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文短歌風(五十首詠) 01-50
1
界隈の 居酒屋で会い 角で待て 都会あでやか 賽の祝いか
かいわいの いざかやであい かどでま(て とかいあでやか さいのいわいか)
2
常に訊け 何時も気取るな 開発は 如何なるときも 追撃に熱
つねにきけ いつもきどるな かいはつ(は いかなるときも ついげきにねつ)
3
波と夜か 島と砂場と 娘の目 「住む」と話すと 「マジかよ」と皆
なみとよか しまとすなばと むすめの(め すむとはなすと まじかよとみな)
4
矢は鳩に 喜連川の夜 飛び過ごす 一夜の別れ 月に問はばや
やははとに きつれがわのよ とびすご(す ひとよのわかれ つきにとはばや)
5
寛いで 雉よ残るか 夏以来 繋がるこの世 四季で色づく
くつろいで きじよのこるか なついら(い つながるこのよ しきでいろづく)
寛いで 雉や残るか 夏以来 繋がるこの野 四季で色づく
くつろいで きじやのこるか なついら(い つながるこのや しきでいろづく)
6
川光り 土地住む兄も 若やかや 川面に浴むす 千鳥か鶸か
かわひかり とちすむあにも わかやか(や かわもにあむす ちどりかひわか)
7
蘇り 鎖す蔓は 異の墓場 野茨透かす 悟り絵か御世
よみがえり とざすかずらは いのはか(ば のいばらすかす さとりえかみよ)
8
邪教と魔 死の咲く村に 狐憑き 睨む草の路 惑う善き香具師
じゃきょうとま しのさくむらに きつね(つき にらむくさのじ まどうよきやし)
9
遠く波 筋兜に世 見た夜よ 民世に問ふか 沈み泣く音
とおくなみ すじかぶとによ みたよる(よ たみよにとふか しずみなくおと)
10
軽く問ひ 遂に儚く 訪れず 遠く半ばに 何時人来るか
かるくとひ ついにはかなく おとずれ(ず とおくなかばに いつひとくるか)
11
燃えさかり この薔薇指すか 尽きた詠 気づかずさらば 残り香さえも
もえさかり このばらさすか つきたう(た きづかずさらば のこりがさえも)
12
雪濁り 君探る夜に 戸惑いと 窓に寄る草 見切り湖に消ゆ
ゆきにごり きみさぐるよに とまどい(と まどによるくさ みきりこにきゆ)
13
香具師や夜に 馬蘇り ぬばたまの または塗絵か 見よ舞う如夜叉
やしやよに うまよみがえり ぬばたまの (またはぬりえか みよまうにょやしゃ)
14
瑞垣の 久しき時ゆ 見続けつ 罪行き時し 寂びの樹霞み
みずがきの ひさしきときゆ みつづけ(つ つみゆきときし さびのきかすみ)
15
「どんな娘か、確かめようと、つい寝るね」 いつ問う嫁が、「した過去、何度?」
どんなこか たしかめようと ついねる(ね いつとうよめが したかこなんど)
16
まさか過去? いまこの時は ラジカルか 知らば帰途の娘、迷子が風間
まさかかこ いまこのときは らじかる(か しらばきとのこ まいごがかざま)
17
さすが兄 野猿混ぜては、いざ酒さ! 最果て迫る さ、野に明かすさ?
さすがあに のざるまぜては いざさけ(さ さいはてせまる さのにあかすさ)
18
ミストレス 遠き時から 死撒きに来 猿、鍵解き、脅すれど、棲み
みすとれす とおきときから しまきに(き ましらかぎとき おどすれどすみ)
19
いないかい? 砕く力が 強い甥、四つから家畜 抱く以外ない
いないかい くだくちからが つよいお(い よつからかちく だくいがいない)
20
孤独な身、役目住む人、語る、見る 高飛び娘、悔やみ、泣くとこ
こどくなみ やくめすむひと かたるみ(る たかとびむすめ くやみなくとこ)
21
さすが弟子 朝夜で気負い 月掛けか? きつい掟よ! さあ仕出かすさ
さすがでし あさよできおい つきがけ(か きついおきてよ さあしでかすさ)
22
最後の子 母引き攣るさ 期する夜 過ぎ去る月日 母子の恋さ
さいごのこ ははひきつるさ きするよ(る すぎさるつきひ ははこのこいさ)
23
三ヶ野原 桑木流るる 河黒く 分かるる金氣 病葉の神
みかのはら くわきながるる かわくろ(く わかるるかなき わくらばのかみ)
24
乱れ髪 祖妣より別れ 民何処と 実垂れ変わり世 潜み枯れた身
みだれがみ そひよりわかれ たみどこ(と みたれかわりよ ひそみかれたみ)
25
疫は舞い 遠退き途絶え 何時の世の 費えた時の 音いまは消え
えきはまい とおのきとだえ いつのよ(の ついえたときの おといまはきえ)
26
遠ざかる 鷹夜の舞で 役示し 消えて今の世 語る風音
とおざかる たかよのまいで えきしめ(し きえていまのよ かたるかざおと)
27
疎ましい 波と去る船 磯の夜の 添い寝ふるさと 皆遺志惑う
うとましい なみとさるふね いそのよ(の そいねふるさと みないしまどう)
28
泉の屋 美しい声 歌謡う 田植え恋しく 痛夜呑み吸い
いずみのや うつくしいこえ うたうた(う たうえこいしく つうやのみすい)
29
宵街に いま遠ざかり 扉から 独り風音 毎日毎夜
