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■プロローグ

 五月十七日月曜日 午後1時 とある学園の一室。


「何だと! そんなことが許されてたまるか!」


 俺は、目の前で厨二病のごとく顔に手を当てながら笑っている男に叫ぶ。


「可笑しいのだから仕方ないだろう? これは真剣勝負なのだから勝利に対価を求めるのは当然ではないか」


 こいつ、メガネできっちりと学生服着てるくせに魔王のような喋り方しやがって。


「もう一度言うぞ? お前達が負けた場合、桜には我が部のマネージャーとなってもらいその――いろいろしてもらう!」


「いろいろって何だよ!?」

「いろいろはその――いろいろだ! そのこぼれそうな胸! 足! いろいろ見えそうで見えないその格好にて我が部で過ごし、いろいろと世話をしてもらう!」

「いろいろとかエロエロとかふざけ――」

「分かったわ、その条件で構わない。その代わり約束は守ってくれるんでしょうね?」


 美奈は臆しもせず、ピシッとメガネ魔王に言い返す。


「ああ、もちろんだ。あくまで俺達に勝てれば、の話だがな。ははは!」


 この野郎、負けることは微塵も考えていやがらないな。その優越に満ちた下卑た笑み、腹がたつぜ……


「美奈、お前本気でこいつの言った条件を呑むのか!? 負けたらこの変な厨二病魔王の奴隷なんだぞ!?」

「いや、俺はマネージャーになってくれと言っただけで奴隷とは一言も……」


 美奈がこんな奴に負けるとは思ってはいない。しかし万が一負けた場合を考えたら、この条件を呑むのは俺としては耐え難い。


「柊、これは私にとって遊びじゃないの。こんなところで負けているようじゃ夢なんてとても叶えられない。勝つしかないのよ!」

「美奈……お前……」


 何を迷っているんだ俺! 美奈のいう通り、ここは勝つしか道はない。


「いいんだな?もう後戻りは出来ないんだぜ?」

「最初から覚悟の上、望むところよ!」

「よっしゃ! じゃあいっちょやるか、美奈!」

「ええ! さあ始めましょう、私達の聖戦<ジハード>を!」


 俺と美奈はがっちり手を組み合い魔王に対し向き直る。そして美奈は流れるような紫色の髪に簪を差し、魔王を指差し言い放つ。


「儚く散りゆく桜の如く、我の剣技をもって貴様の命、ここに散らそう!」


 美奈が凛とした佇まいで紫桜(しおう)の決め台詞をカッコ良く決める。そうして俺と美奈は魔王に対して聖戦を挑むのであった。


「こいつらまるで人の話を聞いちゃいねぇ……ていうかこいつらのほうが厨二病だよなぁ!? それに俺魔王じゃねえし!」


 とある学園の一室、熱い戦い<ゲーム>が今始まる。

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