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(三)

 駐在所に着くと、駐在の高蔵寺さんが入口に立っていた。汎人と秀美が警部補にお礼を言いながら車を降りるのを見て「お帰りなさい」と声を掛けてくれた。

 「今日はお世話になりました」と秀美が頭を駐在さんに下げた。

 駐在さんは「いえ、仕事ですから」と笑顔で返してくれたあと、二人を乗せてきた警部補の車に近づいていった。

 汎人は二人に改めてお礼を言おうと近づいた。というのは表向きの理由として、汎人としては二人が何か事件について話しているのではないかと思い、聞き耳を立てることにしたのだ。


(続く)

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