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第8話 頼りになる新しい友達作り

『…はい?』


ボクからの提案に早苗さんは「何を言ってるんだ?」という反応をした。


『藪から棒に何を言ってるんですか?』


いや、そのまま反応してる。

とにかく理由も言おう。


「だって、今回みたいに不安になったときにすぐ相談できるようになると思ったし、何よりボクは早苗さんと仲良くなりたいなって思ったので…」


『あ、ありがとうございます?』


ボクの説明に困惑気味に感謝をした。


「それで…どうですか?」


『どうと言われましても…うーん』


早苗さんは悩んでいるようだ。

それもそうだろう。

ボクと早苗さんは昨日会ったばかりだ。

それなのに、普通に話して欲しい、と言われたらそれは困るに決まっているだろう。

二人の間に気まずい沈黙が流れる。


やっぱりダメだよね…


「…あの、やっぱり無s」

『いいですよ。』


「…え?いいって…」


この話を無しにしようとしたとき、早苗さんがいいよと言った。

はじめは、その言葉の意味が理解できなかった。

しかし、その後に続いた言葉で飲み込めた。


『この方が良いですかね。』


『良いよ。』


「え、その言い方って!」


『ええ、文くん。

これからは、単なる知り合いじゃなく、友人としてよろしくね。』


早苗さんの言葉にボクは大きな声で返事をしたのだった。


-------


その後も早苗さんと通話を繋げて、雑談をしていた。

目的はもちろん、お互いのことを知ること。


『私は休日はよく喫茶店巡りをするよ。』


「じゃあ、この近くにあるサンドイッチが美味しいところがあるんですけど、知ってますか?」


『もしかして、駅から五分ぐらい歩いた路地にあるところ?』


「そこです!

よく分かりましたね。なかなか分かりにくいところで、地元の人でも知らない人が多いらしいのに。」


『そうなんだ。確かに分かりにくいところだったなぁ…

我ながらよく見つけたよ。

…こんなことしてるから、家が汚いのかな?』


早苗さんの衝撃のカミングアウト。


「え、なんか意外です。

ボクの中での早苗さんのイメージって、真面目で、休みは家のことをやって、そこから遊ぶみたいなものだったので。」


ボクの言葉に早苗さんは『ハハハ…』と引き付った笑い声を出した。


『そ、こう言う文くんはどうなのよ?』


「話をそらした…

まあ、良いか。ボクは家のことは毎日やっていますのでダイジョブですよ。」


こう言うと、早苗さんがなぜか『負けた』と言った。


「それに、近いうちに幼なじみもこの家に来ますし。」


『そうなんだ。ちなみにその幼なじみって?』


「そうですね…もともと親同士との繋がりもありの僕たちですね。」


『親同士…もしかして、ガメーズ関係?』


さすが早苗さん、鋭い。


「正解です。ガメーズプログラムの社長の子供って言ったら分かりますか。」


『でしょうね。文くんが御曹司、今は社長令嬢の方が正しいかな。なら、ガメーズプログラムの御曹司と令嬢と仲がいいよね。』


「そうです。それで、その二人と一緒にゲームをするんですよ。」


『ゲームかぁ…最近はやってないなぁ。

わたしの子供の頃はNintando(任淡堂)のモジャオシリーズとかだったなぁ。』


モジャオシリーズ、オーバーオールのオジサンが主人公のゲームで、拐われた、たけのこ王国のお姫様を助けるゲーム、だったはず。

それを手掛ける会社が任淡堂、ゲームの世界シェアナンバーワンの日本の企業だ。


「大手ですね。」


『いや、文くんのところも大手だよ…』


「え、」


『…はぁ 』


「?」


早苗さんは、なぜかため息を付いた。

ボクはなぜなのか分からない。


『…でもまたやりたいな、ゲーム。

文くんって最近は何のゲームをしてるの?』


「SBOですね。」


『親さんの作ったゲームだなぁ。』


「もしよかったら、一緒にやりますか?」


早苗さんがゲームをもう一度やるなら、安心して出来るSBOだと思った。


『良いの?』


「もちろんですよ。」


『それならやろうかな。

お願いね、ゲームの先輩。』

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