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可愛い可愛いうさぎ耳


「新聞でーす!」





朝から元気な声がする、この魔獣の森は人が寄り付かないはずなのに。しかも新聞?この世界にも確かに新聞はあるけど、ここまで持ってくるか?普通。





「あぁ、いつもありがとうねツキミ」






「いえ、こちらこそ今後ともよろしくお願いします!」





リーンさんと話しているのは郵便屋さんの格好をしたうさぎ耳の生えた女の子だ。凄く可愛い。






「あれ?その方は?」






「あぁ、この娘はボクの大切な友達のカンナだよ」






「カンナです、こんにちは」






「あぁ、これは御丁寧にどうも。私はツキミと申します」






お辞儀をする度にうさぎ耳がぴょこぴょこして目を奪われてしまう...可愛いなぁ...






「あの」





「何ですか?」





「耳を触らせて貰えないですか?」





何を言ってるんだ自分は!?あぁ、失礼な娘だと思われたかなぁ…ツキミちゃんびっくりして目を見開いてるよ。





「別にいいですけど...気持ち悪いとか思わないのですか?」






「え?何でですか?可愛いじゃないですか」








何故か泣かれた。そんなに嫌だったのだろうか...







「グズッグスッ...」






「あの...そんなに嫌でしたか?」






「違うんです…嬉しくて...私達亜人は人間にとっては凄く気持ち悪いらしくて...人間と動物の混じった禁忌の生き物何て言う人もいるぐらいで...」







「そうだったんですか…私は凄く素敵だと思います!」







「グスッ...ありがとうございます…!」







「尊い…」






リーンが何か言ってる、凄い笑顔。何かいい事あったのかな?





「どうしたの?」






「何も無いよ!」








ニコニコしてるから、嫌なことでは無いのだろう。






「そういえばツキミ、新聞持ってきてくれたんだよね」






「ああ!すいません...」






「いいんだよ、あと、ボクもツキミのことは可愛いって思ってるよ?」







「ありがとうございます…」







そう言ってツキミはリーンに新聞を渡す。そういえば最近ここから外に出てないから、何があったか気になってたんだよねー。






その新聞にはこう書いてあった。













【ミリア様、基本属性すべてに適性、しかも特異魔法 «破壊» «創造»、発現】












え?ミリアちゃんヤバくない?

えぇ〜...破壊と創造って...相反する二つの概念を一つの身体に宿すということは並大抵のことではない。

それほどまでにミリアちゃんの才能は人外級なのだろうなあ…








「やっぱり...カンナに関する記事が無い...こいつら、カンナのことなんてどうでも良かったんだよ!」






「カンナさんの記事ですか?」








ツキミが首を傾げる、あぁこの娘には何も言ってなかったか...何か長い付き合いになりそうだし、言っちゃおっかな。

私はツキミに全てを話した。

驚いてはいたが「カンナさんはカンナさんです!」と言ってくれた。嬉しい。








「本当ですね…言われてみれば、カンナさんの失踪記事がありません、捜索隊の状況とか載せててもおかしくないのですが…」







「まぁわかってた事だし、別に気にしてないよ」







「カンナさん...」







ツキミが悲しそうな顔をしている、本当に気にしてないんだけどなぁ…






「それよりも!朝食作ったから食べていかない?」






「それはいい、ツキミもここで朝の配達終了だろう?」







「いいんですか?」






「もちろん!」







「フフッ...楽しい朝ごはんになりそうだね…」














そう言ったリーンのポケットの中にはある紙が入っていた。









そこには【カンナ様死亡か!?絶望する勇者一家】というカンナの捜索をまだ願うカンナの家族の写真が載った記事が書かれていた。

















「フフッ...本当に楽しみだなぁ…」



















リーンは歪んだ笑みを浮かべながら、自分とカンナの将来を思い描く。






両親side





カンナが産まれた時は本当に幸せでこんな生活がずっと続くと思ってた。





だが、多分気づいていた、僕達はカンナが産まれたとき泣かなかったことに。







『泣かない子はどこかに欠陥がある』








この世界では、一般常識のように言われている。だが、どんな欠陥があろうと支えていくつもりだった。それが親の役目と思っていたから。








だが、カンナには何も欠陥など無かった、むしろ優秀な娘で僕達は安心しきっていたんだ。











そう、魔法適性検査の日まで。








声を掛けてあげれば良かった、お前にどんな事があっても味方だって、お前は僕達の子供だけど、無理に使命を背負わなくてもいいって。






僕達は、いや僕は親失格だ、何が勇者だ...!娘一人救えてないじゃないか…!






その日から僕達家族は変わってしまった…愛し合っているのはわかるが、どうしてもカンナの死を乗り越えることができてない。






僕は勇者としての仕事があまり身に入らなくなった。妻はたまに声を押し殺して泣いている。ミリアは何も居ないところに話しかけている。







カンナが居ないことはこの家にとって耐え難いことだった。









もうお前はこの世に居ないというのにな...


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