よいまちに いまとおざかり とびらか(ら ひとりかざおと まいにちまいよ)
30
もく拾い 奴ら語るか 罪の名の 見つかる宝 艶色退くも
もくひろい やつらかたるか つみのな(の みつかるたから つやいろひくも)
31
春霞 西白雪の 川辺りへ 若の木ゆらし 死に身縋るは
はるがすみ にししらゆきの かわべり(へ わかのきゆらし しにみすがるは)
32
完璧な 世にも似たるか 満ち足りた 魑魅カルタにも 二夜なき変化
かんぺきな よにもにたるか みちたり(た ちみかるたにも によなきへんか)
33
薬飲み 主去った日だ 年の瀬の 此土旅立つさ 死ぬ身のリスク
くすりのみ ぬしさつたひだ としのせ(の しどたびだつさ しぬみのりすく)
34
鳴る神の 声のみ聞きし 問いかけが 愛しき君の エゴの実刈るな
なるかみの こえのみききし といかけ(が いとしききみの えごのみかるな)
35
悔い残し 涙流るる 過去厭い 焦がるる彼方 孤児の逝く
くいのこし なみだながるる かこいと(い こがるるかなた みなしごのいく)
36
魂の 響きや画家も 死に泣くな 虹も輝き 日々の意志また
たましいの ひびきやがかも しになく(な にじもかがやき ひびのいしまた)
37
春たてば 花とや見らむ 鶏冠朱 里村宮戸 名は果てたるは
はるたてば はなとやみらむ とさかあ(か さとむらみやど なははてたるは)
38
花兄の眼 澄む村雨に 身が清き 神に召さらむ 娘の池か
かけいのめ すむむらさめに みがきよ(き かみにめさらむ むすめのいけか)
39
一嵩の 闇とっぷりと 変わりおり 若鶏ふっと 宮之阪飛び
ひとかさの やみとつぷりと かわりお(り わかどりふつと みやのさかとび)
40
死んでいた 生まれ遠い夜 まさやかや 彷徨い踊れ 舞う大天使
しんでいた うまれとおいよ まさやか(や さまよいおどれ まうだいでんし)
41
何度舞う 戸惑い悩み 孤独吐く 「琴宮ない」と 惑うマドンナ
なんどまう とまどいなやみ こどくは(く ことみやないと まとうまどんな)
42
師が叱る 弟子と子何度 舞衣着 いまどんなこと してるかしかし
しがしかる でしとこなんど まいぎぬ(き いまどんなこと してるかしかし)
43
仮夜斐の 蔦がめさらむ 飛鳥と ひと村雨が 立つの日和か
かりよひの つたがめさらむ とびとり(と ひとむらさめが たつのひよりか)
44
まったりと ひと村雨が 立つ功徳 蔦が召さらむ 飛鳥立つ間
まつたりと ひとむらさめが たつくと(く つたがめさらむ とびどりたつま)
45
感動の 湯船浮く品 奇異の目の 粋な時空ね 冬の饂飩か
かんどうの ゆぶねうくしな きいのめ(の いきなじくうね ふゆのうどんか)
46
才試し ギターあっさり 爪弾く日 祭りさツアー 抱きしめたいさ
さいためし ぎたーあつさり つまびく(ひ まつりさつあー だきしめたいさ)
47
意見かい? 盛大出来た 結婚後 告げた気でいた 異性関係
いけんかい せいだいできた けつこん(ご つげたきでいた いせいかんけい)
48
控訴避け 姉がどんなに 阻もうも 母に何とか 値上げ誘う子
こうそさけ あねがどんなに はばもう(も ははになんとか ねあげさそうこ)
49
若き名も 世界恥じ医師 流れ揺れ 悲しい芝居 風もなき河
わかきなも せかいはじいし ながれゆ(れ かなしいしばい かぜもなきかわ)
50
村区切る あの舞誰が 月の夜の 気づかれた今 野歩き眩む
むらくぎる あのまいだれが つきのよ(の きづかれたいま のあるきくらむ)
以上
回文短歌風の作り方
特に秘策はないですが、わたしは以下のように作ることが多いです。
では順を追って……。
1)短歌の構造を知る。
57577を丸で示すと、
○○○○○ ○○○○○○○ ○○○○○ ○○○○○○○ ○○○○○○○
なので、折り返し点(●)は以下となる。
○○○○○ ○○○○○○○ ○○○●○ ○○○○○○○ ○○○○○○○
そこから手をつける。
2)折り返し点を例えば、
○○ねる (ね
とし「ねる」に繋がる○○を探す。
※ はるは(春は)、よるよ(夜よ)、きるき(着る気)などと唱えながら探す。
3)見つかった言葉が「つい」ならば、
「ついねるね」→「つい寝るね」となるから4区目の頭2文字が自動的に出来る。
○○○○○ ○○○○○○○ ついねる (ね いつ○○○○○ ○○○○○○○
4)「つい寝るね」の前を探す。
※ もちろん後でも良い。出来た3句目による。
例えば「○○○○○○と」と仮決めし、その前を探す。
※ ここから先は諦めないこと。
「すると」「いると」「よると」「ようと」などが浮かんで来たら、しめたもの。
「たしかめよう(確かめよう)と」と当ててみる。
すると、
○○○○○ たしかめようと ついねる (ね いつとうよめが した○○○○○
まで出来る。
5)後は想像力(と根性)の世界。
どんなこか たしかめようと ついねる(ね いつとうよめが したこなんど)
「どんな娘か、確かめようと、つい寝るね」いつ問う嫁が、「した過去、何度?」
出来上がり。
以上




