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とある天才の残念なお話  作者: 黒鯨
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天草 裕貴の幼少期5

勝負が終わり何を言い出すのか?と思ったが、どうやらオレは、まんまと罠に嵌められたみたいだ。イケメンは、やはり頭もいいのか?


オレ「なるほど!そう言う事か。

オレが勝負を受けた時点でお前の目的は、

達成してる訳だ。」


誠 「何の事か解らないが、質問に答えてくれな

いかい?

君は、まだ守れてない約束があるんじゃない

か?」


オレ 「だとしても、お前には関係ない!

お前に言われたからってオレが変わる事も

ない。

話は終わりだ。」


そう言い残して公民体育館を後にした。


人にまんまと出し抜かれたのは、生まれて初めてだった。屈辱である。だが、同時に敬意を称したいとも思った。実にしたたかな男だ。


奴の中での筋書きはこうだろう。

まず、オレがバスケ部に入らない事に理解が出来なかった。友達でもない男に誘われたところでオレが承諾する様なタイプではないと悟り、恋華に心当たりを聞いてみる。恋華がどこまで話をしたか解らないが、少なくとも県大会で優勝する約束をした事と、それが叶わなかった事を耳にした。

そして、あえて、恋華の名前を伏せる事で、遠回しにオレを苛立たせ真剣勝負に持ち込む。そして、結果に関わらず「約束」という切り札を使うつもりでいた。

要は、金輪際関わらない約束を守る代わりに、キミは、バスケ部に入って恋華との約束を守れ!と言いたいらしい。実に回りくどいお節介な男だ。


はぁー。どうしたものであろう?

事実、オレは、あの決勝の日の事が人生で1番後悔している。母親に拉致られた時点で、オレにどうする事も出来なかったのだが、人との約束を果たせなかったのは、あの時が最初で最後だ。ある意味あのイケメンくんのおかげで、約束を果たすチャンスが巡ってきたのだが‥‥。してやらせた感が半端じゃない。


それから、イケメンからも恋華からも特に何の連絡もなく1ヶ月がたった。

どうやら本当に、勝負の結果は恋華に話て無いらしい。もし、話を聞いたら、あの幼馴染が平然としている訳がない。そういうところは、筋金入りのポンコツだから間違いない。


‥‥「ここら辺で腹をくくるか」


オレは、色んな事を決意して、放課後にあの男を呼び出した。


誠 「やぁ!しばらくだね。友よ!」


イケメンは、相変わらずな様子だった。


オレ 「話がある。少し付き合ってもらえる

か?」


誠 「もちろんだ。」


オレ 「唐突だが!オレは自分が、天才だと思っ

ている。」


誠 「知っている。そして、事実だろ?」


オレ 「性格が歪んでいるから、友達が少な

い。」


誠 「知っている。1人何だろ?」


オレ 「今は、理由があってあまり活躍をしたく

ない。」


誠 「それは、知らなかった。」


オレ 「そんなオレとバスケが出来るのか?」


誠 「大歓迎さ。」


オレ 「周りを騙す事になるぞ?」


誠 「別に持っている能力を100%使わない=嘘って

事にはならないだろ?

それに、キミは、自分が天才だと自覚してい

ても、仲間をバカにした事無いんじゃないの

かい?」


オレ 「約束を守る為に力を貸してくれるか?」


誠 「当たり前さ!友よ!」


オレ 「ありがとう。誠。」


こうして、オレと誠は友達になり、バスケ部に入る事になった。


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