鏡
ただのエッセイです。語彙も乏しいので、暇な人だけどうぞ
それは一種麻薬のようだった。
報われぬ創作活動に何か意味があるのだろうか。
書き連ねた私の力作達は、見返すと実にくだらない。
だがしかし、そこに込められたプライドこそが私なのだとも思うのだ。
初めはネットで知り合いった者に背中を押され、書いたものをひとつ投稿した。
決して多くはないが、その数十ポイントの評価が嬉しかった。
私の小さな世界では決して得られぬものだ。
だがどうだろう。一度その味をしめると、今度はより多くを渇望する醜い塊が頭をもたげた。
私のプライドがそれを許さなかったが、先述したネットの知り合いに背中を押され、言わば「なろう系」と呼ばれるジャンルを書き出した。
自分の表現したいものを何とかしてその中に混ぜれないだろうかと試行錯誤しながら、最初は書き始めた。
それは私のちっぽけなプライドの、せめてもの抵抗だった。
初めて投稿した翌朝、想像以上ポイントが集まっているではないか。
それは、一種麻薬のようだった。
えも言われぬ快楽のような物が脊髄を走り、脳の中を激しく揺さぶった。
それを求めるのは、依存性のような物なのだろうか。
これを知った時、私のプライドなどは緩やかな傾斜を安らかに転がり落ちていた。
私がこうして得た一時の幸福。だが人の欲が続く限りそれは満たされぬものなのかもしれない。
例え、私がそのジャンルで大成したとして、それになんの価値もない。それは実に空虚な満足であろう。
今なおこうして抵抗を続ける、私の捨てきれなかったプライドが、後悔の姿をした亡霊が、毎朝洗面台の鏡に映し出されるのだ。
一応これに連なる随筆を投稿するかもしれないので連載にしてますが、今のところ次の投稿は考えていません。