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私を助けてくれた人はボクっ娘エルフ様でした


「ん...?」








目が覚めると知らない天井が見えた…っていうかほんとにここどこだ?えっと…私は神殿から逃げて魔物に襲われて...あ!そうだ!変な能力的なものが発現してたんだ!何だったんだ?あれは…









「あ!やっと目を覚ましたね!!」










誰だ!?このめちゃくちゃ美人な短髪のおねーさん!!










「びっくりしたんだよ?狩りしてたらいきなり大きな音がして見に行ったら人が倒れてるんだもん!」








「え...」










「あ!自己紹介忘れてた!ボクの名前はリーン、この森の住人だよ!」










どうやらリーンはあの後気絶して死にそうになってた私を治療して介抱してくれていたらしい、お礼しないとな…といっても何も持ってないけど…










「私の名前はカンナと申します、助けていただきありがとうございます、リーンさん」











「いいんだよ、いいんだよ!ボクも久々に人に会えて嬉しいからね、それにどうやらボクを連れ戻しに来た訳じゃなさそうだしね…」












ん?最後のどこだけ何言っているかわからなかった、まぁそんなに重要な事でもないだろう。小声だったし。












「まぁそんなことより!何でカンナはあんな所で血まみれで倒れてたの?言いにくかったら良いけど…」












「それは...」











言ってしまって良いのだろうか…?失望されないだろうか?でも言わないと何か失礼だよね…怪我の治療もしてもらったし。











「実は…」










私はこれまでの経緯を話した、自分に魔法適性がほぼ無いこと、勇者の娘であること、何故か魔物に襲われたときに変な力が発現したことなど、包み隠さずに全てだ。










「そんな事が...本当に家の期待とか周りの目とかって辛いよね...」













リーンさんは勇者の娘なのに魔法適性が無いことを馬鹿にすること無く真面目に話を聞いてくれた、それだけでこの人の優しさがわかった。不覚にも泣いてしまいそうになる、泣いちゃダメだ...と思い耐える。すると、










「泣きたかったら泣いていいんだよ...ボクの胸を貸してあげる」









もうダメだった、耐えてきたものが一気に崩れるように泣いて、叫んで、何で、何で私がと繰り返す。

リーンさんは抱きしめて私が落ち着くまで頭を撫でてくれた。










「落ち着いた?」








「はい...」








「そっか、じゃあご飯にしようか!ご馳走作ってあげるから!」








「え...?そんなの悪いです…」








「いいんだよ!いっぱい食べて元気にならなきゃ!」








「...じゃあお言葉に甘えて」










お腹の虫には勝てなかったよ…けど、ここでご飯を食べて、朝になったら両親の元に返されるのだろうか…両親の元に帰るのは良いけど、あの街には行きたくない...多分後ろ指をさされて生きていくことになるから...










「どうしたの?カンナ」









「あの、私は今、両親の元に帰りたくないです…というか今帰っても家族以外で私の帰りを待っている人は...家族もどう思ってるか...」










「え?ボク、カンナはずっとここに住んで貰おうと思ってたんだけど」








「え?」









「え?」











「いいんですか!?」










「いいも何もボクはそのつもりだったし、カンナも多分帰りたくないって言うとおもってたし…(それにカンナ、ボクのタイプどストライクなんだよね…聞く限りではカンナの力ヤバそうだし…ボクが守らなくちゃね…)」










「今最後何て...」








「何も言ってないよ」








「でも「何も言ってないよ」」








「今絶対「何も言ってないよ」」









「まぁとにかく!カンナはここに住むこと!それにボクはカンナを助けてあげたんだからそのお礼と思って、寂しいボクのために一緒に住んでよ」









「ありがとうございます…」









「よしよし...フヒヒ...」








何か寒気がするけど…やっぱりリーンさんは良い人だ、こんな小娘を住ませてくれるなんて。私もリーンさんの為に何かしないと!








「リーンさん」







「リーン」








「え?」







「リーンでいいよ、敬語も無しで、そっちのほうが距離が近い感じがするから」







「うん...!ありがとう、リーン!」







「どういたしまして」







リーンは笑顔で答える、ああ...ダメになりそう.....私を見てくれて、優しくて料理も出来て美人でいい匂いもする。

私が男のままだったら即告白して即お断りされてたね…あっ!リーンに聞きたい事があったんだった。







「そういえば、私どれぐらい寝てたの?」







「四日間だね、それがどうしたの?」







「一応、家族に手紙送ったほうが良いかなぁと思って...」







「大丈夫でしょ」








「で、でも心配してくれてる可能性もあるし…」







「どっちにしろカンナはずっとここに居るんでしょ?それに、カンナを探す調査隊みたいな人達も、探せばここに居るってわかるはずなのに、来てなかったし…」







「そっか...」







まぁわかってた事だ、もしかしたら両親も探そうとはしてくれたかもしれないが国が許してくれなかったのかも知れない、勇者候補ならミリアちゃんがいる、わざわざ私を探す意味もないだろう。







「嘘だけどね…」








「ん?何か言った?」







「んー?カンナは可愛いなぁって」







「え!?リーンのほうが可愛いよ!」







「いや、カンナは可愛い、本当に食べちゃいたいぐらい...」







まただ、たまにリーンは、ぼそぼそと私にわからないような声で話す。少し気になるなぁ…まぁいっか!悪口とかでは無いみたいだし!







「リーンって耳長いよね!何か特別な種族なの?」







「あぁ、エルフなんだ」







「へー!だからそんなに綺麗なんだ!」








「エルフは綺麗なんかじゃないよ」







「え?な、何で?」







「理由はまた話すけど…エルフに会っても信用しないようにね」






「でもリーンは綺麗だよ!その優しさとか明るいところとか多分魂が綺麗なの!だから性格とか容姿に出るんだよ!」







「そうかな…」







「うん!そうだよ!」







「そっか、嬉しいなぁ…」







喜んでもらえてよかったよ、リーンは少し自身なさげだったけど、私をこんなに幸せな気持ちにしてくれたリーンが綺麗じゃないわけないよ!







「じゃあご飯にしよっか?」







「うん!楽しみ!」






「いろんな料理があるからいっぱい食べてね」







「わかった!」





その夜は凄く幸せな気持ちのままベットにつきました、ここでの生活が平穏にいきますように...

ところどころ本性のでてるリーンさん、果たしてカンナの運命やいかに!!

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