに続いてシオンとなった。
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結局、さらに追加で2つの群れを襲い、目標五体だったが十二体分の素材を手に入れた。
今は冒険者センターに戻り換金をしてもらうために列に並んでいる。
依頼専用カウンターでやってもらうので、また並ぶ。
ただ、先と違うのは一人ではなくなったことだった。
「あらぁ、センちゃんおかえりなさい~。それと初めましての子もいるわねぇ。」
「なぁセン、この人NPCだよな?」
「そうだよ。ここの受付嬢のシルビアさんて言って受ける時にも担当してくださった人なんだ。」
この姉弟にシルビアさんを紹介する。
二人もそれぞれ名乗る。
さて顔合わせも済んだので本題へ。
「それじゃあ換金をお願いします。」
「わかったわぁ~。魔石をだしてぇ~。」
判別を魔石で行うようなので十二個の魔石を出した。
さすがにシルビアさんは驚いている。
「よくこんなに討伐したわねぇ~。
まあいいわぁ~、追加報酬を出すわねぇ~。
一体追加で2フォルよぉ~。
今回は七体追加だから14フォルねぇ~。」
つまり、総合収入は34フォル。
本来受けるはずだったゴブリンの群れの討伐依頼より9フォルもうけれたのだ。
後で山分けかな。
「ありがとうございました。
またお願いします。」
「またねぇ~」
こうして依頼を終えれた僕たちだった。
因みに、最終的に口調が戻ってしまっていて、まだまだロールプレイが甘いといわれました。
2度とやらないよ?




