表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/21

第10話 ついに合流、からの…

リーンの森の入り口に来てこれから依頼をしようとしていたが、一つのメッセージが来た。


ーーーーー

《紫音》

荷造りが終わったか、これからSBOに入るよ!

合流しよ!

ーーーーー


そのメッセージを確認したので、『了解』とだけ返信し、広場の噴水の所に向かった。



ーーーー



噴水の所まで来たボクは、2人を探して周囲を歩いて回る。

しかし、まだ来ていないのか見当たらなかった。

なので、近くにあるベンチに腰掛けてボーッと待っていた。


「センちゃん?」


少ししたら背後から聞き慣れた声がした。


「遅かったね、ユカリ、カゲ。」

振り返りながらそう言う。

そこには二人のエルフがいた。

ショートボブの女の子、ユカリ(紫音)と、眼鏡を掛けた男の子、カゲ(翔琉)だった。


「良かった、センちゃんであってたよ。」


「しっかし、全くもって、もとの面影がなくなったな。」


ユカリはボクで合っているか心配だったようで胸を撫で下ろしており、カゲは容姿が大きく変わっていることに驚いていた。


「ビックリだよね。

とりあえず、二人とも冒険者登録をするでしょ?」


そう訊ねると、二人とも頷いた。

なので、冒険者センターへ案内をし、登録を済ませる。


「フレンド登録もしとくか。」


カゲがそう言ったので、フレンド登録を済ませる。


次に武器屋へむかった。

二人はそれぞれ欲しい武器が違って、カゲは後方で指示をするためにSR(スナイパーライフル)、ユカリはタンク兼魔法使いをしたいらしいのでアーマーとシールドをもとめた。

カゲは簡単だったものの、ユカリはロさんのところで取り繕った。


ちなみに、SRと言ってもソビエト製のモシン・ナガンというボルトアクションライフルに3-9×32(3~9倍)のスコープを載せたものだ。


そこから、ようやく依頼に向かう。

その途中にユカリがこんなことを言い出した。


「そういえば、このゲーム、配信機能があるらしいよ。」


「そうなの?」


ボクが聞き返すと、カゲが『そういえば』と口にした。


「親父が言ってたが、動画投稿サイトと提携を結んであるって言ってたな。」


「そうゆうことでセンちゃん!」


とてつもなく嫌な予感がする。

「絶対に配信しよう!」って言い出すやつじゃん。


「配信しよう!」


「やっぱり!」


「しかも、ただ配信するだけじゃなくて、キャラ作りをした上でやろう!センちゃんが!」


「いや、なんでボクだけ!?」


ここまでは想像できない。

というか、ホントになんで?


「セン、爺口調とかどうだ?」


「カゲも乗らないで!」


ヤバい、ユカリは…紫音は一度言い出したらなかなか折れない。

カゲは…翔琉はこの悪どい笑み、絶対この状況を楽しんでる。


しかし、そう思ってるだけではどうやっても逃げれない。

どうにかして配信から逃げなくては!


「配信をするにしても絶対人気でないって!」


「ダイジョブだ。」


「うんうん、大丈夫だよ!」


この自信はいったいどこから来るのか。

理由を聞いてみる。


「どうして大丈夫だと?」


「「かわいいからだよ(だな)」」


それでいいのだろうか。

ボクはとても不安になる。

そもそもやりたくもないが。


「でも、ボクは嫌だよ?」


「よし、セン、一旦爺口調をしてみろ。」


「いやだって!」


どうにか逃げようとするが、ダメそうだ。

ボクは諦めることにした。


「分かったよ、やってみるよ。

……こんな感じかの?」


とても恥ずかしい。

二人をみるとユカリはめっちゃいい笑顔でこっちを見てる。

カゲは…肩を震わせて笑いをこらえている。


「ブフッ

悪い、センがやるのが意外と様になってるけど、違和感がすごいもんで…アハハハハ」


「提案したのそっちじゃよな!?」


違和感で爆笑されてムカつくので、睨みつけておく。


「…フッ」


「此奴…」


「まあまあ、様になってるしいいじゃん。」


「可愛いし」といい何やらウインドウを構い始めた。

またしても嫌な予感がする。

念の為何をしているか確認しよう。


「あの…ユカリさん、手元のウインドウで何をしているのでしょうか?」


「口調戻ってるぞ。」


「…黙っとらんか。」


カゲが口を挟んできたので言い返した、爺口調で。

そうしたら小声で「戻った」といった。


「で、本当に何をしておるんじゃ?」


「ん~、配信準備?」


「え」


配信準備という最悪の言葉が聞こえた。

本気でやると思っていなかったのかカゲも固まっている。


「ユカリ、マジだったのか?」


「うん、マジだよ。ほら」


ユカリが手元のウインドウを見せてきた。

マジでやってる。

チャンネルを作るところだった。


「チャンネルを設立するのかよ!」


「当たり前でしょ?」


「儂らが百歩譲って配信をするとすると、チャンネル名はどうするんじゃ?」


「考えてないよ。」


「「おい!」」


ユカリは、紫音は何も考えなく思い付きで動くことが多いが、今回もそれだったとは。

そう思い飽きれるのはボクだけじゃないはず。隣にいるカゲもそう思っているようだ。


「そ、それならこのゲームだとギルドが建てれたはずじゃから、そのチャンネルで作るのはどうじゃ?」


「そうだぞ、それならチャンネル名も簡単に決まるしな。」


「それだけ言うならそうするよ。」


そうこうしていると、リーンの森の奥に来た。

そして、リトルホーンサウルスがいる。


「お主ら、切り替えるんじゃ。

目の前に目的のものが見えたぞ。」


そう言い、ボクたちは戦闘態勢に入るのだった。

モシン・ナガン、マジで好きなんです!

あ、急に専門的な言葉を使いだしました。

念のため解説!


モシン・ナガン

ロシア帝国陸軍少将のセルゲイ・イワノビッチ・モシンとベルギーの銃器設計者であるエミール・ナガン、レオン・ナガンのナガン兄弟が設計した五連発のボルトアクション式小銃。


スナイパーライフル

長距離射撃をするための銃。

射程は弾の種類によって異なるが、100m~2300m。

弾の装填方法によってボルトアクション式(一回ずつ手動で装填)とオートマチック式(機械で自動的に装填)に分かれる。

モシン・ナガンはボルトアクション。


スコープ

スナイパーの上に乗っている望遠鏡のようなもの。

調整が大切。


ちなみにモシン・ナガンのスコープはコの字状のものに乗っていて面白いですよ。

是非調べてみてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